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Cursor 次期バージョン(v0.46)の 5 つのアップデートが超便利なので紹介したい

2025/02/23に公開

こんにちは。
株式会社キカガクの tetsuro_b です。

2025年2月23日、待望の Cursor v0.46 が一部ユーザーに限定して?リリースされました。
※ 私の手元では 2025/2/23 17:00 頃にアップデートされました。

Cursor の大きなアップデートは前回の v0.45 から実に 1ヶ月ぶりとなります。

前回の「v0.45」のアップデートでは、今やなくてはならないProject RulesMCP のサポートが主な機能追加でした。

最近の AI エディタ界隈を振り返ると Cline が MCP Marketplace を発表し、当初から MCP に関心度の高かった Cline が MCP という観点ではさらに 1 歩先に進みました。
また、Windsurf という AI エディタもここ 1ヶ月で注目度が増しており「Automated Memories(開発者の行動を学習し、記憶する機能)」や「Pro プラン以上での DeepSeek V3 の無償化」など魅力的なアップデートが続いています。

このように今や「AI エディタ = Cursor」だった時代とは違い、他の AI エディタから猛追を受ける形となっている AI エディタのパイオニア「Cursor」。

そんな Cursor が v0.46 でどんな進化を遂げたのか。

それでは詳しく見ていきましょう。

Chat, Composer のチャットセッションの統合

まずは Chat, Comopser のチャットセッションの統合です。
チャットセッションの統合に伴い名称もそれぞれ以下の通り変更されています。

  • Chat → Ask
  • Composer(normal) → Edit
  • Composer(agent) → Agent

これまでは Chat, Composer は別々のチャットセッションでしか使えませんでした。
そのため例えば o1 などの推論モデルに設計やバグの修正方針をまとめてもらった後に、Composer にその情報を引き継ぎ Claude 3.5 sonnet などの Composer 対応のモデルでコーディングしてもらう。という手順を踏むのが少々手間でした。

今回のアップデートでその点は解消され、タスクに合わせて細かくモデルを変更する自由度が上がりました。

Composer で編集されたコードに対して「これなんでこういう変更したの?」などを Ask モードに切り替えて聞けるようになるのもとても便利そうです。
※ これまでだと質問してもそこから勝手に意図しないコード修正が入ってしまうのが地味に不便ではありましたからね。

さらに、Ask/Agent/Edit に関しては command + . のショートカットで切り替えが可能です!!
とても使い心地が上がりそうなので、使い倒したいなと思っています。

Project Rules の読み込み可視化

2 つ目は Project Rules の読み込み可視化です。
Project Rules は便利な反面「本当に Project Rules が適用されているのかわからず不安になる...」という課題がありました。
この課題を解決するために以下のようなハックも考案され、私も真似して運用していました。

https://zenn.dev/globis/articles/cursor-project-rules#5.-ちょっとした-tips

今回のアップデートでその点が解消され、Agent が読み込んだ Project Rules がチャット上に表示されるようになりました・・・!

いざ、Project Rules の整備を始めると特定のケースで複数の Project Rule を呼び出したいケースがあったりする中で「いまどのルールが適用されていてどのルールが適用されてないんだ?」と困惑するケースも多かったので地味ではありますが個人的にはかなり良い改修だと感じます。

Project Rules の Global 指定

3 つ目は Project Rules の Global 指定です。
これまで Project Rules にて常に参照される Rule を作るには globs に * を入れるのが一般的でした。
ただこのやり方だと参照されるケースもあれば、参照されないケースもあったりして挙動が安定しない印象でした。
※ .cursorrules は何も設定しなくても常に読み込まれるのでこの点では Project Rules の使いにくさを感じていました。

ただ今回のアップデートで常に参照されてほしい Project Rules に関しては Global を指定できるようになりました・・・!

さっそく Global を試したところしっかり参照されているようです。
※ 複数の Global を指定した Project Rules を作成しても Global の数だけしっかり参照されていることが確認できました。

ちなみにこのアップデート自体は地味なんですが捉え方を変えると・・・

ついに Cursor にも Memory 機能が来た!

ということです。
Windsurf 等と違い「Memory して」の一言で済ませられない点はありますが、Memory 機能として十分に機能させられることでしょう。
また、Project Rules 自体はリポジトリに上げられるので、Memory 内容をチームメンバーで共有できる点は他の AI エディタにはない?(少なくとも Windsurf には無さそう)特徴となりえたと思います。

Web 検索の公式対応

4 つ目は Web 検索の公式対応です。
これまでも MCP ツールを活用することで Agent モード(旧 Composer)内で Web 検索が可能でしたが、今回のアップデートから公式に Cursor に Web 検索が搭載されました。

以下のスクリーンショットのように Web 検索が行わていることがわかります。

設定自体は「Cursor Settings > Features > Web Search Tool」で可能です。

Web 検索がサポートされたことでパッケージの最新のバージョンに合わせてコーディングしてもらったり、仕様書を作ってもらったり、エラー内容を Web から検索して修正案を考えてもらったりと利用できるケースはかなりあるなと感じました。

ターミナルの参照

5 つ目はターミナルの参照です。
これまでも Cursor はターミナルに出力された情報をコンテキストとして与えることは出来ていました。ターミナル上に出力されたエラー文をクリックして「add Composer / add Chat」をする感じですね。

今回のアップデートではチャット内で @Terminals でコンテキストとしてターミナル内に出力された情報を指定できるようになったようです。

チャットの入力欄から離れることなくターミナルの情報をコンテキストに追加できるのは地味ではありますが使い心地としては良さそうです。

また Cursor 上でターミナルを複数開いている場合には @Terminals の次にどのターミナルを読みこむかと指定ができるようです。

総評

今回の Cursor v0.46 のアップデートを振り返ると「これまで Cursor が積み上げてきたものの再整理」という印象でした。
大きな機能改修を行う前にまずは既存の機能を着実に洗練化させておいたというイメージですかね。

個人的には今回のアップデートで本当に痒いところに手が届いたというか、「あぁ開発者の声をしっかり取り入れて改修してくれるているんだな」と Cursor 愛が増しました。

過去のリリース履歴を振り返ると Cursor はだいたい 1 ヶ月おきに大きな機能改修を行っていますので次回のアップデートである v0.47 のリリースはおそらく 3 月末頃になるでしょう。

MCP 機能の充実や、Memory 機能とも言えるような機能が Cursor にも搭載された次はどんな進化が待っているのでしょうか。非常に楽しみです。

こういった AI エディタに関するリリース情報がどれくらい需要があるのかわかりませんが、好評であれば次回のリリースや他の AI エディタに関しても動きがあれば記事にしようと思います。

また、X(tetsuro_b) ではよりリアルタイムに AI エディタ周りの情報を発信しておりますのでこちらもよければご覧ください!

株式会社キカガク

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