分割キーボードEPOMAKER Split65
EPOMAKER Split65 is 何
こんなキーボード。
本記事ではメインキーボードであったZSA Voyagerから乗り換える経緯と、業務を遂行するためにカスタマイズした設定を備忘録として記録する。分割キーボードやコンパクトキーボードに興味がある方は参考にしてほしい。
ちなみにZSA Voyagerの記事は下記の過去記事を参照のこと。
EPOMAKER Split65の特徴とメリット・デメリット
名前からわかるように本機はいわゆる65%キーボードと呼ばれるジャンルの製品で、フルキーボードと呼ばれる108鍵と比較して68鍵(+ノブ)と省スペースな設計となっている。
キーが少ないということは入力できる文字が少ないということで、それを補うためにレイヤーという機能を使うことになる。そしてメインだったZSA Voyagerはさらに少ない52鍵となっている。
メリット
本機の最も際立つ特徴は分割スペースキーを採用していることだ。特殊配列キーボードの多くはUS配列を採用しているが、あれを見ていつも思うことがある。
「スペースキー、長すぎないか?」
私の手は大きくないため、ホームポジションの大部分を占めるスペースキーは邪魔以外の何物でもない。これを分割することで親指に役割を与えることが可能となり、かなり自由な打鍵が行える。
もうひとつ大きな利点は「独立アローキーの採用」である。プログラマであればVIMキーバインドなどで移動の多くはサポートできるが、アーティストにはホットキーの兼ね合いで独立アローキーがないとより複雑なキーコンボを要求される場合が出てくる。主にAdobe製品でこの弊害は大きい。
デメリット
せっかくのノブ(ロータリーエンコーダ)はかなりせせこましく配置されているため、私の用途では使用することはなさそうである。
さらに、ワイヤレス使用に関しても注意が必要かもしれない。箱には技適マークがプリントされていたが、キーボード本体には印字がない。また、本製品の公式HPには「EPOMAKER製品は無線通信認証(TELECOM)を取得しています」との記載があるが、確信が持てないため、私は有線での使用を選択した。
そもそも有線のほうが反応がよいので個人的にはそこはあまりクリティカルではない。
キーマッピング
本機はVIA/QNK/Remapに対応しているとのことで、今回はRemapというWebアプリケーションを使用して設定することとした。
個人的にはVIAよりも洗練されているように思えた。ちなみにリマップの作業を行うたびにキーボードを認識させるためのJSONファイルが必要になるため、公式サイトからダウンロードし、わかり易い場所に保管しておくとよいだろう。
以下にリマップの詳細は記載していくが、一覧で確認したい方はPDFにキーマップをまとめてたのでこちらよりDLして参考されたい。
Layer0
メインとなるレイヤーである。当然ここに最も使用頻度の高いキーを集めることとなる。下記の画像を見てほしい。
左手親指がカバーする2つのキーにSpace
を割り当てているのが少々奇妙で非効率であるが、主にPhotoshopとHoudiniでSpace
キーを長押しするオペレーションが頻発し、Layer(2)
とバッティングが発生するため、美しくはないがこのようなセットアップになっている。今後調整するかもしれない。
また、画像右端にあるブルーのキーにはPhotoshopのホットキーを割り当てている。どれも少々手がつりそうなキーコンボである。
- PNGとしてクイック書き出し
- 描画色で塗りつぶし
- 背景色で塗りつぶし
Layer1
Fn
キーとの組み合わせで実行するキーマップ。これはデフォルトの設定から変更はしていない。
ちなみにFn
+X
でバックライトのトグルができるので私はオフにして使用している。キーボードは光らなくてよいのだ。
Layer2
ここが最も過激なカスタマイズを施したキーマップとなる。画像を参考に見ていきたい。
テンキー
水色のキーにはテンキーをまとめて配置している。DCCツールでも多用するところなので、一箇所に配置しておくと便利である。
また、私はGoogle日本語入力を愛用しているが、その設定でテンキーからの入力を直接入力にすることで、かな入力中でも数値を直接扱えるのでオススメだ。
文字削除
このレイヤーでバックスペースとデリートを両方扱えるように設定している。H
キーにBackSpace
を割り当てているのはEmacsユーザの血のようなもので、しっくりこなければ各々馴染みやすいキーにアサインすると良いだろう。
移動との誤爆が多かったためH
キーのアサインは取りやめ、B
キーへと替えた。バックスペースのB
ということで。
メディアコントロール
紫色のキーに集約している。
Houdiniのホットキー
ツール側の設定も合わせて多用する機能へスピーディにアクセスできるよう設定した。
- AttributeWrangleを作成
- リファレンスコピーを作成
- Copy Parameter
- Paste Relative References
-
Space
+1
~5
Macro
上記5番を実現するためにマクロ機能を利用している。
画像の通りSpace
をhold
に、0
をtap
に設定することでビューポート変更を行っている。
Space
を使用すると空打ちが発生するためEsc
に変更した。
Windowsの操作
ピンク色のキーにまとめている。
- スクリーンショット
- GeForce Experience
- ウィンドウを別のディスプレイへ移動
- タスクマネージャ
- デスクトップの表示
Layer3
コードを書くときに必要な記号やオペレーションなどをまとめている。
記号類
緑色のキーにまとめた。
※ =
がホームポジションから遠かったため;
にもアサイン。チルダが入力できなかったためEsc
にアサインした。
アローキー
独立アローキーがあるとはいえ、ホームポジションからは遠いためVIMキーバインドも導入している。黄色のキーにまとめている。
Windowsの操作
タブの前後移動や英数/かな切り替えなどをピンク色のキーにまとめている。
特に親指キーをふたつ押すことで「英数/かな切り替え」ができるのは非常にユーザビリティが高いように思う。
そして/
に割り当てたWin
+/
だが、これはGoogle日本語入力の再変換にあたるホットキーをアサインしている。地味に便利なのでここだけでも皆さんご利用いただくと良いかもしれない。詳しくは下記サイトを参考のこと。
まとめ
本機にはおおよそ満足しているが、ロープロファイルからノーマルプロファイルに戻したので若干の疲れは感じるように思う。慣れるといいな。
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