Cline CLI をDocker環境で使ってみる
Cline CLI とは
Cline CLI は、ターミナル上で直接 AI コーディングエージェントを実行できるコマンドラインツールです。
VS Code の拡張機能として人気の Cline を、CLI から利用できるようにしたもので、git diff をパイプして CI/CD での自動コードレビューを行ったり、複数のインスタンスを同時実行して並行開発を行ったり、既存のシェルワークフローに Cline を統合したりすることができます。
CLI は、システム全体のインスタンスを追跡し、人間とスクリプトの両方に適した形式(JSON、プレーンテキスト、またはリッチターミナル出力)で出力します。
何故このトピックにしたか
AI コーディングアシスタントの活用が進む中、VS Code などの IDE 内だけでなく、ターミナルから直接 AI を活用できるツールへの需要が高まっています。
特に CI/CD パイプラインへの組み込みや、スクリプトからの自動化、複数タスクの並行実行など、CLI ならではの使い方が可能になります。
現在はプレビューリリースで macOS と Linux のみのサポートですが、Windows サポートも予定されており、今のうちから使い方を把握しておくことで、将来的な活用の幅が広がると考え、このトピックにしました。
公式ドキュメントの通りでほぼ問題なかったですが細かい API Key の設定方法について記載はなかったので参考までに書いておこうと思います。
動作環境
- OS: Windows 11
- Docker: Linux コンテナ環境(VS Code の開発用イメージで)
- Cline CLI: バージョン 1.0.1
- Node.js: 20.x 以上推奨(バージョンが低いとインストールできませんでした。例えば node.js 18)
注意: Windows では現在ネイティブサポートされていないため、Docker の Linux コンテナを使用して検証を行いました。
特徴
サポートされているモデルプロバイダー
Cline CLI は複数の AI モデルプロバイダーをサポートしており、ニーズに応じて最適なモデルを選択できます。
- Anthropic
- OpenAI
- OpenAI Compatible
- OpenRouter
- X AI (Grok)
- AWS Bedrock
- Google Gemini
- Ollama
- Cerebras
インストール時に cline auth コマンドを使用して、希望するプロバイダーを認証・設定します。
導入
インストール
私の場合は VS Code の Dev Containers 拡張機能を使って Docker コンテナ内で開発を行っているため、そのコンテナ内部に入って Cline CLI をインストールしました。
Dev Containers を使用することで、Windows 環境でも Linux コンテナ内で Cline CLI を動作させることができます。
Microsoft が用意している Node.js 環境を今回は使用しました。(おすすめマークがあるもの)
なぜそのイメージにしたかというと、cline CLI は npm で install するのでセットアップの手間がなさそうだった為です。
# 参考:Nodeのバージョン
node -v
v22.16.0
# VS Code のターミナルでコンテナ内に入った状態で実行
npm install -g cline
認証設定
ここまでは公式にも載っている内容なのでとくに問題ないかと思います。
ここから詳しくは載ってないので自分が行った設定を載せていきます
# AI モデルプロバイダーの認証
cline auth
# 以下のような表示がされる
┃ Cline Account: ✗ Not authenticated
┃
┃ What would you like to do?
┃ > Authenticate with Cline account
┃ Select active provider (Cline or BYO)
┃ Configure API provider
┃ Exit authorization wizard
# 今回はAnthropicのAPI Keyを入れるのでConfigure API providerを選択
┃ What would you like to do?
┃ Authenticate with Cline account
┃ Select active provider (Cline or BYO)
┃ > Configure API provider
┃ Exit authorization wizard
# Configure a new providerを選択
┃ What would you like to do?
┃ > Configure a new provider
┃ Change model for API provider
┃ Remove a provider
┃ List configured providers
┃ Return to main auth menu
# Anthropicを選択
┃ Select an API provider
┃ > Anthropic
┃ OpenAI
┃ OpenAI Native
┃ OpenRouter
┃ X AI (Grok)
┃ AWS Bedrock
┃ Google Gemini
┃ Ollama
┃ Cerebras
┃ (Cancel)
# API Keyを入力
node ➜ /workspaces/typescript-node-2 $ cline auth
┃ API Key
┃ > ***************
# モデルを選択(好きなモデルを選択してください)
Fetching available models...
┃ /
┃ > claude-3-5-haiku-20241022
┃ claude-3-5-sonnet-20241022
┃ claude-3-7-sonnet-20250219
┃ claude-3-haiku-20240307
┃ claude-3-opus-20240229
┃ claude-opus-4-1-20250805
┃ claude-opus-4-20250514
┃ claude-sonnet-4-20250514
# (不具合なければスキップ)
# 重要:完了すると以下の表示になりますが、
# もう1度Configure a new providerから
# 適当でよいので別のプロバイダーを作成します
# (私の場合あとの工程でAnthropicのプロバイダーに切り替えするのに必要でした。)
Fetching available models...
✓ Provider configured successfully!
┃ What would you like to do?
┃ > Configure a new provider
┃ Change model for API provider
┃ Remove a provider
┃ List configured providers
┃ Return to main auth menu
# (不具合なければスキップ)とりあえずOpenAIを選択
┃ Select an API provider
┃ Anthropic
┃ > OpenAI
# (不具合なければスキップ)適当なKeyを入力
┃ API Key
┃ > *
# (不具合なければスキップ)適当なモデル名を入力すると完了です
Fetching available models...
⚠ No models found from the provider. Please enter the model ID manually instead.
┃ Model ID
┃ > aaa
# Return to main auth menuでプロバイダーの設定画面から戻ります
┃ What would you like to do?
┃ Configure a new provider
┃ Change model for API provider
┃ Remove a provider
┃ List configured providers
┃ > Return to main auth menu
# まだ先ほど設定したモデルが適応されていないので
# Select active provider (Cline or BYO)を選択
┃ Cline Account: ✗ Not authenticated
┃
┃ What would you like to do?
┃ Authenticate with Cline account
┃ > Select active provider (Cline or BYO)
┃ Configure API provider
┃ Exit authorization wizard
# Anthropicを選択
┃ Select which provider to use
┃ > Anthropic
┃ OpenAI
┃ (Cancel)
# 上部に Active Provider: Anthropicなどと出ていれば設定ができていますので
# Exit authorization wizardで抜けます
✓ Provider configured successfully!
┃ Cline Account: ✗ Not authenticated
┃ Active Provider: Anthropic
┃ Active Model: claude-3-5-haiku-20241022
┃
┃ What would you like to do?
┃ Authenticate with Cline account
┃ Select active provider (Cline or BYO)
┃ Configure API provider
┃ > Exit authorization wizard
動作確認
あとは公式にも載っている感じで日本語で「何ができる?」などを入れると VS Code 拡張と同様にレスポンスを返してくれるようになります
cline "何ができる?"
実行後のサンプル
Using instance: 127.0.0.1:33643
Press Ctrl+C to exit
Conversation history (1 messages)
何ができる?
## [22:36:53] Checkpoint created 1761259013003
### Cline has a plan
こんにちは!私は、プログラミングやソフトウェア開発に特化した高度な AI アシスタントです。以下のような多くのことができます:
1. プログラミング支援
• コードの作成と編集
...
まとめ
Cline CLI は、AI コーディングエージェントをターミナルから直接利用できる強力なツールです。
VS Code 拡張機能としての Cline の便利さを維持しながら、CLI ならではの自動化や並列実行、CI/CD 統合などの機能を提供します。
現在はプレビューリリースですが、今後の Windows サポートやさらなる機能拡張が期待されます。
自分の環境ではプロバイダーの設定で想定外の動きだったのでその詰まりポイントの解決方法を今回は記載しました。
Docker を使えば Windows でも動作するので試したい方は結構簡単かと思います!
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