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ファインマンテクニックの秘密:リチャード・ファインマンの勉強方法を学ぶ

2023/06/04に公開

はじめに

リチャード・ファインマンという人物をご存知だろうか

リチャード・ファインマンはアメリカ出身の物理学者で1965年にはノーベル物理学賞を受賞している。
ファインマン物理学という本はとても有名で文系の私でも名前を聞いたことがあるほどだ。
中身はさっぱりわからないが、、、

そんなファインマンは物理学に優れているだけではなく、教えることもとてもうまかったそうだ。
天才といえばなんとなく常に自分だけの世界に入り込んでいて周りの人が理解できないことを永遠と喋り続けるようなイメージがある。

天才であるのにもかかわらず、教えるのが上手い(言語化が上手い)というのはイメージ的には矛盾しているように感じるがファインマンはそれができたそうだ。
彼が物理学の複雑な概念を学生に教えるにあたって、他の教師と違ったのは
何かをよく理解したいのであれば、シンプルに説明することを心がけようということだった。

シンプルに説明しようとするとその概念について自分がどれほど深く理解しているかがすぐにわかる。
逆に自分が苦手としている部分だったり、理解していないところこそ専門用語や複雑な言い回しを使って説明することから逃げようとするのでシンプルに説明することができない。

これがファインマンテクニックという勉強法として体系的にまとめられていて、
今後ITの技術だけではなくすべての学習においてとても有益だったので紹介する。

注意 この勉強法の注意点は何かを学び始めるときににおいて有効な勉強法ではなく、ある程度学んだ後にその概念の理解を深めるための勉強方法である

具体的なファインマンテクニックの流れ

ステップ1. コンセプトを選ぶ

まずは自分が深く理解したいコンセプトを選ぶ必要がある。
コンセプトはより具体的である方が望ましい。

例)オンプレミスよりAWSのほうが優れている理由

ステップ2.選んだコンセプトについて説明(アウトプット)してみる

選んだコンセプトについて人に教えるイメージでできるだけシンプルな言葉を使って説明してみる。
その際の方法は実際にプレゼン形式で喋ってみてみる、文章にしてみるなどアウトプット方法はそれぞれに合ったものでOK。

ただし以下のステップでその内容を見返す必要があるので記録に残ってる方が良い。プレゼン形式で説明する場合は音声を録音するなど。

例)AWSなどのパプリッククラウドはオンプレミスと比べて以下の点で優れているといえる。
まずスケーラビリティの観点においてAWSはインフラストラクチャのオートスケーリングを可能にするためのたくさんのサービスを提供していて
オンプレミス環境では、新しいサーバーやハードウェアを導入するために時間と労力を要するが、AWSでは数分から数時間で新しいリソースを追加できる。
〜〜〜中略〜〜〜
これらの点からオンプレミスよりAWSのほうが優れているといえる。

ステップ3.自分の説明を見直してシンプルに説明できなかった部分を見つける

ステップ2での説明を第三者の視点に立ってみて見直してみる。
その中で

  • 難しい単語、専門用語使ったところ
  • 横文字を使ったところ
  • 抽象的、曖昧な言葉使いだったところ
  • 詰まったところ
  • わかりにくかった

などを見つける。
ChatGPTに聞いてみるのもアリ。

例)

  • AWSのオートスケーリングって具体的にどんなサービスを使っておこなわれているんだっけ?
  • スケーラビリティってどういう意味?
  • 「たくさんのサービス」ってたとえば何?(曖昧な言葉)

ステップ4.洗い出した部分を言い換えてもう一度説明してみる

ステップ3で洗い出した点を改善させて、もう一度説明してみる。
もしまた新たに説明できなかった部分があればステップ3に戻って納得できるまで説明を繰り返す。

まとめ

実際に説明してみると意外なところを理解していなかったり、専門用語を使って説明を回避していたことに気づく。
シンプルにできなかったところを再帰的に振り返ることで自分が無意識に理解することから逃げていたことを見つけることができたのでファインマンテクニックはすべての勉強において有用だと感じた。

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