GitHub上でのCopilotに議事録を渡してissueを作ってもらうのが便利
この記事の内容は先日行われたGitHub Copilot Meetup Tokyoで発表した内容の一部をまとめたものです。
GitHub CopilotにチャットIssueを作成してもらえるようになった
みなさんGitHub Copilotを使っていますか?最近はClaude Codeの話題ばかりでちょっと押され気味ですが、エディタ上での利用だけではなくGitHub上で使えるAI機能としてのGitHub Copilotも実はできることが色々と増えてきています。
その1つが最近追加されたGitHub CopilotのチャットからIssueを作成可能になった機能です。
単に自然言語でIssueのタイトルと本文を書いてくれるだけではなく、ちゃんとGitHubのIssueの機能も活用してくれます。
- Assignees, Labels, Issue Type, Projects, Milestonesなどの設定
- Issueのテンプレートに沿った内容の生成
- 複数のIssueをまとめて作成
自分は仕事のタスク管理や、プライベートでの開発もGitHub Projects + Issueで行っているのですが、Issueをちゃんと作るのって結構大変なんですよね。
タスクを細分化して1つ1つのIssueに本文を用意するのに最も時間がかかりますが、Issueをたくさん作るとときはLabelやMilestonesをぽちぽち設定するのも地味に面倒だったりします。
そこでGitHub Copilotにチャットで依頼すれば全部自動でやってくれるので便利!・・・と言いたいところですが、正直チャットで指示するためキーボードを頑張って叩くのであれば効率としてはあまり変わらないです。頑張って指示をしたとしてもCopilotが生成してくれるIssueが自分の思い描いているものと100%一致するわけではないので、どのみち追加で修正することを考えればCopilotを使わずに今まで通り自分でIssueを作成した方が早そうです。
という感じで出た当初は感動しつつも結局あまり使い道がなさそうだと思っていたのですが、あるときにMTGの議事録を渡してIssueを作成してもらえば便利なのでは?と気づきました。
というのも、最近はZoomやTeamsが自動文字起こしやAIによる議事録の機能を提供しており、それらの議事録の最後には参加者ごとのNext Actionが書かれていることが多いです。これがほとんどの場合Issueと1対1で対応するものですし、その内容の詳細も議事録に書かれています。であれば後はこの議事録をGitHub Copilotに渡せば完璧なIssueを作成してもらえるのでは?というわけです。
議事録をGitHub Copilotに渡してIssueを作成する
では実際に試してみましょう。今回はデモ用に架空の議事録を用意しました。
架空のMTGのシナリオとしては、鈴木さんと佐藤さんが販売管理システムを一から開発することになり、二人でフロントエンドとバックエンドを分担します。まずはDBと商品一覧ページから始めるという内容です。
架空の議事録
# 議事録:販売管理システム開発相談
## 日時
2025年7月10日
## 出席者
- 鈴木さん(フロントエンド担当)
- 佐藤さん(バックエンド担当)
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### 1. 開発範囲の確認
**鈴木**
「まずは、最初のステップとして商品一覧ページを作成し、在庫管理のためにデータベースとの接続部分までを実装しましょうか。」
**佐藤**
「そうですね。バックエンドでは商品の情報を管理するためのAPIと、在庫情報を保持するためのデータベース設計が必要だと思います。」
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### 2. 技術スタックの検討
**鈴木**
「フロントエンドはTypeScriptとReactで進めても大丈夫でしょうか?開発効率と保守性を考慮したいです。」
**佐藤**
「問題ありません。バックエンドもTypeScriptを使って統一感を持たせたいと思います。データベースはPostgreSQLを利用する予定です。」
**鈴木**
「APIとの通信はRESTで進めましょうか?」
**佐藤**
「はい、まずはREST APIで実装して、将来的な拡張も見据えて設計しておきます。」
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### 3. 役割分担と作業内容の確認
**鈴木**
「私は商品一覧ページのUI作成と、APIとの接続部分の実装を担当します。」
**佐藤**
「私は商品のCRUD APIの設計・実装と、PostgreSQLのテーブル設計・マイグレーションを進めます。」
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### 4. Next Actionの確認
**鈴木**
「では、私はモックデータを使ってまず商品一覧ページのUIを作成し、APIの仕様が固まり次第、実際のデータ取得に差し替えます。」
**佐藤**
「私はAPIのエンドポイント設計案をまとめて共有し、あわせてPostgreSQLのスキーマも提案します。APIの仕様が決まったら、実装に入ります。」
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## 決定事項まとめ
- フロントエンド:TypeScript + React
- バックエンド:TypeScript + PostgreSQL
- 通信方式:REST API
- まずは商品一覧ページと在庫管理用データベース接続までを実装
- 役割分担を明確化し、それぞれNext Actionへ
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## 次回までのアクション
- 鈴木さん:商品一覧ページのUIモック作成、API仕様決定後にデータ取得部分の実装
- 佐藤さん:APIエンドポイント設計案・DBスキーマまとめ、API仕様決定後に実装着手
この議事録自体もGitHub Copilotに作成してもらいました。議事録自体を生成してもらったときのプロンプトも載せておきます。
議事録を作成してもらったときのプロンプト
架空の議事録を作成して欲しいです。
用意したシナリオに沿って最終的な結論となるような対話形式の議事録にしてください。
結論
販売管理システムをゼロから実装するための相談を鈴木さんと佐藤さんがしています。鈴木さんはフロントエンド、佐藤さんがバックエンドを担当します。
技術スタックは、フロントエンドはTypeScript + React、バックエンドはTypeScript + postgresqlです。
今回の議事録のシナリオ
- まずは商品一覧ページと、在庫管理のためにデータベースと接続するコードまでを作成する
- 鈴木さんと佐藤さんが会話をし、それぞれが得意分野で分担する
- フロントエンドとバックエンドの技術選定についても相談し、最終的な結論を出す
- 最後にお互いのNext Actionを確認する
では実際にissueを作成してもらいましょう。 https://github.com/copilot の画面を開き、Issueを作成してもらいたいリポジトリをAttachしてから以下のようにチャットで依頼します。
今回は佐藤さんのNext ActionをIssueにしてもらいます。
以下の議事録から佐藤さんのnext actionのissueを作成してください
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{議事録をコピペ}

最初の指示
するとこのようにIssueを作成してくれました。このリポジトリではISSUE_TEMPLATEを用意しており、ちゃんとIssueのテンプレートに沿った内容で生成してくれています。
ISSUE_TEMPLATEの内容
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name: 実装タスク
about: 実装タスクのテンプレート
title: ''
labels: ''
assignees: ''
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## 実装予定の内容
## 参照ドキュメント(スレッド、議事録 etc...)
## 完了条件
- [ ] 例:成果物が〇〇に公開されている

最初の指示で作成されたIssue
Issueは作成してくれましたが、先ほどの議事録では佐藤さんのNext Actionは実はこのようになっていました。
佐藤さん:APIエンドポイント設計案・DBスキーマまとめ、API仕様決定後に実装着手
内容としては2-3のタスクに分解できそうなので、Issueも少なくとも2つ以上には分けてもらいたかったところです。そこで、もう一度チャットで指示を出してみます。
ついでに他の項目も埋めてもらいましょう。佐藤さんは架空の存在なので、Asigneeは私のアカウント(@Kesin11)にしておきます。そのほかのIssue TypeやMilestoneは実際にOrgやポジトリに設定済みのものです。
APIエンドポイント設計案・DBスキーマまとめ、API仕様決定後に実装着手の3つで別々のissueにしてください。
全てのissueのassigneeを@Kesin11にしてください。
IssueTypeはTaskにしてください。
Milestoneは"8月のタスク"にしてください。

Issueの分割と他の項目を埋めてもらう追加指示
すると指示通りに3つのIssueに分解してくれました。AssigneesやIssue Type、Milestoneもちゃんと設定してくれています。本文の内容もISSUE_TEMPLATEに沿った形式を維持しつつ、Issue分割に合わせて内容は修正してくれていますね。

追加の指示によって分割されたIssue
今回は架空の議事録だったので議事録内の情報量が少なかったですが、実際の議事録であればもう少し詳細なIssueを生成してくれるでしょう。
それでもまだ生成されたIssueに情報が足りなければ自分で加筆してもいいですし、さらにチャットを重ねて情報を追加してもらうこともできます。いずれにせよ、自分で一からIssueを作成するよりはかなり楽に作成できるはずです。
でもお高いでしょ?(プレミアムリクエストについて)
GitHub Copilotも最近ではプレミアムリクエストという概念が導入され、プランに応じたリクエスト数の上限を超えた分は従量課金されるようになりました。
なのでIssueを作成してもらうごときの作業にプレミアムリクエストを使うのはもったいないと感じるかもしれませんが、GitHub CopilotのPro/Businessプラン以上であればGPT-4.1ならプレミアムリクエストは消費されないので実質無制限に使うことが可能です。
コーディング分野では現状はほぼClaude一強という風潮ですが、個人的には要約や翻訳などといった比較的簡単なタスクにおいてはもうモデルの性能差はあまりないと感じています。先ほどの議事録からIssueを作成してもらったデモもGPT-4.1を使用していました。
たまにはClaude信仰から離れてGPT-4.1などのモデルを使ってみるのもいかかでしょうか。
これMCPでもできるのでは?
試してはいないですが、GitHubのMCPサーバーや gh issue create でもおそらく同様のことは可能だと思います。
ただMCPサーバーや gh コマンドは使う人の環境ごとに多少のセットアップが必要になります。GitHubのMCPサーバーや gh のセットアップは比較的簡単な部類ではありますが、やはり実行する人の環境やプロンプトによって挙動が変わる可能性もあると思います。
その点、GitHub上のCopilotであれば、特にセットアップも不要で誰でも同じように使えますので、例えばチーム全員が利用する場合に使い方の再現性があることはメリットだと思います。
まとめ
GitHub上でGitHub Copilotに議事録を渡してIssueをまとめて作成してもらうという、発見発見した自分の中でイチ押しの便利な使い方を紹介しました。今やMTGの議事録はZoomやTeamsなどが自動生成してくれる時代ですので、それとも非常に相性が良いと思います。
さらに最近ではGitHub Copilot coding agentが登場したことでIssueさえ作ればあとはGitHub Copilotが自動で実装までやってくれるようになりました。
人間はMTGで議論を頑張り、その後のタスク設定と実装の仕事はGitHub Copilotにバンバン任せていきましょう!
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