【雑談】UDフォントを使おうって話
はじめに:UDフォントって知ってますか?
UDフォントという言葉をご存知でしょうか?
「UD(Universal Design)フォント」とはユニバーサルデザインのコンセプトに
基づいた、誰にとっても見やすく読みやすいフォントとなっています。
「自分は普通に読めるから大丈夫」
僕も以前はそう思っていました。ですが、大学の授業の雑談の中で教授からUDフォントについて話していただき、文字を認識することが困難な方がいることを知りました。
この記事では、そんな「見やすさ・読みやすさ」の問題を、フォントを変えるだけという手軽な方法で改善できる「UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)」の魅力と、開発者が明日からすぐに実践できる使い方について、雑談的にお話しします。
アクセシビリティ改善の、優しくて簡単な第一歩です。
なぜ「いつものフォント」ではダメなのか?
「メイリオ」や「ヒラギノ角ゴ」など、OSに標準で入っているフォントはとても高品質です。しかし、特定の条件下や、特定の人々にとっては、意図せず「読みにくい」壁を作ってしまうことがあります。
- 弱視・ロービジョンの方:文字がかすれたり、ぼやけて見える
- ディスレクシア(読み書き障害)の方:文字の形が似ていると、正しく認識するのが難しい
- 高齢者の方:加齢により、細かい部分の識別能力が低下する
-
そして、私たち自身:
- 揺れる電車の中
- 日光が反射する屋外
- 解像度の低いプロジェクターに映された画面
- 小さなスマートフォンの画面
こうした状況では、誰にとっても文字の判別は難しくなります。
そこで救世主「UDフォント」の出番です
そこで登場するのが「UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)」です。
これは「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザイン」というユニバーサルデザインの考え方を基に作られたフォントです。
UDフォントは何が違うの?
一番の違いは、**「文字の形が分かりやすく、誤読しにくい」**ようにデザインされている点です。
注目ポイント:
-
l
やI
にセリフ(飾り)がついていて1
と見分けやすい -
識別
のような画数が多い文字でも、線と線の間の空間(懐)が広く、潰れにくい -
パ
の半濁点が大きく、バ
と見間違えにくい
つまりUDフォントとは、**誰にとっても、どんな状況でも、文章の内容がスッと頭に入ってくることを目指した「おもてなしのフォント」**なのです。
明日から使える!UDフォント導入プラン3選
「UDフォント、良さそうだけど何から始めれば…?」ご安心ください。無料で、今すぐ始められる方法がたくさんあります。
1. プレゼン資料やドキュメントで使う
これが最も手軽で、効果を実感しやすい方法です。
Windows 10/11には「BIZ UDゴシック/明朝」が標準でインストールされています。Macユーザーの方も、Google Fontsから無料でインストールできます。
次の勉強会の資料から、フォントを「BIZ UDゴシック」に変えてみませんか?
2. Webサイトやアプリに導入する (CSS)
Web開発者なら、font-family
を見直してみましょう。
以下のように、UDフォントを優先しつつ、各OSの標準フォントにフォールバックさせるのがおすすめです。
body {
/* * BIZ UDゴシックを最優先に指定。
* Mac向けにヒラギノ、Windows向けにメイリオをフォールバックとして指定。
*/
font-family: "BIZ UDPGothic", "Hiragino Kaku Gothic ProN", "メイリオ", Meiryo, sans-serif;
}
Discussion