JASIT 大学院大学を卒業した(見込み)ので振り返る
私はJAIST社会人博士前期課程情報科学科を卒業し、2023年9月に情報科学修士号を取得予定です。
この記事ではJAISTに在籍していた2年半を振り返っていきたいと思います。
まず、そもそもJASITとはどのような大学院なのかまとめていきたいと思います。
JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)
JAISTは「Japan Advanced Institute of Science and Technology」の略で、日本の石川県能美市に位置する大学院専門の研究機関です。
1990年に設立され、情報科学、知識科学、材料科学の3つの研究領域を中心に、先端的かつ高度な研究と教育活動を行っています。
JAISTは、博士課程、修士課程、および専門職学位課程を提供しており、学際的な研究を重視しています。これにより、学生は幅広い知識と深い専門知識を身につけることができます。
国際的な視野を持つ研究者の養成を目指しており、多くの外国からの学生が学んでいます。また、国際的な共同研究や交流も積極的に行っています。
研究施設や設備は最先端で、学生や研究者が高度な研究を行うための環境が整っています。
私はJASIT東京社会人コースの学生として2021年4月に入学し、仕事と研究を並行して進めてきました。社会人コースについては以下の公式サイトに情報がまとまっています。
東京社会人コース:JAISTには東京社会人コースというプログラムが存在し、このコースは社会人が学びやすい環境を提供しています。特定のプログラムやカリキュラムが設定されており、社会人のニーズに合わせた教育が行われています。私は長期履修制度を利用させていただきました。この制度は2年間の学費で3年間在籍できるというお得な制度で、自分のように業務と並行して学ぶ学生には有難い制度でした。
JAIST社会人ストーリー:このページには、博士後期課程で知識科学の学位を取得した学生や在学中の学生へのインタビューが掲載されています。これにより、社会人としての学びや経験を共有することができます。社会人学生では実務経験がある上で業務で得た知識を基に研究成果を発表されている先輩が多くとても励まされました。
奨学制度・奨学金:JAISTでは、社会人学生を含む学生に対して様々な奨学制度や奨学金が提供されています。これにより、経済的なサポートを受けながら学び続けることができます。自分は利用することは無かったですが、国立大学ということもあり金銭面のサポートは手厚いです。
JAIST には科目等履修生と研究生という制度もあり、利用されている社会人学生の方もいらっしゃいました。その他にも様々ユニークな制度があります。
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科目等履修生:本学の授業科目を履修し、単位を修得することを志願する者で、選考の上入学を許可される制度です。修得した単位は、後に大学院に入学した場合、既修得単位として認定されることがあります。
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研究生:本学において特定の事項について研究することを志願する者で、選考の上入学を許可される制度です。本制度は本学の博士前期課程又は博士後期課程への正規生としての入学希望者を対象としています。
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特別研究学生:国内外の大学の大学院在学者で、本学において研究指導を受けることを志願する者で、所属大学と本学との協議に基づき入学を許可される制度です。
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特別聴講学生:国内外の大学の大学院在学者で、本学の授業科目を履修し、単位を修得することを志願する者で、所属大学と本学との協議に基づき入学を許可される制度です。
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特別学修生:本学の正規課程への入学資格を有していない大学の学部生・高専・短大等の在学者で、本学で短期間の学修指導を受けることを志願する者で、所属学校と本学との協議に基づき入学を許可される制度です
JAISTには石川本校と東京社会人校があり、本校には学部から直接進学した学生さんが多いです。
本校にはHPCクラスタやGPUインスタンスの設備があり、東京の生徒は遠隔で入って作業をします。東京校の生徒が石川に行くことは滅多にないですが、ドローンの研究など一部東京ではできない性質のものは石川校で実施されています。
【授業について】
ここからは自分が取得してきた授業内容についてまとめておきたいと思います。
大学院の授業は大きく知識科学系と情報科学系に分けられています。自分は情報科学専攻でしたが見聞を広める意味で知識科学系の単位もいくつかとっていました。卒業単位にはどちらかの学系に属する単位を所定の単位数以上取得する必要があるのですが、知識科学系の授業の中には情報系の単位に互換できるものもあります。必要単位数は合計32単位で、修士研究が8単位なので授業単位は24単位必要になります。また、JASITには修士課題研究という制度があり、こちらは修士論文ほどの学術的な新規制が求められず、調査研究の位置付けとなり2単位分の研究単位となります。社会人として時間も限られているということで自分はこちらの修士課題研究での卒業を選択し、授業単位を30単位ほど取得しました (大変だった..)
【I441 高機能コンピュータネットワーク】
担当教官の篠田陽一先生の授業
インターネット、ネットワークの概論から入りOSI7レイヤーモデルで表される機能を1層に1回分の授業時間を充ててじっくり解説していきます。篠田先生は80年代からネットワークの研究をされており、WIDEプロジェクトのボードメンバーということもあり日本にインターネットを持ってきた際の研究や様々な裏話を聞ける授業でした。400番台ということもあり試験はなく最後の授業でネットワーク機器を使った実習があるということでしたが、コロナの関係でレポート課題となりました。