エンジニア(元)が顧客にプロダクトを導入してもらうために気をつけていること3選
概要
本記事では、エンタープライズのお客様にプロダクトを導入してもらうために私が気をつけていることを書きます。
私は、SaaSを開発している会社で、プロダクトマネジメントとプロジェクト(弊社においては商談や導入を指す)マネジメントのはざまのようなことをしています。
具体的には、商談においてプロダクト観点で提案をしたり、オンボーディング中のお客様を技術・プロダクト面でサポートをしております。
対象読者
- プロダクトやカスタマイズによって、お客様に価値を届けたい人
1 お客様が困っていることの解像度を上げる
大前提としてエンタープライズのお客様を含むToBのお客様は、何か困っていることを解決するためにサービス(ソフトウェア、ハードウェア、プロフェッショナルサービスなど)を求めています。
サービス提供側はお客様の困っていることへの解像度が低いと、適切な提案やサービスの導入ができず契約に至らなかったり、解約に繋がってしまいます。
まず私が意識していたことは、
お客様とお客様の業界や会社の言語で会話できるようになる
です。
弊社が相対している物流業界や企業では、業界用語や各会社で使われている言葉があります。
例:特積み、路線便、センター、カゴ車、庸車、オリコン、TC、DC、など
お客様と同じ言葉で会話することが、お客様の困っていることを正しく認識することに繋がりました。
次に、
お客様の中で、さらに個人名で考える
です。
物流の現場では、様々なステークホルダーがいます。
例:物流部門の管理者、配車係、ドライバー、生産や調達部門の担当者、配送委託先の担当者、など
各ステークホルダーは、役割によってもしくは1個人としてそれぞれの思惑を持っています。各ステークホルダーのニーズを認識しなければ、正しいアプローチができず契約に至らないことになります。
エンタープライズのお客様であれば、さらにステークホルダーが多くなり複雑になります。
複雑なものを整理することは大変なので、何らかの考え方の型を用いて整理するのが良く、私が参考にしている型を載せておきます。
2 お客様の知りたいことを伝える
サービス提供側がお客様のことを知らない部分があるのと同様に、お客様側もサービスのことを知らない部分があります。そのため、お客様から聞かれることがたくさんあります。
お客様が知りたいことに対して、正しく答えることが重要です。
当たり前すぎて、説明不要とさえ思いますが、意外とできている人は多くないように思います。
簡単にセルフチェックできるので、是非試してみてください。
セルフチェックの方法
- 社内のコミュニケーションツールがあるかと思います。(slackやチャットワークなど)
- コミュニケーションツールで質問したと、質問されたことを探してください。
- 各質問には、自身から相手への回答、もしくは相手から自身への回答があるはずです。
- 回答から質問を逆算することができるでしょうか?
- 逆算できない場合は、相手の知りたいことに正しく回答できていない可能性があります。
ちなみに、私は、半分くらいはできていなかったです。🥺
3 プロジェクトマネジメントを体系的に理解する
実際に、PoCや導入を進めていくにあたり、期限内に価値を生み出すことは非常に重要です。
価値を生み出せないと、PoCから次のフェーズに進めないことや、解約に繋がりかねません。
PoCや導入を進めていくことを1つのプロジェクトとみなすことができます。
ところで、
プロジェクトとは、何でしょうか。
プロジェクトマネジメントとは、何をマネジメントすることでしょうか。
正しく理解できていない状況では、プロジェクトを進めることが難しいです。
そこで、プロジェクトマネジメントにおける先人たちが体系化してくれた知見を用いるのが良いと思います。
具体的にはPMBOK(プロジェクト管理に関するノウハウや手法を体系的にまとめたもの)に沿うのがおすすめです。
ただし、PMBOKは6版と7版(2023/12/12時点で最新)で大きく変わっております。おそらく6版から始めるのがわかりやすいです。
加えて、6版だけでも重厚なので、その中で私が重要だと考えているものをいくつかピックアップします。
- リスク
- 失注や解約になる理由を洗い出して対応を考えておく
- プログラムのエラーハンドリングのようなもの
- スケジュール
- お客様との期待値の認識合わせが非常に重要
- リソース
- 実際にプロジェクト(コンサルティング、開発など)を進める工数や人員が必要
- 品質
- お客様との期待値の認識合わせが非常に重要
- ステークホルダー
- 1,2で記載
この辺りを、正しくマネジメントできていれば大きく炎上することは防げると考えおります。
もし興味を持っていただいた方はXで!
Xに連絡お待ちしております!
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ではまたどこかで!
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