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NAT
NAT
二つのTCP/IPネットワークの境界にあるルータやゲートウェイにおいて、双方のIPアドレスを変換してデータを転送する技術のこと。
なぜNATが必要?
- IPアドレス節約
もし世界中の人々のPCやスマホにそれぞれグローバルIPアドレスを割り振っていたら絶対に足りません。そこで、PATを利用することによって、一つのグローバルIPアドレスで複数の端末を共有できるので、IPアドレスを節約することができる。 - セキュリティ向上
プライベートIPアドレスを外部からは見えないようにするため、外部から直接端末にアクセスされないようになる。
アドレスの種類
- 内部ローカルアドレス:内部ネットワークで扱われる、内部ネットワークのホストのプライベートIPアドレス
- 内部グローバルアドレス:外部ネットワークで扱われる、内部ネットワークのホストのプライベートIPアドレス
- 外部ローカルアドレス:内部ネットワークで扱われる、外部ネットワークのホストのプライベートIPアドレス
- 外部グローバルアドレス:外部ネットワークで扱われる、外部ネットワークのホストのプライベートIPアドレス
NATの種類
まず、ルータのインターフェースのNAT内外を設定する。
- 内部ネットワークの設定(一般的に企業LAN側):
Router(config-if)#ip nat inside
- 外部ネットワークの設定(一般的にインターネット側):
Router(config-if)#ip nat outside
スタティックNAT:あらかじめ、NATテーブルに対し、1対1の変換エントリを設定しておく。
- 設定方法:
Router(config)#ip nat inside(outside) source static <内部ローカルアドレス> <内部グローバルアドレス>
* 設定後にNATテーブルを確認したい場合はRouter#show ip nat translations
ダイナミックNAT:NAT変換で使用するIPアドレスの範囲を設定しておくことで、外部から内部への通信が発生した場合、その範囲内のIPアドレスを一つ使用する。
- 設定方法
[STEP.1] 内部グローバルアドレスのIPアドレスプールを定義
Router(config)#ip nat pool <IPアドレスプールの名前> <先頭のIPアドレス> <最後のIPアドレス> netmask <サブネットマスク>
* IPアドレスプールの範囲は、100.1.1.1 ~ 100.1.1.5
[STEP.2] 変換対象となる送信元IPアドレスを標準ACLで定義
Router(config)#access-list <リスト番号> permit <送信元IPアドレス> <Wildcard mask>
[STEP.3] ACLとIPアドレスプールを紐づける。 ```Router(config)#ip nat inside source list <アクセスリスト番号> pool <IPアドレスプール名>
最後に
今回はNATの中でも、スタティックNATとダイナミックNATについて詳しく紹介しました。
時間があれば、PATや双方向NATについて紹介したいと思います。
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