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排気ダクト付き塗装ブースを使ってみた感想

2024/05/11に公開

概要

本記事は、ファン付き塗装ブースを過去に自作した筆者が、初めて排気ダクト付き塗装ブースを使用してみた感想について記載しています。

筆者は3Dプリンタの出力物に対してスプレー缶のサーフェーサー等をよく使用し、かつ夜中に作業することが多いので、快適に作業できるかどうか、霧化した塗料をよく吸引し、有機溶剤の匂いをよく排気できるか、という観点で、排気ダクト付き塗装ブースの使い勝手を見てみました。

その結果、静穏性と吸引力のある後述の自作塗装ブースの方が使い勝手が良く、また有機溶剤の匂いの排気も "窓を開けてサーキュレーターを回す" (念のために霧化したエアークリーニングリキッドを部屋の中に撒く)で十分足りる、という結論になりました。

背景

3Dプリンタで出力した物の表面を研磨した後、サーフェイサーを吹き付けるといった作業をしています。

なるべく室内で吹き付け作業をしたいのですが、霧化した塗料が部屋の中に飛び散るのは防ぎたいところですし、有機溶剤が部屋の中を漂って部屋の外に匂いが漏れて、家族に迷惑をかけるのも避けたいところです。

そこで、過去に下記のものを合体させて、ファン付き塗装ブースを自作していました。

上記のスプレーブースだけだと多少周りに飛び散ってしまうので、ファンを取り付けて吸い込むようにしました。
ブースの周りには新聞紙を置いて、窓を開けて、外に向かってサーキュレーターを動かし、部屋のドアの隙間にはタオルを詰めて、作業するようにしています。

しかし、しばらくは部屋の中に有機溶剤の匂いが漂うので、もっと効率的に排気できないかと考えていました。

排気ダクト付き塗装ブースの使用感

お金がかかりますが、排気ダクト付き塗装ブースを使えばよい感じに排気できるのではないかと考え、下記を購入しました。

排気ダクトのホースの先端は、少し開けた窓の隙間に挟み込みました。
以下、スプレー缶のサーフェーサーの吹き付けで使ってみた感想です。

  • 良かった点
    • ブースのサイズが大きく、LEDがついていて作業しやすい
  • いまいちだった点
    • 動作音が結構うるさい(夜中に作業するのははばかられる)
    • 吸引力が期待ほどではない(ある程度は吸引しているが、吸引しきれなかった霧化した塗料がしばらく漂っていた)
    • 吸引できていない有機溶剤の匂いが部屋の中に結構充満した

おそらく、有機溶剤入りのスプレー缶を使用する場合は、吸引・排気能力が不足しているのではないかと思います。エアブラシだったら十分効果を発揮するのかもしれないと考えています。

上記のいまいちだった点を改善することを考えると、動作音や吸引力については自作塗装ブースの方が上でした。
吸引力については、ファンを2個取り付けていることや、ハニカム構造になっていることが奏功しているのかもしれません。
また有機溶剤の匂いについては、窓を開けてサーキュレーターを動かして、しばらく換気する方が匂いが取れるので、排気ダクトにこだわらなくても良いのではないかという結論に至りました。
念を入れて消臭するため、作業後は下記をスプレーボトルに入れて、部屋の中で吹き付けるようにしました。

結論

夜中にスプレー缶を使って塗装する場合は、排気ダクト付き塗装ブースは動作音が大きいうえに、吸引力が期待ほどではないことから不向きな印象を受けました。そのため、静穏性と吸引力のある自作塗装ブースの方が使い勝手が良く、また有機溶剤の匂いの排気も "窓を開けてサーキュレーターを回す" (念のために霧化したエアークリーニングリキッドを部屋の中に撒く)という方法で十分効果がある[1]、という結論になりました。

脚注
  1. それでも部屋の外に匂いが多少なりとも漏れてしまうので、さらに匂い対策をするのであれば、もう室内利用は諦めて、自作塗装ブースをベランダに持って行って作業するのが良いですね。 ↩︎

Discussion