TOEFLスピーキングで29点取る
先日TOEFL iBTを受験しスピーキングで29/30というなかなかの高得点を記録したので、その際に勉強した内容を備忘録としてまとめておく。
最初は試験全体の話をしているので、勉強内容だけが見たい方は「試験の所感」まで飛ばすことをお勧めする。
試験概要
IELTSに並んでよく知られた英語の試験だが、意外と知らない方もいると思うので概要を説明する。
TOEFLとは世界的に使われる英語能力試験であり、実施元はTOEICと同じETSというアメリカの団体である。
内容としては Reading, Listening, Speaking, Writing の4技能を測る試験であり、TOEICとの違いは Speaking, Writing がある点となる。
IELTSも同じ形式だが、主な違いとしてはIELTSがイギリスやオーストラリアなど英連邦/欧州で重視されるのに対して、TOEFLはアメリカで重視されるという点が一つ挙げられる。
またTOEFLは内容がかなりアカデミック寄りであり、そこは比較的日常会話に寄ったIELTSとの違いと言えるだろう。
ちなみにIELTSの受験者数はTOEFLの5倍だそうで、世界的にはそちらの方がスタンダードとされているらしい。
配点
配点は4技能それぞれ30点満点、合計120点満点で採点される。
基本的にみんな Reading, Listening の方が得意な傾向にあるらしい。
まあ英語を話す・書く機会がそんなにあるわけでもないので、当然と言えば当然だろう。
試験方式
試験方法は主にテストセンターで実施されるCBT方式。
センターにもよるだろうが、基本的には受験者全員が同じ部屋に詰め込まれヘッドホンをつけて試験に臨むことになる。
こうすると何が起こるかというと、部屋中で全員がパソコンに向かってベラベラ話すという奇妙な時間が生まれる。
また人によって試験を進めるペースもバラバラなので、例えば自分がListeningをしている最中に人のSpeaking内容が聞こえる、といったこともよくある。
環境としては最低に近いので、受験する人は覚悟しておいた方がいいだろう。
一応自宅受験もできるらしいが、かなり条件が厳しくTOEFL側としても非推奨とのことだった。
何かの間違いで不正行為が認定されると1年間受験できなくなるので、受験環境を差し引いてもまずはテストセンターで受けることをお勧めする。
難易度
難易度ははっきり言って高い。
TOEICに比べると単純に難しいというのはもちろん、Speaking, Writing があるという点が試験をさらに難しいものにしている。
とはいえ自分自身TOEFL以外の英語試験を受けたことがほぼないので、特に言えることはない。
自分の得点
108点(R27 L27 S29 W25)だった。
実は3年前にもTOEFLを受験しており、その時に比べるとSpeaking/Writingが大幅に上がっている。(Reading/Listningは下がったが...)
特にSpeakingに関しては練習でもここまでの高得点を取ったことはないのでぶっちゃけ運が良かった。とても嬉しい。
試験の所感
Speakingセクションは全部で4問あり、それぞれ1分程度パソコンに向かって話すという変なことをする。
あまり何の役に立つのかわからない技能だが、この上手さを持ってスピーキング力を測定するらしい。
ここの対策で重要なのは、馬鹿正直に英会話の練習をするのではなく、テンプレートに沿って話す内容を組み立てる練習をすることだ。
テストの形式についてももう少し踏み込むと、数行の文章と聞いた内容とを組み合わせ、それらを対比しながら論理的に英語で話す、という内容が4問中3問を占める。
その際に重視されるのは論理的な構造と流暢さだ。
そこでテンプレートを使用すると、それが論理構造の目印になると同時にスピーキング力を印象付けることもできる。
例えば 'According to the article, ... is ... . In the lecture, the professor delves deeper into the subject by explaining ... ' というテンプレートを使用すると、ここに内容を当てはめるだけでいいのでロジカルに組み立てやすいのと同時に、長文を一気に話すことになるので非常に流暢に聞こえる。
特に delves deeper into the subject
のあたりは複雑かつそれなりにハイレベルな語彙の組み合わせなので、これだけでも点数の底上げにつながる。
また文章を組み立てる時間が30秒程度しか与えられないことを考えると、テンプレートを用意しておくことには非常に大きなメリットがある。
難しい単語を覚えて使いこなすのも重要だが、それよりもテンプレを用いて素早く文章を組み立てる訓練をする方が得点へのインパクトは大きいだろう。
学習方法
これから自分の学習内容を記載していく。
参考までに、学習期間は1ヶ月程度だった。
ただ事前に記載したいこととして、勉強すべき内容は学習開始時点でのその人の英語力に大きく依存する。
ベースとなる英語力があればTOEFLの形式に対応する練習をするだけで済むが、そうでない場合はベースそのものを鍛える必要がある。
自分の場合は帰国子女ということもあり英語がそれなりに話せたのと、3年前にも受験経験があり試験形式をざっくりではあっても把握できていたため下記の学習内容が結果的には良かったが、環境が大きく異なる人はあまり参考にしない方がいいかもしれない。
とはいえ高得点を狙うのであればやらないといけないことは書いたつもりなので、より高い点数を目指す人はぜひ読んでみてほしい。
TOEFLテスト英単語3800
デファクトスタンダードとなっている単語帳で、これさえあればTOEFLでわからない単語はほとんどなくなるだろう。
英語を扱う上で先立つものは何よりも単語である。
知らない単語は聞き取れないし話せない。
単語力は点数に直結するので、足りない自覚がある人は早めに取り掛かっておこう。
なお単語を勉強する際は、とにかく早いペースで章ごとにできるだけ周回することをお勧めする。
単語は触れる機会が多いほど頭に残りやすいので、多少意味が怪しくてもとにかく周回数を増やすのを優先した方がいい。
逆に単語を一発で覚えるのは恐ろしく効率が悪いし、はっきり言って不可能に近い。
完璧主義という悪癖を抱えている人は、まずはそれを捨てるところから始めよう。
あまり関係ないが、理想の単語帳アプリがなかったので自作した。
よかったらダウンロードしてみてほしい。
TestGlider
オンライン学習サイト。
模擬試験が12個用意されており、Speaking/WritingはAIによる採点機能がある。
問題の質もいいので、有料ではあるが使ってみることをお勧めする。
My Speaking Score
スピーキング力測定サイト。
スピーキング専門ということもあり音声の聞き取り精度がかなり高く、前述したTestGliderに比べるとフィードバックも正確だった。
問題も複数収録されているが、TOEFL本番に比べると少しトリッキーで難易度が高めな印象。
問題そのものの正確性という点ではTestGliderの方が上だが、難しい問題で練習ができるのはいい点とも言えるかもしれない。
なおクレジットを購入し、それを消費して採点をしてもらうという独特の課金システムとなっている。
TSTPrep Youtubeチャンネル
TOEFL対策チャンネル。
Speaking対策で活用できるテンプレートやコツをここで勉強した。
ぶっちゃけこの受験レポートを読むより役に立ちそう。
Cambly
ネイティブと会話できるオンライン英会話サービス。
始業前の1時間で講師とSpeakingの練習をしていた。
英語に限ったことではないが、学習内容は使ってみて初めて身につくものなので、その機会を増やすに越したことはない。
なお年に4回程度、費用が半額になるキャンペーン中なのでそのタイミングだとかなりお得に入れる。
セクションごとの対策
ここまではSpeakingの話しかしてこなかったが、他のセクションについても参考までに所感を書いておく。
Reading
形式としては長文が2つ出て、それぞれ10問ずつの選択問題に答える、というものだ。
ぶっちゃけ単語と国語ができればいいのでなんとでもなるだろう。
Listening
リスニングの題材が5つ出題され、それぞれについて問題が5問ずつ程度ある。
意外と細かいことが聞かれるので、ノートをちゃんと取る練習をしよう。
ここも単語さえやれば、英語をある程度聞き取れる人ならなんとでもなる。
聞き取れない人は知らん。
Writing
2問あり、それぞれ形式は異なるが書き方は大して変わらない。
ここでもSpeakingと同様テンプレートの役割は大きい。
問題形式は毎年さほど変わらないので、高度な語彙やフレーズを使用するテンプレートをあらかじめ用意しておくと点数がかなり上がるはずだ。
一点Speakingよりも重要な部分があるとすれば、パラフレーズ、つまり言い換え能力だろう。
与えられた文章にある単語をそのまま使っていると、語彙力がないとみなされ点数に影響する可能性がある。
書ける文章のバリエーションを増やすため、単語力はしっかりつけておこう。
なおWritingとはあるが、それにあたりReading, Listening能力も問われる問題が出るためそちらもきちんと対策する必要がある。
結論
アメリカに行きたい人以外は IELTS を受けよう。
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