2025年5月時点におけるAIコードエディタの最前線:Windsurf、Cursor、Junie
2025年5月時点におけるAIコードエディタの最前線:Windsurf、Cursor、Junie
近年、コード補完を超えたAI統合エディタが続々と登場しています。従来のようにChatGPTやClaudeのWebインターフェースとIDEを往復してコードを貼り付ける方法は、今や時代遅れです。これからの開発環境は「AIと共にある」ことが前提となります。
本記事では、筆者が実際に使用している以下3つのエディタについて詳しく比較します。
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Windsurf:モデルの豊富さとOpenAI傘下の将来性
WindsurfはClaude Sonnet 3.7およびGPT-4.1に対応したAIエディタで、JetBrains系IDEにも統合可能です。特にコード全体の再構築や関数単位の自動生成が強力です。
ただしJetBrainsプラグインの操作感には難があり、AIの出力をキャンセル・修正するプロセスが直感的でない点は改善が求められます。また、今月リリースされた独自モデル「SWE」は機能面でまだ成熟しておらず、ClaudeやGPT系のモデルに劣ります。
しかし、2025年初頭にOpenAIがWindsurfを買収したことで、今後の製品連携や機能強化には非常に大きな期待が寄せられています。
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Cursor:VS Code環境下での実用的なエージェント体験
CursorはVisual Studio CodeをベースとしたAIエディタであり、プロジェクト全体にまたがるエージェント的な操作が可能です。例えば、複数ファイルにまたがるリファクタ、状態管理の変更、API設計の自動化など、一定の開発スキルを伴う作業を迅速に代替します。
特筆すべきは、ファイル間を横断した構造的な理解と、それに基づく編集・説明・提案の一貫性です。応答速度も非常に高速で、開発効率を損ないません。
現時点ではVS Code以外のサポートがないため、JetBrainsやCLIベースの環境を使っている開発者には不向きかもしれませんが、VS Code派には強く推奨できます。
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JetBrains Junie:高い統合性と重すぎる実行コスト
JetBrainsのJunieは、同社のIDE群(IntelliJ, PyCharmなど)にネイティブ統合されたAIアシスタントです。コード構造やプロジェクトスコープを自然に理解し、コード補完だけでなく文脈に沿った変更提案が可能です。
しかし、現時点では実用性に乏しく、特に応答に数分から、時にはそれ以上かかる場合もあり、日常的な利用にはストレスが伴います。さらに、クレジット制による料金体系も導入障壁になっています。
JetBrainsはこれらの問題を認識しており、2025年後半にかけて性能向上と価格改定が予定されています。JetBrainsユーザーとしては、期待しつつ現状の限界も冷静に見ておくべきでしょう。
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結論:WindsurfとCursorの併用が現時点の最適解
筆者は現在、WindsurfとCursorを併用しています。片方はJetBrains統合とモデルの多様性に強みがあり、もう一方は高応答・高機能のAIエージェントとして優れた体験を提供します。Junieはまだ改善待ちですが、JetBrains製品に慣れ親しんだ開発者にとっては、将来の大きな可能性を感じさせる存在です。
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