【DAY92】ゲームはポートフォリオにならない?
ゲーム作品は“ポートフォリオ”にならないのか?
プログラミングを学び始めると、「ゲームを作ってみたくなる」人は多い。実際、初学者がUnityやGodot、Pygameなどを使ってゲームを作ることは、非常に良い練習になる。楽しさを感じやすく、完成形も想像しやすい。モチベーションの維持にも向いている。
しかし、就職活動や転職でポートフォリオとして提出するには注意が必要だ。特にWeb系エンジニアや業務系アプリ開発などを目指す場合、採用担当者に「この人が何をどこまで作れるか?」を明確に伝える必要がある。
採用担当が見ているポイント
採用側がポートフォリオに求めているのは、以下のような要素だ:
- 技術選定の理由が説明できるか
- コードが読める・保守しやすい設計か
- チーム開発を意識した構成になっているか
- 実務を想定した機能があるか(ログイン、CRUD、API連携など)
ゲームはこれらとは別の技術が多く、**「面白さ」や「デザイン性」**など、どちらかといえばクリエイティブな評価軸になりがちだ。結果、「ゲーム作ったのはすごいけど、業務で活かせるかは不明」と判断されることが多い。
就活向けポートフォリオの理想像
エンジニア就職を狙うなら、以下のような構成のポートフォリオが理想的だ:
- Webアプリ(React / Vue / Next.jsなど)
- バックエンド(Node.js / Django / Railsなど)
- 認証付きのユーザー機能
- 投稿・編集・削除などの基本CRUD
- GitHubでのコード管理とREADMEの整備
- Docker対応(あればさらに良い)
「実務で即戦力として使えるか?」を意識した構成が、面接でも強い。
ゲーム制作の“活かし方”
もちろん、ゲーム制作が無駄になるわけではない。設計力・発想力・実装力など、多くの技術的要素が詰まっている。重要なのは、それを**「言語化して伝える力」**だ。
- どんな目的で作ったのか?
- どうやって仕様を決めたか?
- 使用技術とその選定理由は?
- 開発時の課題と解決方法は?
これらを丁寧にまとめることで、「ゲームも立派な技術的成果物」として伝えることはできる。ただし、それだけに依存するのではなく、業務寄りのアプリも1つは作っておくべきだ。
まとめ:目的に合ったアウトプットを
「ゲーム=悪」ではないが、「ゲームだけ」では評価が分かれる。就活では“技術者としての業務適性”をアピールすることが目的。そのためには、**ポートフォリオは“作品”ではなく“実績”**として設計するべきだ。
技術で魅せたいなら、ビジネスロジック・データベース設計・非同期処理・テスト設計など、エンジニアとしての力量が伝わるものを入れていこう。
今後のキャリアに直結するポートフォリオ、目的に合わせて構築。
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