【DAY60】Firebaseではできない?Java(Spring Boot)で作る本格WEBシステムの構想
Firebaseではできない?Java(Spring Boot)で作る本格WEBシステムの構想
過去に作ったSpring BootのWEBシステムが手元にある。中身を編集・改修できる状態なので、ここから今のスキルに合った形へアップデートしようと思う。
ただここでふと疑問に思ったのが、「これ、Firebaseで全部できたんじゃないか?」ということ。
実際、FirebaseはモダンなWEBアプリ構築に必要な多くの機能を提供している。だが、Java(Spring Boot)で構築する意味は確かに存在する。今回はその違いと、Javaならではのシステムアイデアについて整理する。
Firebaseの強みと制約
FirebaseはGoogleが提供するBaaS(Backend as a Service)。主に以下の機能が無料枠でも使える。
- Firestore(NoSQL DB)
- Authentication(メール、SNSログイン)
- Hosting(静的サイト向け)
- Cloud Functions(サーバーレス)
- Storage(ファイルアップロード)
確かに、個人開発や小規模なアプリには十分だ。しかし、以下のような点で限界がある:
- 複雑なビジネスロジックの管理が困難(Cloud Functionsは関数単位で分散しやすい)
- SQLを用いた高度な検索や結合が非対応
- サーバー側の細かい処理制御がしにくい
- デプロイや依存管理がGoogleのエコシステムに縛られる
Java(Spring Boot)の強み
Spring BootはJavaエンジニアにとって定番のフレームワーク。Firebaseよりもアーキテクチャの柔軟性とロジック実装力に優れている。
- REST API、GraphQL、gRPCなどのAPI実装が可能
- DB設計の自由度が高い(RDB/NoSQL問わず)
- OOPやDI(依存性注入)を用いたスケーラブルな設計ができる
- 複雑なトランザクション処理やバッチ処理にも強い
- セキュリティ・監査ログ・CI/CDとの連携がしやすい
つまり、業務系や中~大規模システム開発では圧倒的にJava/Spring Bootの方が有利だ。
Javaでこそ作るべきWEBシステム案
FirebaseではなくSpring Bootで作る意義のあるシステムを考えてみる。
1. ワークフロー型業務アプリ
例:申請→承認→処理という流れをもつアプリ
→ 状態管理・権限管理・通知フローが複雑で、Firebaseでは難しい
2. 高度なロールベースアクセス制御(RBAC)
→ Spring Securityと組み合わせて、細かな権限設定が可能
→ Firebase Authではカスタムクレームがやや限定的
3. 大量データの統計/分析ダッシュボード
→ Javaで集計・非同期処理・ETL処理を組み込み、結果をAPIで提供
→ FirebaseではリアルタイムDBはあるが、分析には不向き
4. 社内専用ツール(ログイン制限、IP制限など)
→ Spring Boot + Gatewayなどを組み合わせてエンタープライズ対応
改修の方針(今後のTODO)
- DB設計の見直し(ER図から正規化・リレーション整理)
- Spring Securityによる認証・認可の再構築
- サービス層のロジック抽象化(単体テストも導入)
- Docker対応、CI/CD(GitHub Actions)整備
- 管理画面やAPIドキュメントの自動生成(Swagger)
最後に
「無料のFirebaseで全部できるのでは?」という疑問は一理あるが、開発規模が大きくなるほどJavaの力が活きてくる。
Spring Bootを使うことで、設計・ロジック・拡張性のすべてをコントロールできる強みがある。
過去の自作システムを土台に、“Firebaseでは作れないレベルのプロダクト”をJavaで形にすることが、今の技術力を一段階引き上げる近道になるはずだ。
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