個人開発のアイデアの出し方を考えてみた
個人開発を成功させるためのアイデアとは
個人開発でアプリやwebサイトなどを作ろうとすると、まず必要なのはアイデアです。
しかしエンジニアの仕事は与えられた仕様から設計を考えて実装する事が主なため、全員がアイデアマンというわけではありません。
個人開発ではサービスのアイデアを考える事がスタートのため、ここで躓いてしまうと誰も使わないサービスを作り始めてしまったり、途中で挫折してしまったりします。
そこで、この記事ではエンジニアの方が個人開発をする際に、成功の確率を高めるためのアイデアの出し方を考えていきます。
サービスを作る目的は?
個人開発を成功させると言いましたが、そもそも開発者がアプリやwebサイトを作る目的はなんでしょう?
個人開発の成功とは、その目的を達成することにあります。例えば目的として以下のものが挙げられます。
- 就活・転職のためのポートフォリオ作成
- 技術力の向上
- 副業として収益を得たい
- 多くのユーザーの役に立ちたい
「個人開発を成功させるためのアイデア」を考える上で、開発者の目的を以下の2つに分ける事ができます。
-
ユーザーを獲得しなくてもいい
- 就活・転職のためのポートフォリオ作成
- 技術力の向上
-
ユーザーを獲得する必要がある
- 副業として収益を得たい
- 多くのユーザーの役に立ちたい
-
ユーザーを獲得しなくてもいい
の場合、サービスのアイデアが個人開発の成功に与える影響は少ないです。
ポートフォリオ作成なら高い技術力を示せればいいですし、技術力の向上なら使いたい技術でサービスを作ることで目的を達成できます。 -
ユーザーを獲得する必要がある
の場合は自分だけではなく、他人が使うことを意識しなければなりません。特にアイデア出しの時点で、どのようなターゲットにどのようなシーンで使ってもらうかを想定しておく必要があります。
また、開発と並行してマーケティングを行う必要があり個人開発の成功の難易度はグッと上がります。
この記事では特に、ユーザーを獲得する必要がある個人開発者を対象にしています。
アイデアを出すときに考えること
課題解決か新しい価値提供か
世の中の多くのサービスは、「課題解決型サービス」と「価値創造型サービス」の2つに分けられると考える事ができます。
課題解決型サービス
課題解決型サービスは、ユーザーが日常生活や仕事の中で抱えている課題に焦点を当てます。課題を解決することで、現状に不満を持つユーザーを望むべき目標の姿にする事がゴールです。
メリット
- 市場ニーズが明確で、収益化しやすい
- 開発期間が比較的短い
- 顧客の満足度が高い
- アイデアを思いつきやすい
デメリット
- 誰もが持つ課題は競争が激しい
- 差別化が難しい
- 顧客ニーズを正確に把握する必要がある
2. 価値創造型サービス
価値創造型サービスは、これまでにない新しい価値を提供することで、顧客の生活を豊かにすることに重点を置きます。
開発者が提案する新しい価値を広めることが目下のゴールとなり得るため、新しい文化や価値観を生むことで、潜在的なニーズを掘り起こし新たな市場を創造する可能性があります。
メリット
- 競争が少なく、高い収益性を得られる可能性がある
- 顧客に新鮮な体験を提供できる
デメリット
- 顧客が新しい価値を受け入れるかどうかリスクがある
- 市場規模が小さい可能性がある
- 検証が難しい
どちらを選ぶべきか?
「課題解決型サービス」と「価値創造型サービス」はどちらもメリット・デメリットがありますが、「課題解決型サービス」の方がアイデアを出しやすく、価値提供出来ているか検証もしやすいためおすすめです。
ペルソナ
ペルソナとは、マーケティングの分野で主に使われる概念で、製品やサービスを提供する際に、詳細なプロファイルを設定した架空のユーザー像です。ペルソナの活用は、個人開発プロジェクトで非常に価値があります。
開発者が常に自身のアプリや製品をユーザーの視点から評価することは難しいためです。ペルソナを用いることで、「この機能はペルソナにとって有用か?」と自問することが可能となり、自己満足から脱却する手助けになります。
サービスの具体化にもペルソナは大いに役立ちます。
例えば、アプリにおける通知の最適なタイミングを考える際、「ペルソナがどのような生活を送っているか?」をもとに検討することで、より効果的なタイミングを見つけ出すことができます。
ペルソナを用いることで、様々な施策に関する仮説を立てやすくなり、その後の検証作業も効率的に進めることが可能になります。
サービスのアイデアを作るフロー
ここからは実際に課題解決型サービスのアイデアをペルソナを設定しながら考えていくフローを紹介します。
筆者が運営している個人開発者支援サイト「DevHaunt」では、このフローで実際にアイデアを作る事機能がありますので、ぜひそちらを利用しながら実践してみてください。
課題発見
ユーザーの持っている課題を考えましょう。思いつかない場合は家族、友人に話を聞いたり、ソーシャルメディアやフォーラム、レビューサイトでのユーザーのフィードバックや不満を調査したりすることも有効です。
サイトの操作
DevHauntにアクセス後、ログインしてください。(googleアカウントでログインできます)
ログイン後トップページの「アイデアを作成」をクリックすると、課題を作成できる画面に遷移します
作成が完了すると、アイデア作成フローのページに遷移します。step1は課題を編集できますが、特に変えない場合はそのまま「進む」を押してください
この記事では例として「ランニングが続かない」という課題について考えていきます。
ペルソナ候補を挙げる
あなたが設定した課題を持っていそうなペルソナを考えます。
このステップでは年齢、性別、職業、名前などの簡単な項目のみを考えます。
老若男女様々なユーザーをペルソナをなるべく多く作成していきましょう。
何人か作成したら、詳細を深ぼっていくペルソナを一人選択します。
サイトの操作
step2の「ペルソナを作成」でペルソナを追加していきます。
「ペルソナを追加」ボタンから手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
設定項目は年齢、性別、職業、名前、課題に対する簡単な背景の5項目です。
ペルソナを追加後、特に詳細を考えたいペルソナを一人選択して「進む」を押してください。
ペルソナは会社員の佐藤和也さんに設定します。
ペルソナの詳細設定
一人のペルソナについて深掘ります。年齢、性別、職業、趣味、生活環境など、ペルソナの背景には細かい詳細を考えていきます。
ペルソナや生活習慣や価値観を明らかにすることで、そのペルソナが使うためのサービスの要件も具体的に考える事ができます。
サイトの操作
step3の「ペルソナの詳細を設定1」でペルソナを追加していきます。
各項目に手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
ペルソナの詳細を全て入力し「進む」を押してください。
ペルソナの課題をふかぼる
前のステップで詳細を設定したペルソナはあなたが設定した課題を抱えており、納得していない現状と課題を解決した目的の姿を持っています。
このステップでは納得していない現状と目的の姿を考えて、次のステップで課題を深ぼるための準備をしていきます。
サイトの操作
step4の「ペルソナの詳細を設定2」でペルソナの現状と目的の姿を設定します
各項目に手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
ペルソナの現状と目的の姿を入力し「進む」を押してください。
ペルソナの目的を妨げる障壁を考える
このステップではペルソナの本質的な課題を考えていきます。
前ステップで設定した現状と目的の姿からその間にある障壁を考えましょう。
解決したときに最も影響が大きい障壁を一つ選んで次のステップに進みます。
サイトの操作
step5の「課題を深掘り」でペルソナの現状と目的の姿を設定します
障壁を手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
ペルソナの現状と目的の姿の間にある障壁を入力し一つ選んで次のステップに進みます。
今回はランニングが単調で刺激がないので飽きてしまうという障壁を選択しました。
解決策を考える
ペルソナの持つ解決すべき障壁を特定したら、その解決方法を考えます。解決方法を出していきます。ブレインストーミングのように思いついたものはどんどん書いていくのが効果的です。
サイトの操作
step6の「解決方法」でペルソナの現状と目的の姿を設定します。
解決方法を手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
解決方法を入力し一つ選んで次のステップに進みます。
サービスを考える
解決策から具体的なサービスを考えていきます。この記事のゴールはサービス名と最小限の機能の概要までを考えるところまでとしています。
サイトの操作
step7の「解決方法」でサービスの概要を設定します
サービスの概要を手動で作成するか、「AIで生成」ボタンで自動で生成することができます。
サービスを入力し一つ選んで次のステップに進みます。
完成
おめでとうございます!ペルソナに基づく新しいサービスのアイデアが完成しました。
最後にペルソナと完成したアイデを確認し「進む」を押してアイデアを保存しましょう。
この後どのようにこのアイデアの詳細を考えて開発やリリースを進めていくかは次の記事で書いていきたいと思います。
終わりに
この記事では課題からペルソナを設定し、サービスのアイデアを考える方法を紹介しました。
個人開発のアイデアに悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
DevHauntを使ってみての感想などあれば、ぜひコメント欄にお願いします。
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