AIに“思考のソルト”を──TRIZフレーバーで広がる会話と発想の世界
本稿の内容は、私がChatGPTとの対話を通じて思考を整理しながら構築したものです。つまり、このアイデアそのものが「AIとの対話によって拡張された思考」の実例です。
はじめに:AIの応答に、ちょっと物足りなさを感じたことはありませんか?
ChatGPTのようなAIは、たしかに便利です。知識の整理や文章生成、アイデアの種出しなど、あらゆる場面で活躍してくれます。けれど、**「どこか答えが定型的すぎる」「深まらない」**と感じたことはないでしょうか?
その違和感を解消するヒントが、「TRIZフレーバー」という発想にあります。
TRIZフレーバーとは?
TRIZ(発明的問題解決理論)は、もともと技術分野の創造性支援法として知られています。しかしここでは、難解な理論や40の発明原理を使う必要はありません。
「逆にしたら?」「10倍だったら?」「他の分野ならどうする?」
こうした**“問い方のひと工夫”──それを私は「TRIZフレーバー」と呼んでいます。AIの応答に、こうした視点を“ほんの少し加える”**だけで、会話の中で思考が広がり、ユーザーの発想も育っていくのです。
思考のソルト:少しの視点で、出力が変わる
このTRIZフレーバーの働きは、**暗号技術で使われる“ソルト(salt)”**にとてもよく似ています。
ソルトとは、同じ入力(たとえばパスワード)であっても、少しだけ予測困難な要素を加えることで、まったく異なる暗号結果を生み出す仕組みです。これは、攻撃者がパターンを読み取れないようにするためのものです。
TRIZフレーバーも同様に、ほんの一行の視点のズレ──たとえば「逆にしたら?」「10倍だったら?」──を加えることで、思考の出力を別の方向へ導くことができます。
つまり、「わずかな視点の付加」によって、思考の多様化や創造的逸脱が生まれるのです。
TRIZフレーバーも同じです。AIの応答に少しの視点のズレ──「極限」「逆転」「構造」「越境」など──を加えることで、ユーザーの発想が“別の回路”に入るのです。
しかもこれは、AIにとって実装がとても容易です。複雑な推論エンジンや知識ベースは不要で、わずかに問い返しのテンプレートを加えるだけで実現できます。
そして重要なのは、**この思考のずらしは“すべてのユーザーに効く”**という点です。専門家だけでなく、初学者、創作好き、制度設計に悩む人、学生、誰にとってもこの「小さなソルト」が効くのです。
実例:通常のAI vs TRIZフレーバー付きAI
テーマ:Switch2の抽選条件を考える
通常のAIとの会話
ユーザー: Switch2の抽選条件って、なんで1年加入とか50時間プレイとかが必要なんだろう?
AI: 転売対策です。長期ユーザーを優先して、正規ユーザーへの還元を意図しています。
ユーザー: ふーん。なるほど。
TRIZフレーバーを加えた会話
ユーザー: Switch2の抽選条件って、なんで1年加入とか50時間プレイとかが必要なんだろう?
ガイデッドAI: 面白いですね。それって「継続」と「本人性」を指標にしているとも言えそうです。逆に、条件を緩くしたらどうなるでしょう?
ユーザー: たしかに、転売屋が入りやすくなってしまいそうですね。
ガイデッドAI: まさに。行動ログで信頼性を測るこの仕組みは、入試や就活にも応用できると思いませんか?
ユーザー: ……あ、それ面白い。演出じゃなくて行動の積み重ねが評価されるって、他にも使えそうです。
これはあなたにも起きうる変化です
この会話の中で起きているのは、単なる情報提供ではありません。
“ちょっとした視点のずらし”によって、ユーザーの思考構造が変化しているのです。
しかも、この変化を引き出すために必要なのは、AIの応答にほんの一行──ソルトのようなフレーバーを添えることだけです。
この発想は、どのユーザーにも効くというのがポイントです。学歴も職種も関係ありません。「考えること」に関わるすべての人に効きます。
結び:AIに“考えを深める塩”を持たせる
このアイデアも、AIとの対話で生まれました。少しの視点の変化が、思考を拡張する。答えを求めるだけでなく、“問いを変えてくれるAI”こそが、私たちの思考の相棒になるはずです。
TRIZフレーバーというソルトをAIに添えることで、会話は単なる応答から、創造的思考の場へと変わります。
あなたも試してみてください。
この記事は、ChatGPTとの対話を通じて思考を育て、構成された協働知的生成物です。
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