GoogleAIStudioBuildでAIアプリをサクッと作ってCloud Runにデプロイして公開する方法(初心者向け)
こんにちは!
今日は、GoogleAIStudioのBuild機能を使って、AIアプリをビックリするぐらい簡単に作成して、Cloud Runにデプロイできちゃう話を紹介します。
しかも、無料です。
みなさん、「AIアプリ作ってみたいけど、環境構築とかデプロイとか面倒だなあ」って思ったことありませんか?
でも、GoogleAIStudioのBuild機能を使ってみたら、その考えが180度変わります。
今回は実際に「ビジネスアイスブレイクトピック提案AI」というアプリを作ってみた体験をシェアします!
よくある「AIアプリ開発あるある」への疑問
「AIアプリを作るには、まずPythonの環境を整えて、ライブラリをインストールして、APIキーを設定して...」
こんなアドバイス、よく聞きますよね。
確かに、これが王道のやり方です。でも、ちょっと待ってください。
アイデアをサクッと形にしたいだけなのに、環境構築が必要とか、正直分からない人からすると
それだけで、やっぱりいいですってなりますよね。
プロトタイプを作りたいだけなのに、インフラの知識まで必要になるのって、なんだかハードルが高すぎるというのをよく耳にします。
そんな悩みを抱えていた方の、救世主が現れました。
それが「GoogleAIStudioのBuild機能」です。
GoogleAIStudioのBuild機能って何?
GoogleAIStudioのBuild機能を一言で表現すると、
「AIアプリのアイデアをブラウザ上で即座に形にできる魔法のツール」です。
ものすごくざっくりいうと、プロンプトを書くだけでWebアプリが作れちゃうってことです。
しかも、できあがったアプリはワンクリックでCloud Runにデプロイできます。
つまり、世界中の人がアクセスできるWebアプリになるんです。
すごくないですか?誰でも生成AIアプリを無料で作れる世界が来ました。
実際に作ってみたAIアプリの紹介
今回作ったのは、「ビジネスアイスブレイクトピック提案AI」というアプリです。
商談前の雰囲気作りって、意外と難しいですよね。
「今日は暑いですね」だけじゃ話が続かないし、かといって突然ビジネスの話を始めるのも味気ない。
そんな時に使えるアプリを作ってみました。
このアプリは、相手の属性や状況に応じて、最適な会話のきっかけを提案してくれます。
例えば、こんな感じです。
- ジャンル:クライアントのニュース
- 期間:過去1週間
- クライアント企業名:〇〇株式会社
- 相手の役職・立場
- その他特記事項
これを入力すると、最新のクライアントに関するニュースから適切な話題を3個提案してくれます。
しかも、どう切り出せばいいかまで教えてくれるんです。
便利ですね。
実際に作ったアプリはこんな感じです。
-
トピックを選択する
-
話題を検索する期間を設定する
-
相対するクライアント名を入れる(必要に応じて補足情報を入力する)
-
アイスブレイクにぴったりの話題が表示される
アプリ作成の手順(驚くほど簡単でした)
では、実際にどうやって作ったか、手順を紹介します。
事前準備
-
GoogleCloudのアカウントを作成して使えるようにしておく
GoogleCloudの始め方 -
Google AI Studio(https://aistudio.google.com)にアクセスして、API Keyを取得する
右上のGet API Keyをクリックします。(先にGoogleCloudのアカウントを作っておく必要があります)
-
APIキーを作成をクリックして、GoogleCloudプロジェクトを選択して、既存のプロジェクトでAPIキーを作成をクリックします。
-
APIキーが発行されます。特にAPIKeyをコピーしたりする必要はありません。GoogleAIStudioのBuild機能を使ってCloudRunにデプロイする場合は、勝手に適応されます。
事前にGoogleCloudで請求先アカウントを作成する必要があります。
APIは従量課金制ですが、無料枠もあるので、お試し程度であれば無料で使えます。
また、生成AIを組み込んでいないアプリであればAPIキーは使用しません。
※無料枠は時期によって変わる可能性があるので、事前に最新情報を調べてください
ステップ1:Google AI Studioにアクセス
まず、Google AI Studio(https://aistudio.google.com)にアクセスします。
Googleアカウントさえあれば、すぐに使えます。
ステップ2:Buildタブを開く
左側のメニューから「Build」タブをクリックします。
ここがアプリ作成の入り口です。
ステップ3:アプリの要件を入力
ここで、作りたいアプリの要件を自然言語で書きます。
私はClaudeCodeが好きなので、ClaudeCodeプロンプトを作成してそのまま貼り付けました。
GoogleAIStudioには、Build機能以外にもChat機能もあり
Chat機能を使って、プロンプトを作成することも可能です。
コツは、できるだけ具体的に書くことです。
私が作成した、プロンプトは以下です。
プロンプト
以下の要件に従ってビジネスシーンでのアイスブレイクに特化した会話トピック提案のAIアプリを作成してください。
あなたは、ビジネスシーンでのアイスブレイクに特化した会話トピック提案のエキスパートです。クライアントとの初対面や商談前の雰囲気作りに最適な話題を、最新の情報を基に提案します。
## 役割と目的
- クライアントとの商談や会議の前に使える、適切で効果的なアイスブレイクトピックを提案する
- 相手の属性や状況に応じて、最も適切な話題を選定する
- 最新の情報を基に、タイムリーで興味を引く話題を提供する
## 入力情報
以下の3つの情報を受け取ります:
### 1. ジャンル(必須)
- クライアントのニュース
- 生成AI関連
- 時事ネタ
- スポーツ・エンタメ
- ビジネストレンド
- テクノロジー全般
- 経済・市場動向
- 季節・天候の話題
- 地域・ローカルニュース
### 2. 期間(必須)
- 24時間以内
- 過去1週間
- 過去2週間
- 過去1ヶ月
- 過去3ヶ月
- 期間指定なし
### 3. 補足情報(任意)
- クライアント企業名(「クライアントのニュース」選択時は必須)
- 相手の年齢層(20代、30代、40代、50代、60代以上)
- 相手の性別
- 相手の役職・立場(経営層、管理職、実務担当者など)
- 業界・業種
- 趣味・関心事
- その他の特記事項
## 処理フロー
1. **情報分析**
- 入力された情報を分析し、検索キーワードを生成
- 相手の属性に合わせた話題の方向性を決定
2. **情報検索**(最大5回)
- 選択されたジャンルと期間に基づいて関連情報を検索
- 複数の観点から情報を収集
- 信頼性の高い情報源を優先
3. **話題の選定と構成**
- 収集した情報から最も適切な話題を3〜5個選定
- 各話題について、会話の切り出し方と展開例を作成
## 出力形式
### アイスブレイクトピック提案
**検索実施内容:**
- 検索回数: X回
- 主な検索キーワード: [使用したキーワードリスト]
**推奨トピック:**
#### 1. [トピックタイトル]
- **概要**: [30〜50字程度の要約]
- **切り出し方**: 「〜についてご存知ですか?」「最近〜が話題になっていますね」など
- **詳細情報**: [100〜150字程度の詳細説明]
- **会話の展開例**: [相手の反応に応じた展開パターン2〜3個]
- **注意点**: [この話題を使う際の配慮事項]
#### 2. [トピックタイトル]
[同様の形式で記載]
#### 3. [トピックタイトル]
[同様の形式で記載]
**会話のコツ:**
- [相手の属性に応じた会話のポイント3〜5個]
**避けるべき話題:**
- [状況に応じて避けた方が良い話題のリスト]
## 制約事項
1. **政治・宗教・思想に関する話題は慎重に扱い、原則として避ける**
2. **ネガティブなニュースは、ビジネスに直接関係する場合のみ取り上げる**
3. **個人のプライバシーに関わる話題は避ける**
4. **競合他社の批判につながる話題は避ける**
5. **確実性の低い情報や噂レベルの話は使用しない**
6. **具体的な固有名詞を用いて回答を行うこと**
## 応答例
入力:
- ジャンル: 生成AI関連
- 期間: 過去1週間
- 補足情報: IT企業の40代管理職、技術トレンドに関心あり
出力:
[上記の出力形式に従って、具体的なアイスブレイクトピックを提案]
---
注意: 必ず日本語で回答し、ビジネスシーンに適した丁寧な表現を使用してください。
プロンプトを貼り付けて、↑ボタンを押すと、アプリの作成が始まります。
+ボタンを押すとファイルや画像を添付することが可能です。
画面イメージなどを事前に作成して添付すると、それを再現することも可能です。
ステップ4:コードの生成
勝手にアプリを作り始めるので、あなたがやることはただ1つ
温かく見守ることです。
ステップ5:プレビューで動作確認
生成されたアプリは、その場でプレビューできます。
実際に動かしてみて、修正が必要な部分があれば、左下からプロンプトを追加して修正・再生成できます。
ステップ6:Cloud Runにデプロイ
満足できるアプリができたら、右上のロケットボタンを押します。
GoogleCloudのプロジェクトを選択して、アプリのデプロイボタンをクリックします。
数分待つと、Cloud Run上にアプリがデプロイされます。
URLが発行されるので、それをシェアすれば誰でも使えるようになります。
簡単すぎて拍子抜けしました!
Cloud Runってどんなサービス?
ちなみに、Cloud Runについても簡単に説明しておきます。
Cloud Runは、Googleが提供するサーバーレスなコンテナ実行環境です。これをものすごくざっくりいうと、「アプリを動かすためのサーバーを自分で管理しなくていいサービス」です。
普通、Webアプリを公開するには、サーバーを借りて、環境を整えて、セキュリティ対策をして...と、やることがたくさんあります。
でも、Cloud Runなら全部おまかせです。
しかも、使った分だけ課金される仕組みで、無料枠もあるので、アクセスが少なけば無料です。
ほとんどお金がかかりません。個人開発者には嬉しいですよね。
GoogleAIStudioのBuild機能のメリット
使ってみて特に良かった点を挙げると:
-
開発スピードが爆速
アイデアから動くアプリまで、30分もかかりませんでした。 -
インフラの知識不要
DockerもKubernetesも知らなくて大丈夫です。 -
コストが安い
プロトタイプ段階ではほぼ無料で使えます。 -
修正が簡単
プロンプトを変えるだけで、アプリの動作を調整できます。
こんな人におすすめ
Google AI Studio Buildは、こんな人に特におすすめです:
- AIアプリのアイデアはあるけど、実装が面倒だと感じている人
- プロトタイプを素早く作って、アイデアを検証したい人
- プログラミングの知識はあるけど、インフラは苦手な人
- 個人開発でコストを抑えたい人
逆に、細かいカスタマイズが必要な本格的なアプリには向いていないかもしれません。
でも、プロトタイプ作成には最高のツールだと思います。
使ってみた感想
-
修正は苦手
修正も簡単に行ってくれるのですが、AIの傾向として0→1を作るのは得意ですが、修正はあまり得意じゃないです。何度修正してもエラーが解消されないというケースが発生することもあると思います。その場合は、問題が起きているコードをコピーして、別でGeminiやClaudeなどに原因を追究させるという方法もあります。 -
最初に投げるプロンプトが大事
VibeCodingをする際によく言われるんですが、最初のプロンプトをしっかり作りこんでおいて、修正があまり発生しないようにしておくとスムーズです。プロンプトは生成AIを使って、何度か会話を行いブラッシュアップさせることを推奨します。 -
めっちゃ便利だからみんなに使って欲しい
生成AIアプリ作れますor作ったことがありますっていうのは、特別なことじゃなくなりました。GoogleAIStudioのBuild機能を使えば、アイデアがあればお昼休憩の間にアプリを作ってデプロイが出来るので、百聞は一見に如かずということで是非何でもいいので作ってみてください。
まとめ:新しい開発体験の可能性
というわけで、Google AI Studio Buildを使ってアプリを作成し、Cloud Runにデプロイしてみた体験をお伝えしました。
正直、「こんなに簡単でいいの?」という感じでした。
従来の開発プロセスでは、環境構築からデプロイまで、たくさんのステップが必要でした。でも、このツールを使えば、アイデアをすぐに形にできます。
これって、すごく大きな変化だと思うんです。
アイデアを思いついたら、すぐに試せる。失敗してもすぐにやり直せる。こういう環境があれば、もっと多くの人がAIアプリ開発に挑戦できるようになるはずです。
みなさんも、ぜひ試してみてください。
きっと、新しい開発体験に驚くはずです!
※この記事で紹介したアプリは実際に作成・デプロイしたものですが、URLの公開は控えさせていただきます。
Google AI Studioは2025年6月現在の情報に基づいています。無料枠などは事前に最新情報を確認してからご使用下さい。
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