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『Being Geek - ギークであり続けるためのキャリア戦略』読書メモ

KIDANI AkitoKIDANI Akito

第1部 キャリアの形成

1章 キャリアのための行動

p.3 自分はやはりギークなのだ、という発見…できればコードだけを見て過ごしたい、他のことからは身を隠していたい…それが自分にとっては心地よい…こういう発見
p.4 ギークは基本的にシステム思考をする人間…そもそも人間はシステム思考に当てはまらない要素を多く抱えた存在
p.5 「予想外の出来事に対する備えをせよ」
p.6 何かを成し遂げれば、必ず満足感がある…毎日、少しずつでも動くこと、その積み重ねが、いずれ、人生を左右する大きな決断をする時にも役に立つ
p.7 この本を読みつつ次の3つを絶えず問いかけよ

  • 自分は今、何をしているか?
  • 自分はこれから何をしていくべきか?
  • 自分にとって何が重要か?最も考えるべきことは何か?

p.8 自分のキャリアに関して、自分以外の誰かに責任があると考えているのだとしたら、その考えは間違っている…キャリアは、何か決断を下した瞬間が集まって形成されていく

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2章 大切なことは3つ

p.11 キャリア開発やマネジメントで重要なこと3つ:方向性、成長、成果
p.12 マネージャでない場合は以下の3つの問いになる

  • 自分の開発する製品の技術的な方向性の決定に能動的に関われているか
  • 成長のために自分が何をすべきかわかっているか
  • 期日を守って仕事をしているか/自分に課せられた責任を十分に果たしているか/言葉と行動が一致しているか

p.13 マイクロマネージャは忘れることを学ばないせいで失敗している
p.14 エンジニアがコードの方向性を決める、マネージャは全体の方向性を決めなくてはならない:最新の技術動向、全体のアーキテクチャ
p.15 成長しようとすれば、そのために新たなことを学ぶ必要がある:戦略的な学び。成長しないのは死んでいるのと同じ
p.15 死んだも同然になっていないか確かめるための問い:1つでもノーなら危険

  • 最近、何か失敗をしたか?
  • 自分に異議を唱える人が身近にいるか?
  • この1週間の間に何か学んだことはあるか?それについて説明できるか?

p.16 私の仕事に対しての責任を負うのはマネージャだが、私のキャリアに対して責任を負うのは私自身
p.17 重要なのはともかく成果を上げることである:自分の言った通りのことを必ずやる
p.18 引き受けたのにやらない、は評価を下げる:ノーということが大切になる
p.19 自分が成長しているかどうかを判断する基準として最も便利なのは知識

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3章 転職にあたって考えるべきこと

p.22 会社が嫌い、という理由では成功しない
p.22 この章に書いてあることは、読者が感情をうまく抑制できる人であること、現状の仕事を問題なくこなしていることが前提である
p.24 24時間休みなく製品開発を進めろというのではない:少なくとも取り組んでいる仕事が自分の一部であると感じられるくらいには没頭する必要はあるだろう:車の中やバスの中で仕事について一切考えなくなったとしたら…それは仕事から心が離れていることを示す兆候だろう:ソフトウェア開発というのは…デスクに向かっているだけでは問題が解けないこともある…バーにいる時、シャワーを浴びている時など…突然閃くこともあるのだ:どこで何をしていても…仕事のことを考えなくなったら、仕事に対してあまり熱意を感じていないことを示す兆候:そんな状況になってしまえば、当然仕事に悪影響が出る
p.26 良い辞め時というのは絶対にない…案外、誰も困ることがなく、物事は従来通り、滞りなく進む
p.27 お金以上の(転職の)動機が自分に本当にあるのか、よく考えてみるべきだろう。転職というのは、言ってみれば、今抱えている責任をすべて放棄するということである
p.28 (転職先の)会社に独自の価値があるか、それが何かわかれば、次に問うべきことは、「そこ(転職先の会社)で本当に自分のやりたいことができるか」:答えるのが非常に難しい問いだからと言って、答えなくてもいいという意味にならない:おぼろげな目標でも良い

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4章 電話選抜

p.30 電話選抜の前準備として、転職先の会社を徹底的に調査する:インターネット検索、ブログ、メーリングリスト、ツイッター、Flickr、製品や技術の情報:1時間くらいで良い。質問はありますか?という重要な質問にどう答えるかが重要
p.34 開発チームを引っ張る立場として、面接する側としての判断ポイント:この人が会社からいなくなったら寂しいと思うか

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5章 面接での答え方

p.37 答えを考える前に質問の意図をよく考えるべきである:何を話すのかを明確にしてから話し始めるのも同じくらい重要
p.39 緊張していることをある程度考慮はするが…緊張していたからといって質の低い仕事をするわけにはいかない
p.40 緊張もするだろうが、それに勝って「自分はどういう人間なのか」をできる限り伝えるようにする

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6章 面接官の「ボタン」

p.43 一番良いのは相手(面接をする側)に自分の意図を言わせること:相手に話してもらい、その話から相手のことを知る

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7章 待遇の交渉

p.52 会社に雇われるという発想をやめ、自らも1つの「企業」なのだという意識を持った方がいいだろう:高く評価されるためには常に成長しなくてはならない。転職は急激に成長できるチャンスであると捉える。
p.52 交渉の第一のルール:ウソをつかず、正確な情報を相手に与える
p.55 大切なのは「自分は確かに成長している」と思える肩書き
p.60 仕事は待遇だけでは分からないということだ…15%の昇給も…毎日のつまらない仕事の繰り返しには耐えられず、数ヶ月後には会社を辞めてしまった

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第2部 マネージメント

p.61 仕事をしている以上は誰もがマネージャである。肩書きはそうでないかもしれないが、誰かに指示を出すことは頻繁にあるだろうし、何かを管理し、それに対して責任を負っている…そして間違いなく、誰もが自分自身を管理している

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8章 企業文化

p.63 新しい会社に移って…90日くらい経つと、(自分の所属するチームの)全員の顔と名前が一致し、それぞれがどういう仕事をしているのか、どういう知識を持っているのかもわかるようになる
p.64 会社の文化がどのようなものであるかを理解するには…

  • その会社では何が最も重要とされているか
  • その会社の価値体系を決定づけているのは誰か
  • その価値体系の中で、特に価値ある存在とされているのは誰か
  • 会社の価値体系について意識している人間は社内にいるか。いるとしたらそれは誰か。

p.66 企業文化を知るための最良の方法は、ともかく人の話をよく聞くこと:文化が存在し続けるためには、人から人へ伝えられていく(物語がある)必要がある:企業の価値体系、文化が、完璧に明確に定義され、その定義がどこかの文書に書かれているというようなことはない:読者のいる会社が、技術を重要視する価値観を持っていることを願うばかりだ
p.67 (物語の主人公は)会社の文化を作ろうと思って行動したわけではない:自分が正しいと信じたことをやり抜いた人である

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9章 マネージャのマネージメント

p.70 1対1のコミュニケーション:一切ないのなら、かなり問題である
p.71 1対1で話し合い、マネージャがメンターとしての役割を果たすべきである:疑問やトラブルに対する助言
p.72 スタッフミーティングで着目するポイント:機械的なマネージャ=何か他に議題はあるか、未対策の問題はあるか、議論が時間内に終わったか、確保した時間は長過ぎなかったか:有機的なマネージャ=皆が活発に意見を言えるような雰囲気か、皆が進んで意見を言っているか、今日話し合ったことを他人にうまく説明できるか、十分な議論ができたか、楽しいミーティングになっているか
p.73 マネージャとのコミュニケーションを円滑にしようとすれば、自分の上司がどちらの要素が強いか…い…見極める必要がある:どちらの見方も正しいとは言えない…歩み寄ることが大事だ
p.74 状況報告書…報告書がなくては必要な情報が手に入らない…それなしで情報を入手できるだけのソーシャルスキルを持っていないからかも…書くのなら積極的に取り組むべきだ。
p.76 マネージャについて観察する場合、先に触れた有機的、機械的という分類以外に、エンジニアの要素をどのくらい持っているかも見るべきだろう

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10章 愚かな上司の作り方

p.82 上司は部下であるあなたよりも経験が豊かであり、その経験は貴重なものである…上司に介入を要請した方が早く簡単に問題が解決できるということがあるのは確かだ。独力で対処して問題を解決できれば…満足感は得られるだろう。だが、会社の仕事はチームワークであることを忘れてはならない
p.83 いつも人に協力を頼んでばかりいれば、自分の存在価値は何だ、ということになる。逆に、絶対に人に頼らず常に独力で対応していれば、せっかく周囲に豊かな経験を持った人がいても、その経験を活用せず無駄にすることになる
p.84 組織で働く上で大事なのは、上司に必要な情報を的確なタイミングで提供することである…その方が自分の仕事も楽になるのだ:大事なのは、できるだけ、「自分にしか伝えられないこと」に絞る….また、自分にとって見慣れないこと…どう対処すべきか分からないことは伝えるべきだろう
p.85 上司に知らせるべきかどうか判断のポイント

  • 自分の責任の範囲内のことか?
  • 自分で対処できることか?
  • 大きな問題か?
  • 上司が関心を示しそうな問題か?
  • 独力で解決した場合にどんなメリットがあるか?
  • 独力で対処して失敗した場合はどうなるか?(自分に正しい予測が可能かどうかもよく考える必要がある)
  • 何かを学べるか?

p.87 誰かに協力してもらえば、1人よりもはるかに大きなことができる可能性がある。それを忘れてはならない
p.88 報告した上司が愚か者であれば、問題について話し合うことも、協力を要請することもできない:愚かな上司は…長年、未知の問題、解決の困難な問題に直面しない…過去の経験を当てはめることのできない未知の問題に目を向けさせるのは部下の仕事だろう:上司が愚か者になるかどうかは、部下の行動によって変わる
p.89 上司には、ただ問題を持ち込むだけではいけない。解決のために具体的に何をしたいのか、どうなれば解決と言えるのか、それを伝えなくてはならない。

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11章 言い訳

p.91 言い訳をして逃げるのは大きな問題…たとえ逃げても、自分の身を守るのにはさほど役立たない:良い言い訳というのは一切ない
p.93 情報が非常に重要…量、正確さ、新しさなど:どこまで正確なことを言えるかでも評価は変わる
p.94 言い訳をすれば自分の価値は下がる:大事なことは詳しい状況を正確に話すことである:大きな問題が発覚した時は、誰もがなぜ…と疑問に思っている。そういう時は実はチャンス…意義ある発言をすれば、一気に自分の評価を高めることができる
p.95 言い訳ではなく、何か自分にしか言えないこと、自分だけが知り得ることを話すべきなのだ:価値ある発言をするのにそれほど長い時間はいらない。忙しいというのは言い訳にならない

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12章 敵

p.97 トラブル時に質問魔の上司:相手にできるだけ多くの情報を与え解決に協力してもらえるように
p.99 トラブル時に啓蒙家の上司:穏やかに話し合い、部下はミーティングの途中で問題と解決策に気づく
p.100 大きなトラブルに当たって、部下の側が努力しなければならないこと:どうやって問題を解決するつもりなのか、なぜそれで解決できるのか、どのタイミングでその対策を実施すべきか、と言ったことを詳しく説明する

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13章 不可能を可能に

p.104 不可能なことを命令してくるCEO…他社がすべて不可能と考えていることを可能にしてしまったら、金銭的利益も驚くほど大きくなるだろう…狂気と不可能は似ているようで微妙な違いがある…時には狂気にも見えるようなやり方が正しいということもある
p.107 桁外れなことを起こすには、触媒が必要なのだ。そういう触媒になり得るのが「不可能な命令」である:単なる直感や思いつきに過ぎなかったものを、確かな形を持ったものに変えるのは技術者の役目

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14章 驚きへの反応

p.110 驚いた時、自分が咄嗟にどういう反応をしやすいか、反応してしまった時には、どういう影響がどのくらいの範囲にまで及ぶかを知っておく(ことが大事だろう)…大きく「攻撃」と「退避」に分けられる…ここでは、一切、(反応の内容の)善し悪しを判断してはならない
p.112 驚くと、すぐに起こって人を攻撃し始める人…危険なタイプ…すぐこの種の人の怒りを沈めるべく動かなくてはならない…他の人に心理的な危害が及ぶのを防ぐ他、影響を受けて同じように攻撃を始める人が現れることも防ぐ必要がある…攻撃によって精神的苦痛を和らげようとしている…実際には苦痛を和らげることにはならない…問題の解決のために考え、動く状態になってもらう(よう仕向けるべきである)
p.114 問いを立てる…自分の感情より、事実に着目する…早い段階で前向きな対応ができる
p.117 頭の中にあることを口に出せば、思考が整理され、理解が深まる。それを続けていれば、やがて思考が前向き、建設的になっていく

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15章 退屈な会議の効用

p.119 まさに何か危機が迫っていると仕様…そういう時こそまずは深呼吸をして落ち着いてほしい
p.120 特に大事なのは息を一旦止めるところである…だんだん苦しくなってくる…その時面白いことが起きる。張り詰めていたものが緩むような感覚が訪れるのだ。そうすれば、少し落ち着いて物が考えられる
p.121 大変な事態での混乱を防ぐには、日頃のミーティングの仕方を工夫する必要がある…次の3種
p.122 1.マネージャと部下の対話のためのミーティング:月曜の朝、週の最初に実施…30分…1時間…「今、気になっていることは何か」尋ね、話し合う
p.122 2.チームミーティング:対話のミーティングが終わったら…すぐに…チーム全体で….前進のための提案をする…問題を解決するのに具体的に何をするか

  • 工程:どこまで進んでいるか?…できる限り、異論の出る余地のない尺度を使う…議論はしない
  • 戦術:これから何をするか?…これからの1週間で講じる具体的な対策…どういう目標を達成する必要があるのか
  • 戦略:実際にこれから何をするか?…1週間や1ヶ月では解決しないものが多い…戦略が必要になる。

p.123 チームミーティングが終われば、精神的にはかなり落ち着く…だが、その安心が失敗を招くことも多い…ミーティングが終わった時点ではまだ何もしていない、というのを忘れてはならない…すべてはこれからである
p.123 3.金曜のミーティング:金曜日の午後4時に実施…「月曜日に立てた戦術のとおりに物事が進んだか」の検証…危機に陥っているような状況でも、金曜日のミーティングは実施した方がよい…本当に前に進んでいるかを確認し合うことが大切である
p.124 いつも、どんな状況でも変わらずに同じように実施してこそ意味がある…聞き的状況での安心感につながる
p.125 コミュニケーションに終わりはない。いつまでも続けなくてはならない…機械のように正確に開催する…同じパターンで…メンバー間の信頼関係を築き上げるために必要なことなのだ:この退屈な時間を持つことが実は重要…想像力を発揮するためには、物事を自由に考える時間を持つことがどうしても必要になる…(型通りのミーティング以外の)残りの時間をすべて自由な発想のために使えるようになる:退屈な会議は、動き出す前の深呼吸のようなもの

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16章 ゲームの要素を取り入れる

p.127 バグが次々に見つかる…追加しなくてはならない機能が数多くある…悲惨な状況…どうすれば、危機的状況を抜け出せるのか
p.128 面白いゲーム…特徴は主に次の3つ:発見、最適化と繰り返し、達成
p.129 勝つ方法がわかってしまうと面白みがなくなってしまう…ギークの興味をいつまでも惹きつけておこうとすれば、勝たせてはいけないということになる
p.130 何も考えずにひたすら続ける…機械になって…何も気にしなくて良いというのは心地の良いことである
p.132 (ゲームの世界と)同じようなことは、ソフトウェア開発の世界にも言えるのではないだろうか…やはりルールは重要である

  • ルールは明確に:穴があるようならそのシステムは無意味
  • ルールは不可侵:守られないルールは、定義の曖昧なルールよりもはるかに悪い
  • 進行度合いがチーム全員にわかるようにする
  • 褒賞に金銭を使うのは最後の手段:人間関係がぎくしゃくする…余計なストレス
  • ゲームではない:ギークの特性を活かすポイントがゲームと共通している

p.134 バグの主原因を解明できたら10点、解決方法を発見したら10点、解決したら5点、テストしたら5点…単なる点数…ギークだから、それでいい

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17章 人狼と戦う

p.135 人狼というゲーム…実に恐ろしいゲーム…「非難と、ウソ、騙し、疑心暗鬼、そして集団ヒステリーのゲーム」…システム開発の仕事に応用できるような要素が多く含まれている…全員が本当のことを言っているとは限らない
p.136 最悪の状況下で、最悪の人間たちに対処しなくてはならない…コミュニケーションの下手な人もいれば、完全なウソツキもいる…置かれている状況によって…自らの価値観に反する行動を取ってしまうことがある….悪いことをする人間は必ずいる
p.137 悪意を持った人間…平気でウソをつくような人間…誰がいつ、そんな人間になってしまうのか、事前に予測することはできない:なぜ、その人がリーダーになるのか、そこにどんな動機があるのか。それをどう解釈するかで、リーダーの言葉や行動の持つ意味が全く違ってくる。会社のミーティングでも同様
p.139 リーダーになると、信用度が上がり、標的にされにくくなるが、その信用が何かのきっかけで崩れることもある
p.140 現実世界における人間関係は、ゲームのそれよりもはるかに複雑で、微妙なものである…同じルールが長い間、そのまま変わらず存続するということはない。人によっても従うルールは違っている…あえてウソを言う人間はまずいないと私は思っている…ただ、自分とは全く違った…論理で生きている人間は絶対にいる…必然的に利害の衝突が起きる
p.141 (会社のミーティング中に)状況を自分にとって有利なものにしようとすれば、ゲームのルールをよく理解し、その上で自分の立場を皆に明確に説明しなくてはならない…信用を勝ち得るような発言をしなくてはならない

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18章 BAB

p.144 チームを作って仕事をする場合には、信頼と尊敬が基礎になくては、と思っている
p.144 BAB…Back Alley Bridge(裏通りのブリッジ、カードゲームの1種)…チームの団結力を高めるのに意外なほど役亞dつ
p.146 ゲームに慣れてくると、皆が雑談を始める。驚くほど話が弾む…チームの人間関係が良くなっている証拠でもある:雑談というのは…かなりの思考力を要する…その中から、何か真実の一端が明らかになることもある…うまくいけば…本音を語り出す
p.147 本音を交えた会話がお互いの信頼関係を築き上げていく…仲の悪い2人を(ゲームで)同じチームにする…イヤでも協力し合わなければならない…それが仕事にも役立つ可能性がある
p.148 安心感から、皆が今、気になっていることをなんとなく口にする。この場なら、ある程度、何を話しても大丈夫だろうと思う
p.148 チームのメンバーが…お互いのことを少し深く理解できれば…仕事も円滑に進むようになる
p.149 ゲームの場合...自分の業績に影響するわけではない…仕事だけでは育たない人間関係が育つ…表面だけを見ていては分からない人間性がわかってくる

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19章 人脈

p.151 キャリア形成に役立つもの…無形の資産と呼ぶべきものも多い…そうした資産が自分の成長には必要なのだとわかるようになる…「人脈」…社内の人脈…会社を離れた人脈
p.152 次の条件に当てはまるような人脈があるのなら、喜ばしい

  • 経験や年齢などの属性とは関係なく人が集まっている
  • 頻繁に顔を合わせるわけではないが、会えばすぐいつも通りに話すことができる
  • 状況がどうなろうと関係が続く人たち
  • 時間を投資すれば、必ず何かを返してくれる。だが、その返し方は、決して、こちらの予測や期待のとおりではない
  • よくないところがあれば怒ってくれる
  • 特に理由もなく、不定期に集まって顔を合わせる
  • 長い沈黙が続いても誰も気にしない
  • 必要な時にタイミングよく現れてくれる
  • 互いに何かを要求し合うことはめったにない…誰かが本当に望んでいることがあるなら、その 実現には当然のように皆が協力する
  • 人としてバランスを保つ助けになってくれる
  • 人間性をよくわかってくれる
  • その人たちからのメールはすぐに読む
  • たとえ遠くへ言ってしまっても…いつまでもつながりが切れることはない

p.153 人脈に入らない人の重要性が低いわけではないというのも大事なところだ
p.154 カンファレンスは、特に、人脈を広げる絶好の機会と言えるだろう…Twitterのフォロワー…が何百もいるからといって、人脈が広いとは限らない…Webという媒体が間に入ることで、人間性の大切な部分が覆い隠されることもある

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20章 採用

p.158 (入社直前で候補者がキャンセルした…)この場合、悪いのは私なのだ…「君が必要だ」ということを伝えていなかった
p.158 誰かを雇う際…知っているべきことは2つ…「今、必要な人材は何人くらいで、どのくらい急を要するのか」…「雇うと決めた人を確実に入社させるにはどうすればよいか」
p.159 会社の採用枠というのは、誰か1人が希望してもそう簡単には増やせない…採用枠のうち、実際に使うことができるのは50%ほど…採用枠が与えられたら、その枠を実際に採用に使える可能性をできるだけ高める必要がある…急がなくてはならない…「毎日、1時間、採用のために使え」
p.159 チームのマネージャだとしたら…「チームを大きくする際に、あなたが最も重視することは何か」…毎日真剣に考えなくてはならない…実際に誰かを雇うまでずっと考え続ける必要がある
p.160 候補者をWeb上で探す…友人にメールで問い合わせる…リクルーターに問い合わせる…以前断られた人にも連絡してみる…過去のメールを読み返す…採用人材の必要条件を再確認する
p.161 転職の際に途中で気が変わってしまう人が少なくない…入社を承諾しておいて、結局、入社しない…そういうことは皆無ではない:
p.162 入社してもらえる可能性はまずないと思っていた…相次いで入社することになった「秘密」…会社にとって本当に必要な人材であるということを何度も繰り返し、強く言い続けた
p.163 あくまで、会社の方から「来てほしい」と声をかけた人の場合の話だ。不特定多数に向けての求人に応募してきた人、すべてにそうするわけではない
p.163 あとは出社を待つだけ、という時点で…「もう来てもらえる」と思って態度を変えるのは危険なこと
p.164 転職の際の不安な精神状態で、何度も変わらないメッセージが伝えられれば安心できる
p.164 マネージャは、自らのチームに新しく誰かを雇う場合、自らも毎日、積極的に採用に関わるべきだろう…はじめの段階から、候補者、部下になるかもしれない人間に誠意を持って接することが大切なのだ

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21章 困った人

p.165 人間が2人いれば、必ず少しは歩み寄りが必要になる。歩み寄り、譲り合うからこそコミュニケーションができる。…中にはどうしようもない人もいる…言動の意図も、人間性も理解できず、好きにもなれない。いわゆる「困った人」
p.166 2人の人間の間に何かトラブルが起きた場合、そのどちらに話を聞くかで、同じ出来事が全く違って見える…「困った人」というのは、あくまで一つの評価に過ぎない…他の人の意見を鵜呑みにしてはいけない…あなたの見方をどう修正すれば「困った人」とうまく付き合えるかということ(を書いていく)…大事なのは、自分自身が変わるということ
p.167 努力するしかない…基本的なこと…発言したい時には手を挙げる、「お願いします」「ありがとう」…勝手な行動をとらない
p.168 困った人は言動が予測できない。まともなコミュニケーションが決して成り立たない
p.169 (困った人が)何を言っているのかわからず、対応に苦慮する…そばに寄ることも避けるようになる…会社の文化に合っていない…全体の生産性や士気に悪影響が及ぶ….困った人を拒絶することで、会社は文化を守ろうとする:本人に罪はないということだろうか。そんなことはない
p.170 どれほど変わった人であろうと、他の人たちと同じ目標に向かって進もうとしていれば、会社から文化的に拒絶されるようなことはない…何より問題なのは「実は正しいのは彼らの方かもしれない」…シリコンバレーの歴史にはそういう例がいくらでもある…困った人は…それでも会社には必要な存在なのだ…彼らが重要視するのは、自分自身の「文化」である
p.171 あなたのキャリアには、主に2つのことが大きく影響する…「これまでにどれだけ困難な問題を解決してきたか」…「その問題をどういう人たちとともに解決したか」…不可能と思えることに挑戦すれば、人間は大事なことを数多く学べる

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22章 在宅勤務

p.173 会社に来なくなるというのは魚が池から出るようなもの…組織に属する人たちというのは、皆、池の中のどこかにいる…重要な発言をすると…さざなみになって広がっていく
p.174 池の中にいれば、絶え間なく情報が集まってくる…池の状態を決めるのは、その集団の構成員である…全員が合わさって1人の人間のようになっている…問題は「池」をどうやって、普段、会社に出てこない社員にまで広げるか
p.176 直接、面と向かって話していれば伝わるはずの微妙なニュアンスが伝わらない…曖昧な情報にどう対処するか…仕事の「終え方」も問題になる….どこまで行けば「終わり」とみなせるのか…どんな仕事をするにしても、完全に1人ではできない
p.177 その人が成長のために「池」を必要とする人か否か…在宅で働く能力は、かなりの部分、天性のものだろう…誰も見ていなくても滞りなく仕事をこなしていくことができる
p.178 在宅勤務者の勤務態度や生産性に対してもつちょっとした偏見

  • 自宅で何をしているのか分からない
  • 仕事の期日に対して無頓着だ
  • メールを出しても返事が来ない

p.179 コミュニケーションをするたびに余分なコストがかかる…仕事ぶりがよほど素晴らしくなければ、そのコストは正当化されない
p.180 テレビ会議システム…話が伝わるまでに0.1尿くらいの遅れが生じてしまう…重要なデザイン戦略について話をしているときなどは(問題になる)…必要な思考ができなくなってしまう…どんな道具を使ったとしても…コミュニケーションに齟齬が生じていないか、絶えず気を配り、その解消に努めなくてはならない

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第3部 日々の仕事に必要なスキル

p.183 ただひたすらコーディング…それだけをしていればいいのではない…成功を収めるためには、コーディング力以外にも必要なスキルがある,,.時間を管理するスキル…自分に合うツールを選ぶスキル、周囲の人たちについて理解するスキル…自分のアイデアを他人に伝えるスキル

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23章 「ナード」ハンドブック

p.185 今の仕事も、これからのキャリアも、読者一人だけではどうにもならない。そこには多数の他人が関わってくるはずだ…上司や同僚…友人…あなたを支えてくれる人…配偶者や恋人など、人生のパートナー
p.186 ナードは、何かを作る人たち…何かを作る「プロジェクト」がとても大切
p.188 ナードがプロジェクトを愛するのは、そこに「問題解決」と「発見」の要素があるからです
p.190 ナードは…一つのことに長く続けて注意を向けることができない

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24章 マネージメントのシステム

p.195 エンジニアの頭の中にある…世界:自分の担当するシステムについて…必ず正確な答えを見つけ出せると100%確信している…自分の手で構造を作り上げ、ルールを明確に定義する(という仕事)
p.196 エンジニアを根本のところで支えているのは、そういう作る喜びである…そういう人は酷いマネージャになることが多い。あらゆることを自分の思い通りにコントロールしようとしてしまう…エンジニアは…常に他人に干渉されながら仕事をすることや、多数の他人の間の関係を調整することなどには慣れていない…マネージャになるというのは…人間という不可解な存在を相手にする世界に飛び出して行かなくてはならない。その世界では、他者に信頼して任せるということが必要になる。部下たちを、自ら意思決定のできる人間に育てると同時に、困った時には彼らを助けられる存在でいなくてはならない。助けが必要なときは相談して良いのだ、ということを部下に理解させ…優先順位をつけなくてはならない…常に柔軟な姿勢を保ち、戦略的に物を考える
p.196 もう1つ大切なのは「戦略的に忘れること」…忘れても問題が起きないような仕組み作らなくてはならない
p.197 すべての中心になるのは「タスク管理システム」…その日に何をするのか予定を立て…朝の段階で「今日は自分にどのくらいのことができそうか」をおおまかに知ること
p.198 開発チーム…全体の関心も目新しいものに向きがち…今日、最も重要な問題は何かを落ち着いて考える…3つのカテゴリー…「今日」今日中に必ず完了させなくてはならない仕事…「あとで」あとでやればいい仕事…「やらない」やらなくていい仕事….作業にかかるのは、あくまでも優先順位づけを全て完了してから
p.199 ToDoリストを階層構造に…そうすると、リストの管理も立派な仕事になってしまう…仕事を進める足かせになる
p.200 優先順位は…日々見直す…最良な優先順位は刻一刻変化する…ToDoリストは毎日確認し、その日の状況に合わせた優先順位づけをする…システムが複雑になると、それを維持する手間が増え…仕事を進める時間と労力は奪われる
p.200 終業後にも…作業の再確認をする….(アイデアや、すべきとわかった仕事を書き留める)パーキングロットに何が書いてあるかを見て…優先順位リストの「あとで」のカテゴリーに入れる…翌日に備えて心構えをする
p.201 今、重要性を感じないのであれば、リストに加えるべきでない…すぐに消すべきだ…不要な項目をリストに入れない….生産性の向上のためには是非とも必要なこと…マネージメントというのは「何をしないか」を選択する仕事だ…「特にやらなくていい」…そういう案件を積極的に、確実に見つけ出すのがマネージャの任務
p.202 必要なのは「戦略」…チームを、あるいは自らのキャリアをどの方向に進めるのか、その方針が明確でなければならない

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25章 トリクルリスト

p.203 ToDoリストの項目を予定どおりこなす…それだけでは「戦略的」に動いてるとは言い切れない
p.204 エンジニアリングマネージャ、プロダクトマネージャといった肩書きにふさわしい責任を果たすこと、それが仕事
p.204 トリクル理論,,,「少しずつ絶え間なく時間を投資していけば、思いがけない成果が挙げられる」
p.205 (トリクル)リスト作成にあたって…現在の仕事について確認をしたら、次は…「本来はどうあるべきか」を考えてみる…マネージャとしての責務…人脈を広げる…仕様策定を進める…見出しの例「人、書く、ビタミン剤、学習、本」
p.206 時間を投資したからといって…いつ回収できるかも分からない…回収できる可能性は知らない間に高まる…些細なことであっても、目標に向かうのに寄与するのならいい
p.207 ToDoリストの確認…に加えて、トリクルリストの処理作業もしなくてはならない…未実行の項目があったとしても、自分を責めたりしゃしない…一息ついた時など、ふと(トリクル)リストに目をやる…何か一つ実行してみる…1週間実行していないものは、必要かどうかの判断をする
p.208 リストの見出しに…絵や記号を使う…意味が曖昧になり、融通が利く…実行にあたって色々とそのつど工夫ができる
p.209 戦略的思考には、多くの情報が必要…無秩序も必要…こなすべき作業を…明確にしたToDoリストと、曖昧性を残したトリクルリスト…組み合わせることで、生産性を向上させ…ひらめきも得ることができる

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26章 「危機」と「創造」モデル

p.211 一日中ミーティング…だけではない…次から次へと重要な案件についての意思決定を迫られる…すぐに必要なのは優先順位づけ…その件が危機につながるものか、あるいはチャンスにつながるものかを判断しなくてはならない
p.211 トリクルリストは…長期的な戦略に関わるリスト…26章で触れるのは…仕事全般に関わる「メンタルモデル」
p.212 物事を「危機」と「創造」に分ける。どちらの物事 に対しても、マネージャである私が責任を持たなくてはならない…「創造」…何らかの投資をするか、あるいはその案件を完了させる責務を負う…マネージャの手腕次第で、チームは実際に大きな成果を上げる
p.213 ほとんどの案件はその中間のどこかに位置する…中間の部分も重要になる…緊急性は高くない…チームのメンバーの誰かに任せてもよい
p.213 「危機」…マネージャがまず、しなくてはならないのは次の2つ
1.破滅的な結果になる恐れがあるか否かを確認する
2.破滅的な結果になる恐れがあるのなら、それをどうすれば防げるかを判断する
p.214 必死で問題の解決を試みる。それと同時に、危機の起きた根本的な原因を慎重に探る。
p.215 「創造」案件…不透明な将来に対する投資の仕事…「こうするといいのでは」というふとした「思いつき」、「ひらめき」
p.216 「危機」と「創造」のモデルは、生産性向上のためのものではなく、判断のためのものである…自分の時間をどこにどう使うか

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27章 愛用のツール

p.219 適切な道具を使えば生産性が指数関数的に上がる

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28章 無意味なこと

p.227 ITの業界にいる人間は皆、新しいことが好きだ…それにばかりかまけていると、時間を取られて、かえって物事が停滞してしまう。バランスを取るために、時には何も新しい情報を取り入れない静かな時間を設ける必要がある
p.230 とりとめもなくあれこれと考えることも時には重要である。「素晴らしいアイデアはシャワー中に浮かぶ」とよく言われる…忙しく体を動かしているとき、脳は…大きな問題…について考える…色々な思考のかけらを組み合わせて、新たな何かを作ろうとする
p.232 何もせず、何も生み出さず、何も生産的なことは考えない…時には、しばらくの間、止まることも大切だ

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29章 プレゼンテーション

p.233 たとえ苦手でも、プロになったら、時折は人前に出て、プレゼンテーションをしなくてはならない
p.234 不慣れな人…スライドを作りすぎる…文字が多すぎる…1枚に多くのことを詰め込みすぎる
p.234 第1段階…丸暗記するのではなく、自分の「話したいこと」を感覚的に把握する
p.235 プレゼンテーションはパフォーマンスでなくてはならない…絶え間ない練習が必要になる… 練習はまず、スライド3枚くらいから始める…練習しているうちに…「重要なポイントを話すタイミングが適切でない」などの発見もあるだろう
p.237 プレゼンテーションの中で、どの部分が特に大事なのか…その時聴衆がどういう人たちなのかによって変わる…実際に誰が聴衆としてくるかで結果が変わることがある…調整が必要…重要なポイントのところで声を大きくして強調…歩き回り、身振り手振りも大げさに…ゆっくり話して、間もあける
p.238 ほんの数分間だけでも…1人の人に向かって話しているのだ、と思って話す:沈黙を区切りとして使う
p.239 聴衆はできれば、驚くような素晴らしいプレゼンテーションが聞きたい…それを常に念頭に置いていれば、少しは助けになる

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30章 声を出す

p.241 大勢の人に向けて話すための文章を書く技術と、普通に優れた文章を書くための技術はまったく違うものだ
p.242 原稿を書く場合…「これは聴衆に向かって話すための原稿である」という意識を持って書く…「スライドに書いてある文章をただ読み上げる」ということは決してしてはいけない
p.243 プレゼンテーションソフトウェアには大きなメリットがある…あくまでプレゼンテーション資料を作っているのだということを常に意識させてくれる
p.244 作った資料を使って試しに…本気でプレゼンテーションをする…3つの意味がある

  • 全体としてどのようなものになるか、だいたいの感触が掴める
  • プレゼン原稿であることが実感できる
  • 少し自信がつく…何があっても、これ以下になることはないだろう

p.244 声に出すことで、論理の欠陥…情報の欠落を発見する…「最悪のリハーサル」
p.246 プレゼンテーションは視覚と聴覚のメディア…スライドが文字で埋め尽くされているというのは、本来の責任を果たしていない…絵や図、グラフなどは、情報を記憶に残りやすくする…アニメーション…デザインが前面に出すぎると、内容が聴衆に伝わりにくくなってしまう
p.247 聴衆のプレゼンテーションへの参加を促す…話に「ついていけるようにする」…「手をあげてもらう」
p.248 「聴衆に何を覚えて帰ってもらいたいか?」…最も簡単でつまらない方法は、「まとめ」のスライドを作る

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31章 3つの役割

p.249 エンジニアが「終わった」と言えば…製品が完成したという意味ではない…プロダクトマネージャにはそれをそのまま「終わった」とは伝えない…営業にそのまま伝えてしまい、営業はまだ完成していない製品を顧客に販売してしまう
p.250 時間、品質、機能…この三角形が正三角形であれば理想的である…正三角形のままずっと変わらないなどということはない
p.251 この3要素以外にも調整できる要素は数多く存在するのだ
p.252 「ビット」…実際の「製品作り」を進める役割…開発チームの動きに最も大きな影響を与える人が「ビット」…開発上の緊急事態が発生した場合に…電話がかかってくる人…開発に関していつも重要な判断を下している人
p.252 「機能」…製品の内容について決定する役割…(p.257)顧客に求められる機能を確実に見極め、なぜそれが必要なのか、皆を納得させる説明をする
p.253 「真実」…「真実の管理人」…社内を流れるあらゆる情報を、常に正確に把握している人間…人間が2人以上いれば、どうしても誰かが情報を管理しなくてはならない…わかりやすいようその都度翻訳する…訂正もする
p.254 (3つの役割に)誰の名前が入るか…同じ人の名前を書いたからといって即、間違いということはない
p.255 (その役割に)名前を書いた人は「リーダー」と言える人だろうか…リーダーとなる人には、豊富な経験が必要…状況分析力も備えている…正しい決断を下している
p.256 3つの役割は、本来、まったく性質が異なっている…それを担う人もそれぞれに違っている方が効率が良い…3人のリーダー…役割上、どうしても衝突は避けられない
p.257 自分たち(の役割)を肯定する気持ち…他の2人のリーダーを尊重する気持ち、その知識、能力を信頼する気持ち(が大切)
p.258 (同じ人が担うとしたら)健全な議論ができるか…顧客と接することのないエンジニアが決断を下して本当に良いのだろうか。根拠となるだけの情報が十分に得られるのだろうか。
p.259 本当に健全な緊張感が生じるのは、やはり3つの役割をそれぞれ別の人間が担った時である…2つの役割を同じ人間が担うようだと、そのバランスが崩れる

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32章 デモ

p.261 デモの際にあもるべき基本的なルール…背景説明+内容説明+ポイント(発見、アイデア)説明…デモは「会話」…他人と話し合い、どうすればさらに改善できるかを探る…目的は情報を得ること
p.264 背景説明…なぜそのアイデアが必要だったのか、なぜ、重要なのか…発見に至る経緯
p.266 (デモで「よく理解できない」と)言われた事実は気にしなくていい。その発言は…より実りのある会話、前向きな話をするためのきっかけ…何が分からないのか。それを尋ねなくてはならない…どんな意見でも…デモを違った角度から見るチャンスを与えてくれる…対話をするには技術が必要
p.267 情報を処理する順序は人によって違う…背景と経緯を説明してから本題…(相手も)同じ順序で情報を処理する人だとは限らない
p.269 聞き手には色々なタイプの人がいる…そういう人たちからどうすれば建設的な意見が引き出せるかも十分に考える必要がある

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第4部 変化

p.271 変化の速いITの業界でずっと働いていくつもりであれば…常に「自分は次にどうすべきか」を考えている必要がある

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33章 失敗のシナリオ

p.274 合わないと言っても…仕事上の話である…組織内での立場の違いにより、敵対せざるを得なくなっているだけ…言語が違う…必然的に、コミュニケーションに根本的な問題が生じる…このような「バベルの塔」的状況への対処は、中間管理職の仕事
p.276 ミーティングでの発言をどう進めるべきか…出席者を確認する…発言する…(質問者に)主導権は渡さない
p.277 不意の一言に慌て…中身のない話でごまかすことを避けるには、次の3つのことが大事

  • 自分の負けを察知する
  • 知らないことは「知らない」と言ってしまう
  • それを知るために、具体的に何をしなくてはならないかを明確に話す。そして、いつまでにするか、期日も示す

p.279 特に危険が大きいと予想される場面…一歩退いて、全体の状況をよく見てみる…「どう動くのが最も自分のためになるか」、「この先、どう展開すると予想されるか」、「自分はどういう失敗をしそうか」…を検討する…大事なことは、たとえ自分が何か失敗しても、自分が率いているチームは成果を出せるようにしておく

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34章 査定

p.281 1年間ずっと、あれこれと言い続けてきた…たとえ同じことでも、口頭で言われるのと、文書で伝えられるのとではかなり違う…文字になっていると…頭に長く残る
p.281 なぜ自分は素晴らしい業績をあげたといえるのか、その理由を明確に説明できるかどうか…上司は…同じように考えているだろうか
p.282 やはりどうしても、上司の注意は…「できない」部下に向けられてしまう…素晴らしい1年間を…見てもらえないのだ
p.282 査定書…重要なのは、期待されていたことと、実際にできたことがどのくらい合っているかということだ
p.283 氷点をつけられてもキャリアには役立たない。業績を他人と比較したとしても得るものはさほど多くはない…大事なのは、自分が何をしたのか、また今後、何ができるのか…問題なのは(何が素晴らしい/要改善と言われたのか)その中身だ
p.284 上司は…(あなたが仕事の中で特に力を入れている)部分に関して、査定の中で詳しく買いていてくれているだろうか…どうすればさらに改善できるのか…明確に書いてくれているか
p.285 まともな査定書に…なるよう、こちらからはたらきかける必要がある…社内であなたの仕事ぶりを記した唯一の公式文書かもしれない…対抗するには、まず自分で自分を正確に査定する必要がある…そのために、日頃から「今日はどういう仕事をしたのか」を記録する…自己査定書を…上司に見せてしまうというのも1つの方法である
p.286 対話…驚くべき事態が発生する…上司が一切(プロジェクトを)認識していなかった…翌年、仕事をしていく上でどういう点に注意すべきかを知ることにもつながる
p.287 査定書があまりにあっさりしていると悲しいものである

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35章 就職先の選択

p.289 たまたま会った人にいい話をもらって就職できた…偶然に大きく左右される…一方で、やはり自ら戦略を立てて動くことも重要
p.290 まずは、自分の将来について30分でいいので、落ち着いて考えてみてほしい…チャンスというのは、得てして最悪のタイミングで訪れる…即座に何らかの決断を下さなくてはならない
p.290 問1:ベンチャー企業か大企業か…できれば、まずベンチャー企業…大企業では決してできない経験…多くの失敗をする
p.291 失敗というのはどれも貴重な体験だ…乗り切った後には、自分は危機的な状況に対処することができた、という実績が残る
p.292 大企業…いつ失敗して、会社がなくなるとも限らないという事実はいつも変わらない…生温いようだが、それでも学べることはたくさんある
p.293 問2:どの分野で働くか 会社のブランドは重要か…多様な知識や経験が蓄積され…相互に作用し合うことで全く新しいものが生まれる
p.294 問3:マネージャになるつもりがあるか…十分な情報を与えられないまま。即座に決断を下さなくてはならない…多くの人に会い、全員とうまくつき合うことが求められる
p.295 大切な3つの問い

  • 自分は何をしたいのか
  • 自分は何を作りたいのか
  • また、それをどのようにして作りたいのか

p.295 それだけで十分とは限らない…自分にとっては重要、という問いもある…チームの規模…勤務時間…責任…ストレス…新しい仕事を探し始める前に…すべてに答えを見つけておくようにしたい…就職先を決める…大切な条件

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36章 エンジニアとマネージャ

p.297 エンジニアがマネージャになるというのはどういうことなのか…元エンジニア…直面してきた問題(納期遅れ/多くのバグ/PdMに振り回される/ドキュメントがない/マネージャと意思疎通できない)…部下たちと変わらない
p.298 その会社のその部署にいるというだけで、その人をマネージャに選んでいることになる…本気で辞めたいと思えば、いつでも辞めることはできる
p.300 エンジニアは、製品を自分のものだと思っている…マーケティングや、テクニカルサポートを担当する人間の存在を認めていないわけではないが…
p.301 キャリア初期に重要なこと

  • 良いものを作る
  • 速く作る
  • 誠実に話す
  • 期日を守る
  • 質の悪いものを作ってはならない…良いものだけを作る

p.301 エンジニアにとって、開発チームの外の人たちとの人間関係は…目先の仕事の成功にほとんど関係がない…実はこれが大きな問題を引き起こすことになる…日々の仕事で…学ぶことは、周囲の人と良好な関係を築くことには役立たない
p.302 マネージャに求められるのは(エンジニアとまったく違った)次のような資質

  • 自分に敵意を持つ人たちに囲まれても冷静にコミュニケーションができる
  • 他人の業務査定書が的確に書ける
  • 友人を解雇できる

p.302 マネージャの仕事…ありとあらゆる人たちと早く、効率的にコミュニケーションをしなくてはならない…何が真実かすら明確ではない…利害の対立、政治的な駆け引き
p.303 将来、(エンジニアとマネージャの)両者に求められる資質には、今(注:2010年)ほどの差は無くなっていくに違いない

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37章 マネージャとコミュニケーション

p.306 マネージャになると自分を取り巻く環境は大きく変わってしまう…振り出しから全てやり直し…今までとは違うスキルを獲得し、磨いていかなくてはならない
p.307 調整のためのミーティング…創造のためのミーティング…以外のミーティングもあり得るが…役立つものとは言えない
p.308 コミュニケーションのハブになる…話を抽象化したり…不要な部分を削ぎ落としたり…(30分のミーティングを)メンバーに伝えるときは、3分に圧縮する
p.310 部下との1対1のミーティング…すべての関心を、その時話している部下に向けるのだ
p.310 マネージャをしていると、絶えず…変化球が飛んでくる….直球であれば…部下たちが対処してしまう
p.311 マネージャは…ノーと言う…自分のチームを守る…当然、それによって何かしらの影響はあるので、それにも対処しなくてはならない
p.312 エンジニアからマネージャになったばかりの人は…何もかもを自分一人で解決しようとする… だが、マネージャとなったからには他人を、部下を信頼して任せなくてはならない…元々自分の持っているスキルをスケーリングしなくてはならない…学んできたことを、部下にわかるように翻訳して教えていく必要がある…信頼することで、良いフィードバックループが生まれ、徐々に生産性は上がり、満足のいく仕事ができるようになっていく

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38章 空白

p.313 なくてはならない存在だと思っていても、いなくなれば、その穴はいずれ埋まる…後に残る人たちのことを過小評価してはいけない
p.314 確かに、その人は「エース」だろう…いつも相談していたような問題の答えは、ほとんどの場合、質問者の頭の中に存在したのだ…エースがいなくなれば、皆がお高いの知識を以前よりも信頼し合うようになるのではないだろうか
p.315 権力や影響力の大きい人が突然いなくなることもある…チームを守ってくれていた人
p.317 リーダーは…外部の現実を歪めてチーム内部に伝えていることがある…軋轢が生じないよう絶えず調整していたのだ
p.318 情報通がいなくなると、どこか予想外の場所でコミュニケーションの停滞が起きる

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39章 大脱走

p.322 会社が潰れる…実に悲しい…最低な出来事…良い面はある…今後…早めに察知できる
p.323 戦略的な会話…マネージャのする会話…要するに「行動計画」…次に何をすべきなのか…どうすれば改善できるか
p.328 一見、すぐに立ち去った方が良さそうだが、留まった人にもメリットはある…企業がゆっくりと崩壊していく…かろうじて生き残ったとしたら、その後の再編により、今まで想像もしたことのなかった高い地位に就ける可能性もある

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40章 不安な将来

p.329 経験を積むと、物事の判断がしやすくなる。経験は自信につながる…きっと仕事に成功する…そういうサイクルが生まれる…ただし…賞賛されたのは、あなたが何か価値あることをしたからだ
p.330 成功は気分の良いことだが、いつまでもそれに浸ってはいられない。常に新たなことを挑戦していかねばならない…次々に新しい経験をしていかなくてはならない
p.331 過去にどれほどの成功を収めた人であろうと、次も成功できるかどうかはまったく分からない…油断していると、現在、何が起きているかさえ、正しく把握できていない場合がある
p.332 2章の問い(最近何か失敗をしたか、異議を唱える人間が近くにいるか、1週間で何か学んだことはあるか、説明できるか)….要するに…自分に「混乱」が生じることがあるか、ということ…(すべてが予測可能な)状況では、なかなか成長は望めない…成長のためには安心は良いことではない

  • 現状に何も問題がないからと言って、それが成功につながるとは限らない。苦しまなければ、何も生まれない
  • 人は葛藤から学ぶ
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終わりに 急ぐ

p. 336 部下をもち、人の上に立つようになったら…あなたは誰の許可も得ず、自ら最初の一歩を踏み出すことができる。ともかくやってみよう。

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