ゲームモデル制作初心者へ捧ぐ blender小ネタ集
この記事は、神戸電子専門学校 ゲーム技研部 Advent Calendar 2024の13日目の記事です。
はじめに
私自身がゲーム用モデルを作り慣れていない時にひっかかった部分や、
ゲーム制作仲間がモデル関係で困っていた内容の解決策をまとめた備忘録になります。
Blenderでの操作を前提に説明しております、ご留意ください。
あくまで機能紹介にとどめているため、ショートカットなどは各々で調べてください。
Blenderとゲームでモデルの見た目が違う
トランスフォームの適用をしよう
「blenderでモデルの大きさを変えたのにゲームに反映されない」となった場合だいたいこれが原因です。
オブジェクトモードでモデルを編集したときは、頂点情報ではなくオブジェクトのトランスフォームの値が変更されます。
エクスポートした形式やプロジェクトによってはこの値が反映されず、編集内容がゲームに反映されないことがあります。
オブジェクトモードでモデルを編集する様子
右のトランスフォームの値が変わっていることが分かる
そこで「トランスフォームの適用」をして、オブジェクトのトランスフォームを頂点情報に反映させる必要があります。
オブジェクトモード中に、画面左上の
「オブジェクト」→「適用」→「全トランスフォーム」
でできます。
面の表裏を確認しよう
オブジェクトの形状は正しいのに見えている面がおかしい場合、面の裏表が逆になっている場合があります。
blender上では同じに見えるモデルがゲーム内だと様子がおかしい
これの原因は、描画負荷を減らすための背面カリング(裏面カリング)です。
blenderで面を新しく作るときに面の裏表が逆になり、部分的に描画されなくなるケースが身の回りでは多かったです。
葉っぱなど一枚のポリゴンの裏側が見えない場合も背面カリングの影響を受けていると考えてください。
blender上で面の向きを確認するには、画面右上の
「ビューポートオーバーレイ」の詳細→「面の向き」
をチェックすることで確認できます。
青い面が表、赤い面が裏です。
ゲーム中で描画される表面に揃えるために、面を外向きにしましょう。
編集モード中に
「メッシュ」→「ノーマル」の「面の向きを外側に揃える」
でできます。
選択中の面のみ向きが変わるのでご注意ください。
葉のような厚みがないモデルだとこれでは対応できないので、
開発環境側で指定のマテリアルだけ背面カリングをOffにしたり、
面を反転させたモデルをコピーして重ねるなど、各々の環境に合わせて対応してください。
モデルを滑らかにしたい
blenderには低ポリゴンで制作したモデルを法線の向きを調整することで滑らかに見せる
「スムーズシェード」という機能があります。
モデルの制作コストを下げたり、頂点数が少ないモデルで済むため描画負荷軽減にも繋がります。
ぜひ試してみてください。
オブジェクトモードで左上の
「オブジェクト」→「スムーズシェード」 でできます。
左側が通常モデル(フラットシェード)、右側にスムーズシェードをかけている
「自動スムーズシェード」や「シャープをマーク」を組み合わせることで、
スムーズシェードをかける場所をコントロールすることもできます。
興味のある方は合わせて調べてみてください。
広い床を作りたい!
広い床を作りたいのに模様が荒くなるからモデルを何個も並べてる人、ちょっと待ってください。
UVの大きさを変えるだけで解決できます。
UVを大きくすると、画像をループさせて補間してくれる
UVまわりの説明を始めてしまうと記事一本書けてしまうので割愛します。
「UV展開」などで調べると関連情報が出てくるので調べてみてください。
おまけ
私がblenderを勉強するときにお世話になった動画を紹介します。
・Yonaoshi3D様 「太陽のBlender2.9入門」
画面の見方のような基礎から、アニメーション制作まで流れで紹介してくれるシリーズです。
作り方だけでなく、どのような仕組みなのかもある程度解説してくれているのでまさしく「入門」です。
・3D Bibi様 「モデリングチュートリアル」
短時間で小物のモデリングをする動画を沢山上げてくれています。
1からモデリングをしたい方は、この動画で練習してみるのをお勧めします。
・【Blender入門】覚えておくべき便利なショートカットまとめ
ループカットやベベルなど、モデルを作るうえで便利な機能をまとめてくれているサイトです。
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