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ChatGPTのカスタム指示やCursorのRulesはどの技術に分類されるか?
記事の概要
あれ?ChatGPTのカスタム指示やCursorのRulesはどの技術に分類されるんだろう?
ふと疑問が沸いたので、調べてみました。
結論
ChatGPTの「カスタム指示」やCursorの「Rules」は、RAGやファインチューニングではなく、主に コンテキスト注入(プロンプトエンジニアリング) に分類されます。
各技術の概要と比較
技術名 | 概要 | 主な用途 |
---|---|---|
コンテキスト注入(プロンプトエンジニアリング) | ユーザーの指示やルールをプロンプトに追加し、モデルの出力を制御する手法。モデル自体の学習は行わない。 | ChatGPTのカスタム指示、CursorのRulesなど。ユーザーの意図やスタイルを反映させる。 |
RAG | 外部データベースやWeb APIなどから関連情報を検索し、モデルの入力として組み込むことで、最新情報や専門知識を活用する手法。 | 社内ドキュメントの検索、FAQシステム、最新ニュースの反映など。 |
ファインチューニング | 既存の学習済みモデルに対して追加の学習を行い、特定のタスクやドメインに特化させる手法。モデルのパラメータ自体を更新する。 | 特定業務向けのカスタムAI、専門用語の理解、特定の応答スタイルの実現など。 |
ChatGPTのカスタム指示とCursorのRulesの技術的分類
ChatGPTのカスタム指示
- 分類: コンテキスト注入
- 仕組み: ユーザーが設定した指示(例:「エンジニア視点で回答して」)を、システムプロンプトとして毎回の入力に追加することで、モデルの応答スタイルや内容を制御します。
-
特徴:
- モデルの再学習は不要
- ユーザーごとに柔軟なカスタマイズが可能
- 即時反映されるが、長期的な記憶は持たない
CursorのRules
- 分類: 主にコンテキスト注入、一部RAG的要素も含む
- 仕組み: プロジェクトごとに設定されたルール(.cursorrulesやProject Rules)を、AIのシステムプロンプトとして適用し、コード補完やチャットの応答を制御します。
-
特徴:
- プロジェクト単位でのカスタマイズが可能
- エディタ内の情報を参照することで、RAG的な動作をする場合もある
- ルールの適用は即時で、モデルの再学習は不要(参考:私のシンプルCursor活用方法|ニケちゃん - note)
技術選定のポイント
技術名 | 再学習の必要性 | 外部データの活用 | カスタマイズの柔軟性 | 主な適用例 |
---|---|---|---|---|
コンテキスト注入 | 不要 | 限定的 | 高い | ユーザーごとの応答スタイルの調整、プロジェクトごとのルール設定など。 |
RAG | 不要 | 必須 | 中程度 | 最新情報の反映、社内ドキュメントの検索、FAQシステムなど。 |
ファインチューニング | 必要 | 任意 | 高い | 特定業務向けのカスタムAI、専門用語の理解、特定の応答スタイルの実現など。 |
まとめ
- ChatGPTのカスタム指示やCursorのRulesは、モデルの応答を制御するためのコンテキスト注入技術に分類されます。
- これらの手法は、モデルの再学習を必要とせず、即時にカスタマイズが可能です。
- RAGやファインチューニングとは異なり、主にプロンプトの工夫によってモデルの出力を調整します。
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