Copy SMS Code - OTP Helperの紹介と日本語ローカライズなど
最近はとかく二要素認証としてSMSやメールで送られてくるワンタイムパスワード(OTP)の入力を求められることが多くなった。それ自体はおそらく多くのユーザーにとってセキュリティ上望ましいことなのだろうし、時代の流れと諦観しているが、パスワードマネージャーを用い、サービス・アプリケーションごとにそれぞれ異なる十分複雑なパスワードを設定しているユーザーからすると、やや煩雑の感は否めない[1]。特にSMSの場合、Google メッセージやQUIK(QKSMSの後継版)といったSMSアプリでは、受信メッセージ内の一部の文字列を選択することができず、ワンタイムパスワードをコピーができないのが地味に不便に感じていた(これは、ワンタイムパスワードの問題というより、各SMSアプリの仕様の問題だが)。
そんな中、昨年、Copy SMS Code - OTP HelperというAndroidアプリが新たにリリースされたのを見付け、以来愛用しているので紹介したい。
Copy SMS Code - OTP Helperの概要
Copy SMS Code - OTP Helperは、SMSやメール、その他各種の通知に含まれるワンタイムパスワードを自動で検出し、簡単にコピーすることができるAndroidアプリである。通知内に含まれる「コード」・「パスワード」・「認証番号」・「ワンタイム」といった語句をトリガーとして、ワンタイムパスワード部分を自動で識別し抽出する仕組みとなっており、これらの語句や反対に除外対象とする語句は、正規表現で任意に設定できる。検出されたワンタイムパスワードは、自動的にコピー(クリップボードに保存)したり、通知として送信(検出されたワンタイムパスワードが記載された通知が送信され、そのメニューから適宜コピーなどができる)したりするようにできる。
このほか、ワンタイムパスワードが検出された通知について、その履歴を確認したり、通知を自動的に閉じたり既読にしたりする機能も備わっている(いずれも無効化も可能)。
オフラインで動作しインターネットのアクセス権を要求せず、また、オープンソースでもあるので、ワンタイムパスワードを漏洩されるようなセキュリティ上のリスクもないといえる。
インストールは下記より行える。
日本語にローカライズしてみた
せっかくなので、日本語にローカライズしてみた(このアプリはWeblateでホストされている)。2025年1月4日時点では一部最新のバージョン(1.16.4)に未反映で未翻訳などとなっている箇所もあるが、いずれ反映されることと思う。
以下蛇足。
性質上、メニューや文が多いアプリではないので、翻訳の仕方に迷うような箇所も殆どなかったが、強いて挙げれば"Sensitive Phrases"(ワンタイムパスワードを検出するためのトリガーとなる「コード」などの語句を指し示している)の訳語にはやや悩んだ。直訳的には「高感度のフレーズ」といったあたりかという気がするが、しっくり来る表現が思い浮かばなかったので、「コード検出対象の語句」とした。なお、"Phrases"はそのまま「フレーズ」とした方がイケてるかとは思ったが、無用に曖昧になって意味が取りづらくなるきらいもあったので、少々硬いが「語句」とした。「文字列」でもよいかと思ったが、原文からややずれることと、「文字列」の方が抽象的で硬いように思われることから、採用しなかった。この箇所に限らないが、より適切な訳があれば、Weblate上またはこの記事のコメント欄でご提案いただければ幸いに思う。
類似アプリ
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XposedSmsCode
- 要ルート
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SmsCode
- 前記のXposedSmsCodeの非Xposed版
- 2020年01月を最後に更新停止。
関連情報
終わりに
ローカライズの励みとなるので、気に入ってくださった方はバッジをお贈りいただければありがたい。なお、アプリの作者(javad mnjd氏)に寄付をする場合は、アプリのGitHubのページにBTCとLTCのアドレスが記載されている。
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もっとも、万が一ということもありえないではないので、二要素認証を求められるのが例えば金融機関で一定金額を送金するような場合であればそれなりに理解はできる。他方、Yahoo! JAPANのような、事実上アカウントへのログイン自体を常にワンタイムパスワードの方式としなければ、ショッピング利用などで特典の対象外とされるというがごとき手口は、ユーザービリティ上悪質といわなければならないだろう。 ↩︎
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