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現場事例#006 品番の版数管理

2022/09/22に公開

あらまし

みなさんの職場で 品番マスタの版数管理されてますか? そんな機能必要?
という疑問を持った方へお伝えする備忘録です。

ベンダーと基幹システムについて打ち合わせ

べ:ベンダー
計:計画担当者

べ「今日は品番マスタについて検討したいと思います。」
私「版数管理機能をつけてください」
ベ「そんな機能必要ですか?」
計「品番変えるから大丈夫」
私「計さんがおっしゃるなら。見送ります。」

この時、私には計さんを説得できるだけの版数管理機能が無いことの問題点を
明確にイメージできていませんでした。
その結果、生産管理システムに品番の版数管理機能は実装されませんでした。

発生する問題

品番の改定には二種類ある

そもそも品番マスタの変更には二種類あります。「客先都合」「自社都合」 か。
これだけで、お察しの方も多いと思いますが「客先都合」の場合は、大腕を振って
新しい品番を作成したらよいのです。なにも困ることはありません。

問題は「自社都合」です。今の時代、同じものを同じ工数で永遠に作り続けて
大丈夫といった恵まれた会社は存在するのでしょうか?延々と工数低減やら、
設備改善やら、省力化の改善提案を出されているのでは無いでしょうか?

仮に、「この工程手順をXXXのように変更することで、オートフィーダがあるラインでの
生産に対応できます!これにより一か月30hの削減効果があります!」なんて話が
承認された場合、品質管理担当者のあなたはどうしますか?

考えるまでもなく、同一品番で流動させるはずです。

同一品番で流動させる問題点

同一品番で流動させた場合、客先からの問い合わせに備えて、ロットNo. XXXX以降は新製法に
なっていると管理する必要性があるはずです。また、生産量が予想以上に増加したため、
旧製法と新製法を同時に流動させるなんてケースもありうるかもしれません。

このようなケースに備えて、「品番:HINBAN001」だけではなく、
「品番:HINBAN001 版数:1」とし、新製法は「品番:HINBAN001 版数:2」とするのです。
客先に提出する帳票については、版数を表記しないようにし、社内向けの帳票は版数まで
印字するようにする事で、スムーズに対応できるはずです。

新規品番立ち上げ時の問題点

新規品番を立ち上げる際に、トラブルなく出荷まで行けますか?私の感覚だと、70%程度の確率で
マスタ不備で出荷できない感覚です。

つまり、単純に品番を変える場合、品番に紐付く様々なマスタをすべて漏れなく準備しないと
マスタ異常で出荷できないという問い合わせになって帰ってきます。

品番を新しく作る場合は営業担当者によって単価マスタの入力も発生しますので、そもそも
計画担当者だけの問題ではありません。

また、品番に依存したイレギュラーな対応(個別伝票など)をしている場合、品番を変える事が
運用上難しいといったケースもあります。結果、品質管理担当者による人力対応となって
しまいがちです。

結論

円滑な工数低減活動のためにも、品番の版数管理機能は必要と考えます。

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