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現場改善#018 印刷機能のギャップ
あらまし
基幹システムリプレースを目指して要件定義の打ち合わせ中のある日。
ベンダ「印刷ボタンを押すと、製造指示書がPDFでダウンロードされます。」
現場リーダー「最寄りのプリンタから印刷できませんか?」
ベンダ「PDFでダウンロードしてから、印刷で問題ないのでは?」
現場リーダー「それだと作業が止まってしまうので…」
ベンダ「まとめてPDFをダウンロードして、まとめて印刷しては?」
現場リーダー「ファッ!?」
なんてことがありました。製造業だと、
「加工中の製品に製造指示書を必ず添付して流動すること。」
といったルールがあることも。
これは過去にまとめて印刷して加工中の製品に、入れ違いになった製造指示書を
添付したことで品質トラブルが発生し、その対策になっているケースが多いです。
品質トラブルの再発防止として、下記のルールが決められます。
「製造指示書は必ず一枚ずつ印刷し、現品に添付する事」
今回は、ベンダの担当者が変わったことで、現場の運用に関する知識が
引き継がれておらず、想定している印刷機能にずれがあったケースでした。
課題
- まとめて印刷すると、現物と製造指示書を取り違えて品質トラブルになる
- 品質トラブルを避けるためにも、プリンタからの即時発行機能が必要
- ベンダSEは運用を知らないので、機能の必要性を理解していない
対策
- ベンダSEに現場の運用ルールとそのルールになった経緯を説明
- 実際のPC操作の手間を理解してもらう
ちなみに、変更後のように即時発行するためには、どの端末であれば
どのプリンタから印刷するか?といった設定を帳票ごとに設定する
必要がありますので、帳票ソリューション導入とそれに合わせた機能変更となります。
もう一度同じことをするなら
事前にベンダの想定している印刷機能についてヒアリングし、現場がその機能で
運用できるか確認しておくべきでした。
紙での即時発行とPDFファイルのダウンロード機能は工数が全く違うので注意。
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