チーム開発をするために必要だと感じたこと
この記事について
この記事は、O’REILLY発売のTeam Geekという本を読んで、チーム開発をする上で意識しておくべきだ、と学んだことをアウトプットする記事です。
今後チーム開発に臨む人にとって少しでも助けになれば幸いです。
TL;DR
チームで開発する上で、以下の2点を意識すると良い
- HRT(謙虚・尊敬・信頼)を大切にすること
- 素晴らしいチーム文化を大切にすること
チーム開発で意識すると良いことについて
HRTを実践する
HRTとは、Humility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)の3つの単語の頭文字です。
Team Geekでは、この3つを柱とすることで、大抵の問題は解決でき、理想的なチーム開発環境を作り出すことができる、と紹介されています。
そんな素晴らしいHRTの詳細は以下のようになっています。
Humility (謙虚)
世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。
Respect (尊敬)
一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を一人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。
Trust (信頼)
自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば、仕事を任せることができる。
Team Geekでは、HRTを実践する一つの例として、間違い・能力不足を素直に認めることが紹介されています。
間違い・能力不足を素直に認める、ということを具体的なものにすると、以下のようになります。
- 謙虚さを見せる。
- 説明と責任を果たす
- 他人の意見を信頼する
これにより、みんなからの尊敬を得ることができ、長期的には立場を向上させる、と記されていました。
素晴らしいチーム文化を大切にする
チームの文化が、チームのコードを作り出します。
そのため、チームの文化を大切にすることは、素晴らしいコードを作り出す環境を守ることにつながります。
では、どのようなチーム文化が素晴らしいのでしょうか?
以下に、Team Geekで紹介されていた、素晴らしいチーム文化を示します。
合意ベースのチームであること
ここでの合意とは、チーム全員がプロダクトの成功に強い責任を持ち、リーダーがチームの意見に耳を傾けることを意味します。
チームメンバーが、明確な意思決定をせず自然な成り行きに任せるものではありません。
個人のエゴをなくすこと・チームのエゴを大切にすること
日常生活で個人のエゴを持つことは大切かもしれませんが、チーム開発において個人のエゴというのはノイズになるかもしれません。
チームには、それぞれ、チームのルール・ノウハウ・方針などがあります。個人として不服なものであっても、チームで開発する上では、集団に合わせる必要があります。
また、自信を持ちすぎると、なんでも知っているかのような印象を与えてしまうかもしれません。
あくまでも謙虚さを持ってチームに参加することが大切です。
ミッションステートを作ること
ミッションステートとは、チームの方向性を定義して、プロダクトのスコープを決めることです。やることのみではなく、やらないことをを決めることが大切です。
ミッションステートを書くことによって、メンバーとの認識の違いを明らかにして、プロダクトの方向性を統一することができます。
環境やビジネスプランに変更が入れば、ミッションステートも変更する必要があります。この時に、ミッションステートが邪魔な存在とならないように注意する必要があります。
ミーティングのルールを作ること
Team Geekでは、ミーティングのルールとして以下の5点が述べられています。
- 絶対に必要な人だけ呼ぶ
- アジェンダを作ってミーティング前に配布する
- ミーティングのゴールを達成したら、時間内でも終了する
- ミーティングを順調に進める
- ミーティングの開始時間を強制的に中断される時間(お昼休みや終業時間)の前に設定する
これに沿ってミーティングを行うことで、メンバーの時間を効率化することが出来るようになります。
会話を残す
仕事の会話をDMでする、ということはなるべく避けた方が良いです。
Team Geekでは、メーリングリストなどを使用して会話することが推奨されています。(最近のものだと、Teams, Slackなどが当てはまると思います)
開発上の悩みの相談をログとして残しておくことで、後日同じ悩みを持った人が簡単に調べることが出来るようになります。
これは相談時間の短縮にもつながり、開発速度を向上させます。
人間関係の寿命は、プロダクトの寿命より必ず長生きする
最後に、Team Geekを通して最も響いた言葉を紹介します。
それが、「人間関係の寿命は、プロダクトの寿命より必ず長続きする」です。
チームは、プロダクトを一つ作り終えて終わり、ではありません。プロダクトを作り終わった後に、保守運用の作業があったり、新しいプロジェクトをすることになったり、あるいはチームメンバーと退職後も飲み会に行ったりするかもしれません。
私自身、素晴らしいコードを書くために、HRTの実践・チーム文化を大切にする、などを実践することを通して、チームメンバーとの人間関係も大切にしていこう、と胸に刻みました。
まとめ
本記事では、Team Geekで紹介されているチーム開発について、いくつか内容を抜粋しました。
チーム開発をする上で、HRTを実践し、チームの文化を大切にすることのメリットが少しでも伝われば幸いです。
読者の皆様の今後のチーム開発が、少しでもより良いものになることを願っています。
また、繰り返しになりますが、本記事はO’REILLY発売のTeam Geekの内容を抜粋・まとめたものになります。興味が湧いた方は、手に取って読んでみてください。
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