評価のギャップから紐解く、「評価軸」と「ソフトスキル」の重要性
はじめに
突然ですが、皆さんは「評価」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
以前の私は評価というものに対して、漠然とした違和感を持っていました。
設定した目標に対し、作成した Pull Request やドキュメントを見返し、工夫した点や成果をなんとか絞り出すも、それ以外の働く中での行動として良かった点で特に書ける事がなく、毎度場当たり的に自己評価を行なっていました。
そして、上司からの評価として現在のグレードの役割は果たせてはいる(と思っている)が、次のグレードとのギャップを埋めることができず、いつしかその環境の中で昇進することを諦めるようになりました。
この記事では評価の中で感じたギャップに向き合い、何が評価への違和感だったのかを紐解き、そこから見えてきた「評価軸」と「ソフトスキル」の重要性について紹介します。
私の立ち位置と担当業務
本題に入る前に、参考までに私の立ち位置や担当業務などを記載します。
- 30代中盤
- フロントエンドエンジニア
- 役職はなく、いちメンバー
- キャリアに漠然と不安がある
- スペシャリストではなく、どちらかと言えばジェネラリスト
- 担当業務
- フロントエンド開発業務
- 社内向け管理画面では UI 設計
- エンジニア採用のリクルーティング
- 要件定義や仕様作成、ワイヤーフレーム作成
評価軸の不在が生むギャップ
前職では評価のギャップに苦しんでいました。そこでは約4年間、フロントエンドエンジニアとして業務に取り組んでいたものの、次のグレードに上がることはなく、給与テーブルも大きくは変わりませんでした。組織全体で見たときに「次のグレード水準に満たしていない」と判断されていたのです。
その反面、同じチームで働くメンバーからは一定の評価をもらえることもあったため、「上司から評価が不当に低い」という気持ちが少なからずありました。
今振り返ってみると、自分の働き方や成果を評価軸に照らし合わせることはほとんどなく、「与えられたタスクをこなせば評価されるはず」という思考の元、作業している感を味わい、ただひたすら日々の業務に集中するだけのものでした。自分が影響を及ぼす範囲も限定的なものだったように思います。
そもそも何をすれば評価されるのかという評価軸がよく分かっていない状態で、組織で働く上での行動指針を持っておらず、たとえ良い評価を得たとしても再現性が低い状態でした。これが私が感じていた、評価に対する違和感の正体でした。
2つの評価軸
転機は、現在の上司との1on1でした。これまでの働き方に対して率直なフィードバックを受けたとき、自分の成長が良くも悪くも作業者で止まってしまう可能性に気づかされました。その後、上司と一緒に自分に求められる働き方について時間をかけて擦り合わせていきました。
その中で見えてきたのは、次の2つの評価軸です。
- チームや組織への貢献
- インパクトの大きい課題の発見と解決
これらの軸が示すのは、個人のタスクをただ消化するだけではなく、視座を高め、チームや組織に貢献することが成果の最大化につながるということです。また、大きなインパクトを生む課題に取り組むことで、より効率的にプロダクトや組織の成長に貢献できると理解しました。
書いてみると当たり前のことですが、評価軸を認識したことで、過去の自分の行動が期待値と大きなギャップがあることに気付かされます。
ソフトスキルの重要性
評価軸を理解したところで、ソフトスキルの重要性を強く感じるようになりました。
チームへの貢献を考えたとき、例えば、問い合わせ対応やデイリースクラムの司会進行といった、コミュニケーション能力や課題解決能力、ファシリテーション能力などのスキルが求められることに気づきました。
まずは普段の業務の中で出来て、即効性のありそうなものから着手することにしました。
例えば、実際には下記の取り組みを行っていました。
- デイリースクラムの司会進行
- 開始前に議題を確認し、論点は何なのか、考慮すべき点などを事前にイメージする
- 上記についての言及なければ尋ねてみる
- ドメイン知識も必要になるため、即効性は効きづらい部分ではあった
- 開始前に議題を確認し、論点は何なのか、考慮すべき点などを事前にイメージする
- 社内向け管理画面の開発
- 運用メンバーとの雑談ベースで業務のペインをヒアリング
- 改修コスト低く、オペレーション工数削減やヒューマンエラー防止の実現できた
- 直接会話すると「そこがつらかったのか」「それはすぐ直せる」みたいなものが意外とあったりする
- やる・やらないを含めて自分で意思決定することは思考のトレーニングになる
- 運用メンバーとの雑談ベースで業務のペインをヒアリング
- エンジニア採用のジョブディスクリプション改善
- 社内リソースが限られていたため、なるべくボールを拾いに行く
- その流れで「じゃあ別媒体もスクリーニングやってみて」と、良い循環を生み出せた
- 社内リソースが限られていたため、なるべくボールを拾いに行く
成果として与えるインパクトは小さいものですが、そこから更に「これもお願いします」と、次のストレッチへと繋がっていくことは素直に嬉しいですし、モチベーションに繋がります。
おわりに
プロダクト開発する上で、ハードスキルだけでなく、ソフトスキルも私たちの働く上での強みになります。
改めて振り返ってみると、自己成長のために重要だと感じたポイントは次の2つです。
-
評価軸を認識する
- 何をすれば評価されるのかを知ることは、自分の行動を振り返り、成長を促すための重要な指針となる
-
今の役割でチームや組織に貢献できることを考える
- 大きな変化を求める必要はなく、まずは小さなことから取り組むこと
前職での働き方を振り返ると、求められていた期待値と成果が擦り合っていなかったため次のグレードに上がれていないのも当然でした。ようやく当時の評価を正しく理解できたことは、小さな成長だと思いたいものです。
この記事が、私と同じように評価に悩んだ経験を持つ方々にとって、何かしらのヒントになり、良い循環を生み出すきっかけになれば幸いです。
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