Amazon LightsailでWordPress環境を立ち上げる
なぜやるのか
(ほぼ)新卒で入社したWEB制作会社時代、私はWordPressサイトをゴリゴリと作っていました。
当時はさくらサーバーやXserver等のレンタルサーバーが主流で、入社3年後にはWEBの現場から離れてしまい、それから今までクラウド環境を知らないエンジニアとして過ごしてきました。
さすがにそろそろAWSの一つでも触っておこうと思い、ハードル低く試せるサービスはないかと探したところ、Amazon Lightsail を見つけました。
どうやらWordPress環境も簡単に構築できるようなので、そのまま自分のポートフォリオサイトも作って公開できるかもという期待も込めて、試しにインスタンスを立ち上げてみることにしました。
対象読者
- AWSアカウントを作っただけになっている人(私)
- レンタルサーバーしか使ってこなかったWEB業界の人
- スモールスタートでWEBサイトを公開したい人
Amazon Lightsailとは
LightsailはVPS(仮想プライベートサーバー)を構築できる、AWSが提供しているサービスの一つです。
数クリックでサーバーとアプリケーションを立ち上げることができます。
小規模なアプリケーションやWEBサイトの公開に適しています。
LightsailでWordPress環境の構築
それでは本題であるLightsailでWordPress環境を構築する作業に入ります。
Lightsailのコンソールへアクセス
まずはAWSにログインしてコンソールにアクセスし、「Lightsail」と検索してLightsailのサービス画面にアクセスします。
インスタンスの作成
続いて「インスタンスの作成」ボタンをクリックします。
インスタンスの場所、インスタンスイメージの選択
場所=リージョンは、データセンターがある地理的な場所を指します。
日本語サイトを日本人向けに公開するのであれば「東京リージョン」を選択しておけばOKです。
インスタンスイメージについては、「プラットフォーム」と「設計図(🤔?)」を設定できます。
今回、プラットフォームは「Linux」、設計図では「WordPress」を選択します。
(マルチサイト用のイメージも用意されてるんですね!)
プランの選択
サーバーの容量やメモリ等のスペックを選択します。スペックが上がればそれだけ月々の料金も上がります。
今回はお試しなので、一番低スペックのプランを選びました。
「1TB転送」と記載がありますが、このデータ転送枠を超えた場合、LightsailインスタンスのパブリックIPアドレスを介してインターネットまたはAWSリソースに送信されたデータに対してのみ、追加課金が発生します。
ちなみに「デュアルスタック」の隣にグレーアウトされた「IPv6のみ」のプランがありますが、WordPressを選択した場合は互換性がなく、利用できないようです。
(IPv6は3.5USDから利用できるので、より低価格なのですが...)
低い方から3つのプランは90日間無料で使用することができます。
私みたいなお試し目的の人にはありがたいですね。
インスタンスを特定
そして最後に任意のインスタンス名を入力して「インスタンスの作成」をクリックすれば、インスタンスの立ち上げ作業は完了です。
ひとまずお疲れさまでした!簡単でしたね!
静的IPの取得
ただインスタンスを作成しただけだと動的IPが設定されているため、インスタンスの再起動等に備えて静的IPを設定しておきます。
作成したインスタンスをクリックして、設定画面に移ります。
「ネットワーキング」タブを選択して、「静的IPをアタッチする」をクリックします。
これでOK。
WordPressサイトを開いてみる
まだドメイン設定をしていませんが、IPアドレスの状態でWordPressサイトにアクセスしてみましょう。
以下アドレスをクリック。
http://<アタッチされた静的IPアドレス>
するとWordPressサイト(初期テーマ)が開きます。
ちゃんとしたWEBサイトとして公開するならドメイン設定やHTTPS化など色々やらなければいけませんが、一旦LightsailでWordPressサイトを立ち上げるという目標は達成できました。
Lightsailはインスタンス作成時のガイドに沿って必要な情報を入れていけば簡単にサーバーを構築できるので、クラウド環境に慣れる1歩目としてはとてもよいですね。
補足:Amazon EC2との比較
同じく仮想サーバーを構築できるサービスとして「Amazon EC2」がありますが、以下の違いがあるようです。
比較項目 | Amazon Lightsail | Amazon EC2 |
---|---|---|
概要 | 個別パッケージを提供する簡易VPS(仮想プライベートサーバー)サービス | 柔軟な構成とスケーリングが可能な仮想サーバー(インスタンス)構築サービス |
料金形態 | 月額固定制で料金が予測しやすく、初心者にも扱いやすい | 従量課金制。使用量に応じた支払いで、柔軟なコスト設定が可能 |
機能構成 | Firewall、スナップショット、DNS管理、ロードバランサー、各種スタック(WordPress等)などがパッケージ化 | コンピュート機能のみ提供。ストレージ・DB等は S3 や RDS など個別AWSサービスとの組み合わせが必要 |
柔軟性・拡張性 | 限定的。パッケージベースのためカスタマイズには制限あり | 高い。インスタンス種類や構成、他サービスとの連携など自由度が高い |
停止時の課金 | インスタンス停止中でも課金され続けるため、長期停止時はスナップショット作成後削除が必要 | 停止中は課金されず、費用を節約できる |
スケーラビリティ | スタートアップや小規模向けに最適。テンプレ構成で手軽に開始できる | 大規模・高負荷運用にも対応。オートスケーリングや多数のインスタンスタイプが利用可能 |
移行のしやすさ | EC2 への移行が比較的容易。スナップショットから AMI を作成して移行可能 | —(通常はEC2が最終環境) |
ユースケース | 簡単なWebサイト、WordPress、開発・テスト環境など、初心者向けや少規模向けに最適 | エンタープライズ用途、ビッグデータ、高トラフィックなワークロードに最適 |
アクセスが増えてきたりしてLightsailがきつくなってきたらスケーラブルなEC2に移行するというのも可能です。
LightsailからEC2へアップグレードする機能も公式が用意してくれてるみたいですね。(手順としてはスナップショット作成→EC2にエクスポート、って感じです)
状況に合わせてホスティング先を簡単に切り替えられるのはありがたいですね。
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