キースイッチレビュー1: BSUN Raw Linear
はじめに
打鍵動画
この記事を書いている間の打鍵音をアップロードしています。
ゆったりと記事を読みながら打鍵音を楽しんでみてください。
基本スペック
基本的には以下の通りになります。
直近のトレンドによくありがちな構成に見えつつも、随所にクセを感じさせるような性能をしたスイッチになっています。
Bsun RAW Linear Switch 5pins
- スイッチタイプ: リニア、潤滑済み
- ボトムアウト: 60.0g
- スプリングの長さ: 21.0mm
- スプリングタイプ: シングルステージ
- プレトラベル: 2.0mm
- トップハウジング素材: PC
- ボトムハウジング素材: ナイロン
- ステム素材: UMPE
- トラベル: 3.4mm
ルブの種類は不明ですが、最近の BSUN の傾向から見るのでおそらく 205 と 105 の混合ルブが使用されていると推測します。
Geon Raw シリーズとは
韓国のカスタムキーボードベンダであるGeon Worksが各スイッチのマニファクチャに発注をし、そのマニファクチャの生(つまり本気?)を比較しようというスイッチ(のようです。)
そのためか、各社ともどのスイッチも完成度が高く、それぞれ明確な特長をもったスイッチです。
その中でも今回は、韓国で絶大な人気のためか、唯一在庫僅少なBSUN Rawスイッチを購入しました。
他のスイッチはそれぞれ 100 個単位でも普通に買えるくらいには在庫があるので、まだ十分な在庫があるように思えます。
また来月(2023.08)にも新しくいくつか Raw シリーズに追加されるみたいで、いまから少し楽しみに待っています。
Raw シリーズは価格は$0.4 から$0.5/1pcs で、無難な値段帯な部分も個人的には優秀だと感じます。
外観
写真の通り、ステム、ハウジングともに乳白色になっています。
Raw シリーズに共通しているのかわからないのですが、どのスイッチもなぜかキメラスイッチを思わせるデザインに感じますが、これは私だけでしょうか。
また、刻印はマニファクチャが BSUN ですので、BSUN
と彫られているのがわかります。
ファクトリールブなので、今回は開ける予定がありませんが、可能であれば後日、画像を追加する予定です。
音(スイッチ単体)
なんといっても、自分が見てきたなかでも 1, 2 を争うレベルのロングステムであることにより、底打ちの音がかなり目立つ部分でしょう。
私がこれまでに聞いたスイッチの中でも、その音はかなり大きい部類に入ります。
所持している方は、moyu.Studio Poseidonをルブしてみると比較的近い音だと思います。
Poseidon と比較すると、一番の違いは明らかにノイズが少ないという点です。
とくに、スプリングの Pingy 音は明確にないと言えるでしょう。
弾いたときの戻りの音や、戻りを抑えながら底打ちで叩いたときの音も、現在のスイッチのトレンドに合った音がします。
音(取り付け)
スイッチを単体で叩いたときから予想していましたが、やはり音はかなり大きいです。
とくに柔らかめのマウント方式で、少し硬め(FR4 など)のプレートの場合は、なおさら大きく感じるかもしれません。
跳ねる感じのキーボードだとだいぶ音が大きくなりやすいです。
音を重視してスイッチを選びたい方にとって、このスイッチは間違いではないでしょう。
いわゆるコトコト系でありながらも、HP 系のスイッチを 205g0 でルブしたときのようなマイルドな低音が効いている印象です。
ただ、Thock な音ではないため、そこだけは注意してください。
あくまで Clack と考えてください。
また、スプリング、ステム、ハウジングと全体的に優秀な潤滑のためか、偏りやペチャリの音はないです。
その価格を考えると、全体的に優れた音質を持っていると私は感じています。
打鍵感
全体的に軽快な打ち心地です。
あまり似た傾向のスイッチを見たことがないために評価に少し困りますが、比較対象として入ってくるのは Durock Black Lotus でしょうか...?
そもそも少しタイトなため、先頭のつまりがあるように感じますが、それでも Durock Black Lotus ほどではなく、またそれによってかかる横からの圧もそこまで大きくないように感じています。
また、タイト系のため実際のスプリングの重量より重いと感じる方は多いと思います。
このスイッチの実力を引き出すことを考えると、軽いスプリングに変更することはあまり得ではないと思います。
滑らかさの観点から見るとですが、潤滑剤がおそらくオイル系のものなのか、同じ BSUN の BSUN Roselle と比較すると、お世辞にもあまり滑めらかという感覚はありませんが、実際の打鍵で使用するにあたってはそこまで気になるレベルのものではありません。
総評
スイッチのクォリティや、求められている領域がこの 2, 3 年で上がってきており、その間に BSUN は鳴りを潜めていた印象があります。
自分もおそらく BSUN Raw の話を耳にしなければ、ほとんど忘れていましたが、最近のリニアではかなりアツいと個人的には思っています。
比較的安価で、打鍵感や音も、十分なクォリティですが、現状では Geon Works 以外で日本国内だと入手が現実的でないという部分がネックになると思います。
また、韓国国内での人気が高いためか、在庫の確保に難があります。(2023.07.29 現在)
後者に関しては韓国の Geon Works のストアには再入荷されていたのでそのうち入るので解消するとは思います。
...が、前者に関しては...Basekeysさんが扱ってくれることを祈るくらいでしょうか?
以上で雑スイッチ解説を終わります。
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