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ACLの設定方法

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1.そもそもACLって何?

ACL(Access Control List)は、Ciscoルーターやスイッチでトラフィックを制御するためのリストです。
特定のIPアドレスやポート番号に基づいて、パケットを「許可」または「拒否」するルールを定義します。

ACLには主に以下の2種類があります:

種類 説明
標準ACL 送信元のIPアドレスのみで制御
拡張ACL 送信元・宛先IP、ポート番号、プロトコルなどで詳細に制御可能

2.ACLの設定方法(Cisco機器)

2.1 標準ACLの設定例

1  Router(config)# access-list 10 permit 192.168.1.0 0.0.0.255
2  Router(config)# interface GigabitEthernet0/0
3  Router(config-if)# ip access-group 10 in
  • access-list:標準ACLの番号(1~99)
  • 192.168.1.0 0.0.0.255:許可する送信元のIP範囲(ワイルドカードマスク)
  • ip access-group 10 in:インターフェースの「受信方法」に適応

2.2 拡張ACLの設定例

1  Router(config)# access-list 100 permit tcp 192.168.1.0 0.0.0.255 any eq 80
2  Router(config)# interface GigabitEthernet0/1
3  Router(config-if)# ip access-group 100 out
  • access-list 100:拡張ACLの番号(100~199)
  • tcp:プロトコル指定(tcp/udp/ipなど)
  • eq 80:宛先ポート番号(ここではHTTP)

3.よくある間違い

ルールの順序を意識しない

ACLは上から順に評価され、最初にマッチしたルールが適応されます。
そのため、より具体的なルールを上に書く必要があります。

暗黙のdenyを忘れる

ACLの最後には** 暗黙の「deny any」 **が存在します。
明示的に許可しないトラフィックはすべて拒否されるため、必要な通信を忘れずに許可しましょう。

インターフェースの方向を間違える

ACLはin(受信)とout(送信) のどちらに適応するかで動作が変わります。
トラフィックの流れを正しく理解して設定しましょう。


4.まとめ

  • ACLはCiscoネットワーク機器での基本的なセキュリティ制御手段
  • 標準ACLは送信元IP、拡張ACLはより詳細な制御が可能。
  • ACLは順序・方向・暗黙のdenyに注意して設計・設定することが重要。

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