地域エンジニアコミュニティ参加のすゝめ
はじめに
エンジニアになるとconnpassなどの勉強会やカンファレンス参加やOSS活動というものを業務時間外で取り組む方も多いのではないでしょうか?
その中で地域エンジニアコミュニティへの継続的な参加というのも1つの選択肢としてあるので、自分の体験談を踏まえながらその良さをお伝えできればと考えています。
エンジニアの勉強会参加へのモチベーションと悩み
エンジニアがconnpass等で開催される勉強会に参加するにあたり、大きく以下の目的があると自分は考えています。
- 自身の登壇の場として利用する。
- 技術の学びの場として利用する。
- 社外のエンジニアとの交流の場として利用する。
私の場合は、上記のうち、「自身の登壇の場として利用する」と「社外のエンジニアとの交流の場として利用する」が目的として多いのですが、特に後者については、以下の点を感じていました。
- その場限りの出会いになりがち。
- 人数が多いと話せない人が多い。
また、多くのエンジニア向けイベントや勉強会は都内で開催されることが多く、参加にはいくつかのハードルも感じていました。
自分が都内で働いていることも理由として挙げられます。
- リモートワークの日は都内への移動が重い。
- 懇親会などに参加すると終電を気にしないといけない。
といった物理的な距離や終電の壁があり、どうしても足が遠のいてしまうことがありました。
また、大規模なカンファレンスに参加しても、社内のメンバー以外の顔見知りが少なく、どこか「ぼっち感」を感じてしまう瞬間がありました。
参加自体は楽しいけれど、誰かと感想を共有したり、議論を続けたりするのが難しいと感じていました。
地域エンジニアコミュニティという「解決策」
そんな中で参加し始めたのが「地域エンジニアコミュニティ」でした。
実際に参加してみると、抱えていた悩みが解消されるだけでなく、それ以上のメリットもありました。
まず、開催場所が自宅から近い(自分の場合は柏など)ため、物理的な負担が圧倒的に軽いです。
終電を気にせず懇親会に参加できたり、リモートワーク後でも気軽に参加できたりします。生活圏内だからこその「通いやすさ」は、継続的に参加する上で非常に大きな要素です。
また自分が今年参加した地域エンジニアコミュニティは以下のコミュニティです。
- Kashiwa.rb
- 東葛.dev
どちらのコミュニティもSlackとDiscordというコミュニケーション手段があるので、勉強会が継続されていない時でも技術や近所の飲食店やイベント等の情報交換することで、継続的にコミュニケーションできるというのも重要だと感じました。
エンジニアコミュニティは主催者の熱量で簡単に活動が消滅することも多いので
運営や主催がなるべく頑張りすぎず、コミュニケーションや飲み会などは定期的に行うくらいのほうが気軽でよいと感じています。
以下は東葛.dev主催のkounoさんが登壇された資料ですが、頑張りすぎない、やらないことを決めるというのは本当に大事ですね。
地域エンジニアコミュニティの参加で達成できたこと
Kaigi on Rails 2025の登壇
私が地域エンジニアコミュニティに初めて足を運んだのは、Kaigi on Rails 2025のプロポーザル(CFP)を準備していた時期でした。
テーマは決まっていて、社内でも何度かレビューを受けていたものの、「社外の目から見て伝わるかどうか」がどうしても不安でした。
そんなとき、同僚に「Kaigi on Rails 2025に向けて考えているプロポーザルの壁打ちができるよ」とKashiwa.rbを勧めてもらいました。
柏は自宅から近く、壁打ち発表できるという感じで、当日、主催のkozyさんをはじめとする参加者の方々は、初参加の私を自然に受け入れてくれました。
登壇の合間に雑談を交えながらも、私の発表内容に丁寧なフィードバックをくださり、
「外から見たとき、事例発表を丁寧にやるとユニークな発表になる」といった具体的なアドバイスをもらいました。
その言葉をもとにプロポーザルを修正して、提出したところ、最終的に採択されました。
OSSコントリビュート
Kashiwa.rbに通うようになってしばらくして、飲み会で「東葛.dev」というコミュニティを紹介してもらいました。
東葛.devは、千葉県の東葛地域(柏・松戸・流山など)を中心に活動する、言語や職種に縛られない地域エンジニアコミュニティです。
普段はDiscordなどで地域の飲食情報やエンジニアとしての雑談などをしています。
ある日、私はDiscordの雑談の中で「OSSにコントリビュートしてみたくて、修正方法はわかるのだが、issueの書き方とかお作法的なところがよくわからない」と相談しました。
東葛.devにはカンファレンスの登壇経験やOSSの定期的なコントリビュートをされている方がかなりおり、以下のようなアドバイスをいただきました。
- 基本的にはCONTRIBUTING.mdにまとまっているのでそれを見に行くのでそちらに従っておけば間違いない。
- 翻訳修正とかtypo、バグ修正→issueの起票とPull Requestの同時並行でよさそう。
- 新たな機能の提案などはissue起票で合意を取ってから、作業に入るとよさそう。
そのアドバイスをもとに、業務で当時使っていたDifyというノーコードツールの小さな翻訳修正から挑戦してみたところ、数日後にPRがマージされました。
その後のプラグインのパッチバージョンを上げたりなどいろいろできたので、非常に良い経験ができたと感じています。
マージしたPull Request
おわりに
地域コミュニティに参加する最初の一歩は、本当に小さなもので構いません。
近くで開かれている勉強会を覗いてみるだけでも構いません。
私の場合、それがKashiwa.rbでした。
そこから東葛.devに広がり、登壇やOSSコントリビュート、
そして同じ地域で働く仲間との出会いにつながりました。
エンジニアとしての世界は、オンラインでも広げられます。
でも、オフラインで何度も会うことで構築できるネットワークもあります。その場として地域エンジニアコミュニティに参加することはとてもいい一歩だと考えています。
この記事を読んだ方が地域エンジニアコミュニティの参加(あるいはコミュニティ自体を作る)という行動につなげていただけると筆者としても嬉しいです。
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