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高専進学を検討中の方へ
はじめに
- 私は2022年に和歌山高専の電気情報工学科に入学した
- 学校選びの際に地元の高専という理由と、学科名、オープンキャンパスの内容でのみ進学してしまった
- その後学びたいことが学べないことを知る
- そのため自分に合った高専を調べ、その高専に転校を試みるも断られる
- 現時点(2023/02/18)で成績はクラスで1位、専門分野の国家資格なども取得している
- しかし転校は断られた
- 私が転校しようと思った学校、学科は情報系である
- 昨今情報系の人気が高くなっているため、特に転校、転科は難しくなっている
- つまり高専へ入学してから転校したいと思ってもなかなか難しいかもしれないということ
- このような経緯から、自分に合わない高専へ進学する人が減ればよいと思い記事を書いた
- 注意してほしいのは、この記事は決して和歌山高専やその他高専を侮辱しているわけではない
- ただ僕が学びたいことと、僕が入学した高専が教えていることが違っただけである
- またこの記事を読んで進路を決定したが、後悔したとしても一切責任は負わない
- あくまで参考程度で読んでいただきたい
- 最後に決めるのは結局自分です...
- 一人でも多くの方が、自分にあった学校に進学できるように願っている
読書対象者
- 漠然と高専に進学しようとしている方
- 高専に進学することを視野に入れている方
全体の流れ
目次
高専に進学するべきかどうか
- そもそも高専に進学するかどうかで悩んでいる人へ
- 高専に向いている人と向いていない人を紹介する
高専に向いている人
- やりたいことが決まっている人・興味のある分野が決まっている人
- 更に学ぶことへの信念が強いことがあればなお良い
- 普通に高専生活を送っていても学びたいととを学べることが少ない(授業だけでは最低限の事しか教えてくれない)
- サークルや部活などに入ったり
- コンテストに出場したり
- 教授などの教職員と何らかの関りを持っておくことは重要
- 工学に興味がある・好きな人
高専に向いていない人
- 親や周りの人に勧められたから
- 学びたいこともないのに何となくで進学しない
- 自分で決めたならまだしも、他人のせいで興味がない勉強を強いられるのはとてもきつい
- 就職率が高いから
- 就職率は高いが給料が高いとは限らない
- 就職先が限られてしまう
- 高専は専門分野を学ぶため、専門分野以外の就職先に就職しづらい
- 就職先の選択肢を狭めてしまう
- 何がしたいのかわからない人・工学に対して興味があまりない人
- 専門分野を確定させてしまうため高専に進学すると選択肢を狭めてしまうことに繋がる
- 仕事も専門分野関連のため、興味のない(面白くもない)仕事を続けないといけない
- 偏差値が高いから
- Webサイトを見ていると高専が比較的偏差値が高いと紹介されている場合があるが、必ずしも高専生が日頃から勉強しているわけではない
- どちらかというとテスト前に詰め込んで勉強する人が多い印象
- 進学できればよい(留年しなければよい)という考え方が一定数存在するというのも事実
- とりあえず偏差値の高い学校に行きたいなら、普通高校を進学するべき
高専選びで重要なこと
- 地元の高専という理由だけで進学する高専を選ばないこと
- 高専は全国に51校ある(2023年時点)
- また高専には寮があるため、家から高専まで遠くても進学することができる
- 学びたいことが学べる高専を選ぶこと
- 自分の学びたいことが学べる高専を全国にある高専から選ぶ
- オープンキャンパスの情報を鵜呑みにしないこと
- オープンキャンパスや学校説明会では誇張して説明されることがある
- 情報を鵜呑みにしてはいけない
- 学科名から学べることを推測しないこと
- 電気情報工学科という学科名があったとする
- しかし名前と違って、電気系を中心に教え、情報系を学ぶことができないなどがあるので注意
- 偏差値だけで選ばないこと
- 偏差値よりも学べる内容を重視すること
高専の選び方
- 学びたいことを明確にする
- 学びたいことが学べそうな高専を、全国高専から抽出する
- 文部科学省がまとめている以下のサイトが参考になる
- 各高専の情報を集める
- 高専機構(全国の高専をまとめている組織)のイベントに参加する
- イベントがまとめられたサイト
- 参加した方がよいイベント(どちらも全国の高専が出展する)
- KOSEN FFS
- KOSEN FAIR
- 抽出した高専に学びたいことを教えることができる教授がいるか調べる
- 高専の先生方がまとめられたサイトが参考になる
- 国立高専研究情報ポータル
- 上記のサイトの詳細検索機能を使用し、研究分野を指定して該当する教授を探す
- 非常勤の方や、講師などの方も含まれていることに注意
- 高専の先生方がまとめられたサイトが参考になる
- この時点で気になる高専を数個に絞る
- 気になる高専のオープンキャンパスや学校説明会に参加する
- 学びたいことが学べるかの確認をする
- 提示される情報を鵜呑みにしない
- 現役学生から個別に聞いた話は信頼度が高い
- 一つの高専に絞る
- これらの全てのデータを考慮し、一つの高専に絞る
ワンポイント アドバイス
- 高専の学校には複合学科と呼ばれる制度を設けている学校がある
- 複合学科とは専門分野を決めず入学し、おおよそ1,2年生の間に多分野の工学を学んだ後、2年次又は3年次に自分の好きなコースを選ぶような学校である
- 工学が好きだが、どの専門分野が好きなのかが現時点で決まっていない場合は複合学科を受験するのも選択肢である
- 注意としては2年次又は3年次に選べるコースは学校ごとに事前に決まっているので、よく確認すること
高専入学後の注意点
- 充実した生活を送るためのアドバイスを記す
- イベントなどに積極的に出席する
- 学生時代にしか取り組めないイベントも数多くある
- 部活やサークルに入り、コンテストなどに出場する
- 目標を持って取り組むことが大切
- 複数人でチームを組むと、モチベーションの維持につながる可能性がある
- 周りに流されない
- 周りには高専に入学しただけで満足する学生がいるが、その学生たちに流されてはいけない
- 入学前から考えていた目標や学びたいことを貪欲に学ぶ
- 途中で目標は変わっても良いと思う
高専入学後の進路変更
- 高専入学後に学びたいことが学べないと気づき、環境を変えたい場合があるだろう。進路の変更手段として図にある通り、大まかに5種類の選択肢がある
- あくまで図の学年の振り分けは大まかなもの。転校や転科などは受け入れ先の意思によって判断される
- どの進路変更についても、早い段階で担任や学生課などと相談、連携することが大切
- 転科
- 所属している高専の中で、別の学科に移ること
- 転校よりも成功率は高い
- 多くの高専で3年生まででしか転科を実施していないイメージ
- しかし受け入れ先の学科が留年生が多かったりすると受け入れてもらえない
- 転校
- 所属している高専ではなく、別の高専に移ること
- 転科よりも難しい
- 中学校から高専への受験で定員割れをしている学校で、転校という制度が学則などに記載されている場合は、受け入れてもらえる可能性がある
- 定員割れていないとなかなか難しい印象
- そのため人気のある学科への転校は厳しいのが現実
- 私は転校に挑戦し、受け入れられなかった
- その話についてはまた別の機会に...
- 再受験
- 中学生と同じように高専を1から受験し希望の高専に学校に進学すること
- 入学した際に周りの学生よりも1歳年上になる
- 学費などが1年分多くなる
- 編入学
- 4年次編入を募集している高専を受験する
- 大学に進学するつもりなら、大学受験の方が受験回数が減り楽な気もする
- 大学受験
- 普通高校の学生が行うような形で大学受験をする
- 高専生ではなく、大学生になることを意味する
最後に
- 高専選びでミスってしまったという学生は数多くいる
- その中で転科や転校などを希望したが断られてしまったという学生も多くいる
- ただそんな中でも(学べる環境が悪くても)、学びを止めず、独学で学び続け、非常に素晴らしい技術を修得している学生も多くいる
- その中に今回インタビューさせていただいた学生が含まれる
- 最後に言いたいのは、環境が悪かったとしても、そこで諦めてしまえば終わりということ。
- そこで諦めずに学び続け、学んだ経験は非常に価値があるものだと思っている
- 現に私も転校を試み失敗したが、諦めずに勉強を続けている最中である(環境を言い訳に諦めたくない)
- そのため環境が悪くても学び続けている学生を見ると、いつも励まされている
- 今後とも私の活動等を暖かく見守っていただきたい
記事作成者 & 協力者紹介
樫内蒼太朗
- 記事作成者
- 2022年和歌山高専に入学
- 2年次の転校を試みるも失敗
- みんなに一人一人にあった進学先を見つけてほしいと心から願っている
- 現在はセキュリティ分野に興味がある
- 連絡先:Twitter
熊本高専の学生
- 2020年「熊本高専」に入学
- 3年次の転科を試みるも失敗
- 連絡先:Twitter
木佐木君
- 2021年「鹿児島高専」に入学
- 高専適正があったタイプの人
- 学科選択では後悔していない
- 授業外で興味のあることを学習中
- 志望企業が決まっている
- 連絡先:Twitter
Discussion
私は高専5年の者です。
たしかに高専は本気で専門を学びたい人にとっては、1年生の間で学べる専門がしょぼすぎるように感じるかもしれない。しかし5年生までに専門教科が増えていくし、内容も濃くなってくる。この記事を書いた貴方がまだ1年しか高専で学んでいないのにここまで言っていることに違和感を感じた。
貴方は、入学前に明確な学びたいことがあって、オープンキャンパスなどで情報集めて、それが過剰な内容で騙されたというようなことを書いていたが、そんなに明確に学びたいことがあったのなら、学校ホームページにあるシラバスを見たら良かったのではないか?まぁでも入学前の中学生がシラバスというものを知っていることのほうが不自然だが、今の貴方は高専1年を経験しているのだから、その存在を知って当たり前だと思う。シラバスには各授業の内容が細かく記載されている事ぐらいご存知ですよね?本気で専門を学びたい人が学科選びを失敗しないようにこういう記事を書くなら、それを書くべきでは?
また、貴方にとって高専の授業があまり踏み込んだ専門的な内容ではなかったとしても、研究室で研究している内容は、自由で、授業では習わなかったことだらけだ。1年生の貴方からしたら研究室に配属されるのなんてまだ先かもしれないが、自分と同じ専門の先生と1度語り合ったりしたらどうですか?例え1年生でも研究の手伝いなどをやらせてもらえる可能性が充分にあると思います。
最後に、少し攻撃的な口調にはなってしまったが、貴方のように明確に学びたいことがあって、自分から学び難しい情報系の資格をとったりしていることは本当に素晴らしいし、そのくらいのめり込めることがあって、そのための行動力がハンパないことが羨ましいです。実際に話したことがないからわからないが、貴方にコミュ力さえあれば就活でも進学でもやっていけると思います。これからも頑張ってください。
記事を読んでいただき、ありがとうございます。
この点についてですが、この記事は私だけの意見ではなく、以下のような方に協力していただきました。
多くの意見を取り入れたいと思い、いろいろな方に質問をしました。その情報などを基に記事をまとめたつもりです。しかしながら、全国高専生全員に聞いたわけではないので偏りが出てしまうことは仕方がないことだと思っています。そのため貴方のようにフィードバックをしてくれる人の意見をできるだけ多く取り入れたいと思っています。
この点については共感できるため、記事に追記しようと思います。実際、私が転校しようと思い、全国高専で学べることを調べる際にもシラバスを中心に調べました。
更にシラバスだけでなく、モデルコアカリキュラム(MCC)と各高専のカリキュラムを比較することで、各高専を統一した基準で比較できるということも、学んだため記載しようと思います。
私の学校では、私の学びたいことを教えている教授が逮捕されてしまいましたので、専門の分野の方と語り合うことも、研究することも出来ません。しかし一番学びたいことに詳しそうな先生方とは何度もお話しさせていただきました。そのこともあり、1年生ながら、高学年が主に参加するイベント(セキュリティサマー、ウィンター、スプリングスクール、サイバーセキュリティ「トップガン講習会」、その他講演会等)などにも積極的に呼んでいただけるようになりました。
更に所属する高専の先生方だけでなく、学びたい分野の教授ともお話ししたいと思い、奈良高専の教授、高知高専の教授とも対面でお話しさせていただく機会を設けてもらいました。
このようにできるだけ学びたい分野の専門の先生方と語り合おうとしてきたつもりです。また今後もこのような機会を作っていこうと思っています。
ありがとうございます。
高専の高学年になればなるほど、どんどん選択肢は狭くなってきますよ。
また、高校生の年齢で、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に受かる頭があるなら、
高専卒で就職なんて、もったいなさすぎて、有り得ない選択だと思いますね。
かといって、W高専からの大学編入は、かなりの確率で、たいした大学には行けません。
私はかなり昔に、和歌山高専を卒業した者です。
(Twitterにもコメントさせていただきました)
要するに、「電気"情報"工学科」という名前に騙された、ということですよね。
その気持ち、よく分かります。
なぜなら、私も
「環境都市工学科」という名前に騙されたからです。
はっきり言って、この学校は損ばかりでたいしてメリットない、ろくでもない学校ですので、
まだ低学年なら、はやく中退した方がいいと思いますよ。
コメントありがとうございます!
私と同じ境遇を歩み、記事に共感していただき、大変うれしくおもっています。
それと同時に、学びたいことが違うのに高専に入学し、後悔する方が一人でも少なくなればと思っています。
この記事がさらにいろいろな方に届けば嬉しいです!
私自身、くまさんの意見もふまえて、今後の進路等を真剣に考えていきたいと思っています。