『ZERO to ONE ゼロ・トゥ・ワン』ピーター・ティール を読んでる感想

3 min read読了の目安(約3400字

2021年!あけましておめでとうございます!@kaori_choです。
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』を読んでる雑感です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4140816589/

3行まとめ

  • 「賛成する人はほとんどいない、大切な真実」を探し続けろ
  • 難しい本かと思いきや、意外と読みやすい。パラ読み、つまみ読み可能。相応の教養は求められる。
  • それにしてもピーター・ティールすごい多才だなあ

感想

読んでる今日が元旦なので、元旦感のある本を選んでみました。お正月の初詣も分散しろと言われている世の中なので、家で読書っていうのもなかなか良いよね。
ピーター・ティールが、競争の世界で勝ち続け、素晴らしい大学に行き素晴らしい職(法律系のお仕事?)を手に入れる寸前に負けたおかげで、結果PayPalなどのスタートアップで成功する話が印象的だった。「あのまま成功していたら人生が全くちがうものになっていた」系の話は結構好き。
1クールのアニメみたいな本で、目次の各話をそれぞれみても面白い、でも全部を通しで読むともっと面白い系の本っぽい。(今まだ進捗半分くらい)各章話のバラエティがすごくて、これだけでもピーター・ティールという人の幅の広さが伺える。多才だなあ。めちゃくちゃ本も読んでいるようで教養が垣間見える。
めっちゃ余談だけど、本書に「ティールの法則」って出てくるんだけど「ティール組織」と関係あんのかな?って思ったけどどうやら関係なさそう。(ないよね?)ティール組織も読んだことないのでいつか読みたい。

読むと良さそうな人

  • ピーター・ティールをあまり知らない人、興味がある人
  • (起業するかどうかによらず)ゼロイチの仕事の本質を知りたい人
  • 上から言われたマニュアル通りの仕事をしているが、なんとなくモヤモヤしている人

スタートアップや起業の話も多いが、それにに限らず気づきがある本。話題が幅広いので、どんな立場の人が読んでも(私は会社員で今の所企業するつもりはない)どこかに今の仕事を改善するヒントが隠れていそう。

メモ

例によって気になったポイントをメモしながら雑多に語ります。

信念をまげるな

p.64
ものづくりやプログラミングの好きな人は、ひとり淡々とそれに熱中し、卓越した技能を自然に身につける。そのスキルを使う時、普通の人と違ってあまり自分の信念をまげることもない。だから、わかりやすい成功につられて周囲の大勢との競争に捕らわれることもない。

ここはむしろ逆のことが起こっていると思っていて、エンジニアが足りない、でも日本では下請けの仕事としての立場も多く、「良くないとわかっちゃいるけど上がそう言ったらそう作るしかない」状況があると思う。(セブ◯ペイとか記憶に新しいですね)
だから、わかりやすい成功につられて、大勢との競争にとらわれちゃいけないよ、信念を曲げてまでする仕事はないぞ!と新年早々、本書が語りかけてくれたこと、ありがたく受け止めておく。

10倍優れた仕事をする

p.75, p.76
確かな経験則から言えるのは、プロプライエイタリ・テクノロジーは、本物の独占的優位性をもたらすようないくつかの重要な点で、二番手よりも少なくとも10倍は優れていなければならないということだ。

2020年は、色々あったので「もっと働く時間を減らしつつ成果は増やす」にはどうしたらいいかを日々メモ書きして考えていた。この時の私の問の立て方ははじめ「半分の時間で倍の成果を出すには」だった。時給1000円の仕事1時間をベースにすると、30分働いて2000円得るにはどうしたらいいか、という問いだ。でもこれじゃ足りなかった。(余談だけど会社で毎日メモ書きしていて、実践しながらよりよい問いを成長につながると実感している)
10倍優れた仕事をするための正しい問いの立て方は、例えば「2割の力で200%の成果を出すには」だ。(あってる??あってるよね?)別に半分の力で5倍の成果を出すでも、シンプルに今の時間で10倍の時間を出すでも何でもいいんだけど。感覚的に「それができたらおもろそう」なラインを考えるのがコツだと思う。

これちなみに既存のソリューションの改善でもOK、テクノロジーに限らず優れたデザインでも10倍の改善はできると言っているので、昨日読んだOOUI本 にもつながるなーと。OOUIはたしかに10倍改善ができる手法だと思う。

「人生は宝くじじゃない」

p.113
未来をランダムだと見る世界では、明確な計画のある企業はかならず過小評価されるのだ。

この話みて、マザーハウス山口絵里子さんの本が思い浮かんだ。企業当初、かなりバカにされたというエピソードだ。「そんなのは誰もやったこと無い」「だからできるわけがない」周りの大人はみんなそういったと。あー、それのことかと腹落ちした。

ところでこの章、哲学や政治の教養が急に求められる(プラトンとかアリストテレスって久しぶりに聞いた)ので、教養がある人はより「へえ〜」ってなるんだと思う。私は出直す。

「テクノロジーは人を補う」

「人間と機械」というp.194あたりから、エンジニアとしてかなり興味深い話があった。クレジットカードの詐欺取引を検出するプログラムを作った時の話だ。要約すると、はじめソフトウェアだけで対処しようとしたが、いたちごっこになってしまった。これを、ソフトウェアが怪しい取引の検出をする→人間のオペレータが最終判断を下す仕組みにしたところ、うまくいった。

P.199
僕たちはコンピュータにちょっとしたことができたといっては感心するくせに、機械と人間の補完関係から産まれた偉業には目を向けない。人間の貢献が機械の神秘性を損なうからだ。

ああ〜〜そうか〜〜とこの本で一番頷いた。
私、エンジニアとして要求分析や要件定義をするときに、「何を人間の作業として残すか」 はいつも実は気をつけて考えていて、それの話だと。ソフトウェアエンジニアとしての誇りはあるが、それは「ソフトウェアがあれば人間の仕事はいらない」ということではなく、むしろ「"人間が本来するべきこと"に集中させるのがソフトウェア開発者の仕事」、と考えているところがある。
本書の中で語られている、専門家にしかできない複雑な判断をソフトウェアに任せるよりも、その専門家のさばける仕事を最大化するための仕組みを作るほうがたぶん良い。
(人間のする複雑な判断や、膨大なイレギュラーを含むタスクをソフトウェア化するの、たぶん頑張ればできないことはないが、時間が無限でない限りは、色々なコストに見合うかどうかは考えたほうがいいと思っている)

ちょっと話それるけど、別の本(入門コンピュータ科学かな?)で考えたんだけど、なんでもかんでもソフトウェアで解決できる世界線になったとしても、倫理的な問題もある。例えば高性能AIで病理診断ができるようになったとして、余命宣告のある診断結果を、人間ではなく機械が伝えるべきなんだろうか?ちょびっツ(機械と人形のロボットが出てくる漫画です)みたいな人と機械が信頼関係を当たり前に築けるような世界観になるまでは、感情的に嫌だなあと私は感じる。

だいぶ話逸れたけど、機会にできることが増えると相対的に人間の価値が下がると怯えるのは違うと思っていて、むしろ機械がすごくなればなるほど「人間にしかできないことの価値は上がる」んじゃないかな。ソフトウェアに何ができるかだけでなく「こういうことは人間のほうが得意だよね」の視点というか、人間含めた業務設計のバランス感覚を磨いて今年もお仕事できるといいな〜。

(あと1割位よんでないのでよるよもう)

そんなことを考えながら、読みましたとさ。
@kaori_choでした。
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