Aurora I/O-Optimizedによるコストの削減
2025年8月下旬にカンムのサービスで使用している複数のAuroraクラスタをI/O-Optimizedに切り替え、RDSのコストを削減することができたので、それをご紹介したいと思います。
見積もり
以前からI/O料金がRDSのコストの大きな部分を占めていることは分かっていたため、I/O-Optimizedへの切り替えでコストを削減できそうな予想はありました。

具体的な数字についてはクラスメソッドさんの記事を参考にして、CloudWatchの値から計算しました。
以下はI/O-Optimizedに切り替えたAuroraクラスタのうちのひとつでの見積もりです。
まず、1か月分のTotal-IOPsとStorage Volume in GBは次の値になりました。
- Total-IOPs:
14,039,447,225 Count - Storage Volume in GB:
1,588.51094879 GB
ここから Aurora PostgreSQL db.r6g.4xlarge × 2台 での1か月あたりのコストを計算すると次のようになります。
※料金表: https://aws.amazon.com/jp/rds/aurora/pricing/
スタンダード
| コスト種別 | 金額 | |
|---|---|---|
| コンピュート | $3608.6 |
($2.506 * 2台 * 30日 * 24時間) |
| ストレージ | $190.6 |
(1588.51094879 GB * $0.12) |
| I/O | $3369.5 |
(14039447225 * $0.24 / 100万リクエスト) |
| 合計 | $7168.7 |
IO-Optimized
| コスト種別 | 金額 | |
|---|---|---|
| コンピュート | $4,691.5 |
($3.258 * 2台 * 30日 * 24時間) |
| ストレージ | $428.8 |
(1588.51094879 GB * $0.27) |
| I/O | $0 |
|
| 合計 | $5120.4 |
スタンダードが$7168.7でIO-Optimizedが$5120.4なので、1か月あたり$2048.3のコストダウンが見込まれます。
Auroraのアップグレード
対象となったAuroraクラスタのバージョンがIO-Optimizedのサポート外であったため、サポート対象のバージョンにアップグレードするところから始めました。
詳細は省きますが、以下の作業を経てAurora PostgreSQLを対象バージョンまでアップグレードしました
- バージョンごとの変更内容の検証
- 新バージョンでの動作確認・負荷テスト
- ステージング環境・開発環境でのPostgreSQLのアップグレード
- 本番環境のメンテナンス
負荷テストについては以前記事を書いたので、興味があれば読んでみてください。
I/O-Optimized切り替え後
Organization全体でのRDSのコスト推移はこんな感じです。

コストをかなり削減できたことが分かると思います。
パフォーマンスについてはCommitLatencyが少し下がりましたが、その他に大きな変化はありませんでした。

Discussion