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しくじり先生:なぜStartup CTO of the year 2023で優勝できなかったのかの反省

2023/11/23に公開

前提

ミチビク創業者取締役CTOの金杉優樹と申します。
ミチビクは、取締役会DXのSaaSをつくっていて、メガエンプラをターゲットとして、グループ会社を含め取締役会の運営効率化をしています。
https://michibiku.co.jp/

Startup CTO of the year 2023が2023年11月22日に開催されました。
光栄なことに、ファイナリストに選出いただきました。しかし、優勝には届きませんでした。。。
https://newspicks.com/news/9109299/body/?fbclid=IwAR0LSRUA3JR3LAb3TRUM7Zw8ALOdSev7KHwIEpG17Y9AP1y_-n-YiRpEjVQ
https://np2023.startup-coy.com/

自分の登壇ピッチはこちらからご覧ください。

ここでは、なぜ優勝できなかったのかを振り返り、来年以降のCTOに役に立ちそうな情報を書いて行こうと思います。

反省点

技術力がどう経営インパクトを与えるのかの証明

個人的な振り返りでは、ここが一番大きなポイントだったと思います。
CTOであり、経営者である自分たちは、技術力でどれだけ大きな経営インパクトを与えるのかが一番重要だというのが、一番大きな反省でした。

正直やっていることは、みんな似ているような気がします。
CTOであれば、最初は一人目のエンジニアとして、コードを書いて、
メンバーが増えて、組織を拡大して、プロダクトも増えてマネジメントに移っていく。。。

今回の自分のピッチで難しかったなと思うのは、どんな課題がどんな技術力で解消されて、そのインパクトが自社はもちろん、社会にどう影響するのかといったことを定量的に、審査員にわかりやすく説明することができなかったかなと反省しています。
そして、その課題解決のなかでCTOである自分がどんな役割を果たしたのかということ

優勝者のALGO ALTIS社の武藤さんピッチは、上記の点が非常にわかりやすく秀逸でした!

評価項目に対するコンテンツの配分と深掘り

評価項目は下記のとおりです。

Startup CTO of the year 2023

懇親会で審査員長の藤本さんにお聞きしたのですが、評価項目に沿って優勝者を判斷しているとのことでした。
ピッチを作成する上で、非常に難しかったのは、制限時間6分(+質疑応答5分)の持ち時間で、何をどのように伝えるのかの配分を決めるところでした。

評価項目が5点あるので、自分はその項目を満遍なく欠けないようにピッチをつくったのですが、反省として、どれも平均点となるようなピッチを作成してしまいました。

たぶんですが、「技術力がどう経営インパクトを与えるのかの証明」のために、ここぞというメインのコンテンツで詳細を深ぼったスライドをつくりアピールするのがいいのかなと。

自分のピッチは、どちらか「フルリモート」や「オフショア」といったどちらかというと組織づくりの問題解決をする方向に寄せてしまい、技術力で経営インパクトという観点では、対してアピールできなかったというのが後悔です。

実際に、ピッチでは上記のように「会社法に適した取締役会議事録を1Clickで生成できます」というくらいしか説明しなかったです。
実情としては、AWSのStep functionsでLambdaを組み合わせたわりと複雑な実装と、コマンドプロンプトのチューニングをガリガリにしていたのですが、そこはピッチに含めることをしなかったのが大きな反省です。

どのタイミングで応募するのか

これまた難しかったのは、3期目の創業2年半の状況で応募しなくて、5期目で応募したほうがよかったのかなという反省があります。
そもそも書類選考に通るのも大変なことだと思うので、ファイナリストに残る時期を自分のさじ加減で決めることはできないのですが、やはりスタートアップの1年の重みというのは大きく、実績の差が出やすいのかなと冷静に思いました(ちょっと言い訳がましいですがw)

説得力のあるピッチをつくるには、実績が必要で、その実績は一長一短ではできないので、やはり長い年月が必要になります。
そのことを応募時に、全く考慮できてなかったのは反省です。

ただし、リベンジ可能ということをNews Picksの運営の方にお聞きしたので、5期目にリベンジしようと思っておりますw

トップバッターにならない(運)

これは運です。
発表順はくじ引きで決まるのですが、最悪なことにトップバッターを引いてしまいました。。。。

https://www.entafukuzou.com/entry/m1-order#:~:text=※この記事は、2022年12月18日に更新しました。 若手漫才師の頂点を決める『M1グランプリ』では、1番最初にネタを披露するトップバッターが不利だと言われています。,理由は以下の通り。 ・トップバッターはその大会の基準点となるため、高得点が出にくい。 ・会場がまだ温まっていないので、お客さんの反応がニブい。

お笑いのM1グランプリでもトップバッターは不利とのこと(噂)
(すいません、ここはネタです)

自分でやってよかったなと思うこと

一方でやってよかったなーって思うこともあるので、ご紹介いたします!

デザイナーをいれる

ミチビク社では、全社を懸けてこのピッチコンテストに望みました。
優勝したら、会社に箔が付きますし、エンジニアブランディングの費用対効果を考えても、絶対に優勝を取りにいきたいと考えていました。
なので、社内のデザイナーさんにお願いして、ピッチをブラッシュアップしていただきました。
(なのに、優勝できなくて非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。。。)

CTOである自分は(やはり)、人に物事を伝えるのが苦手で、こういう構成でこういうことを伝えたいというのは、論理的にできるのですが、ピッチコンテストでは、審査員にワクワクしてもらって、感情を揺さぶることが必要なので、自分だけの力では不足しているなと実感しました。

たとえば、こんな感じです。誰が見てもどっちがいいか一目瞭然ですね。
Before(デザイナー無し):

After(デザイナー有り):

ピッチ100回練習する

これは本当に重要です。2023年度は今までで一番立派な会場とのことでしたが、本当に立派な会場でした。
こんな人に注目される会場で人前で喋った経験がある人はほとんどいないと思うので、どんなに緊張しても言葉が勝手にでてくるまで練習したほうがいいです。


2022年のオーディエンス賞を受賞したログラス坂本さんも100回練習したとあったので、自分も就業後と土日で100回練習しました。


「堂々とCTOを名乗りたい」3年間の軌跡を伝えたStartup CTO of the year2022でオーディエンス賞受賞

想定問答集つくっておく

これもめちゃ重要です。
ピッチが終わったあとの5分なのですが、審査員の方からめちゃくちゃ鋭い質問が飛んできます。
時間制限的に大体3-4問なのですが、答えるの難しいなと思う質問が自分にも来ましたし、他の登壇者の方の登壇を見ていてもやばい質問くるなと思いながらみていました。

  • 聞かれそうな質問10
  • 聞かれたら困りそうな質問10

の想定問答をつくっておいて、質問に対する準備をすることが重要です。
2023年は、CTO2人、VC2人、AWS1人といった審査員の方々だったので、このような属性の人からこんな質問くるよなっていう想定をして、その回答を事前に回答を用意しておくのがオススメです。

やっと緊張しまくっていたピッチが終わったと油断していると、大変なことになりますw

ChatGPTに審査してもらう

我ながらいいアイデアだとおもって、密かにやっていたのですが、
ChatGPTに審査員になりきってもらって、評価項目に対して、評価してくださいっていうのを一人でずっとやってました。
これはゲーム感覚で非常に面白かったし、論理的な穴とかを埋めてくれるので、ありがたいです。

自分が実際にやっていたのは、こんな感じです。

以下の情報にしたがって、原稿のレビューをしてください。各項目で10点満点だとしたら、どのような評価になりますか? 
  
# 評価軸  
①課題解決力(経営インパクト)  
  
技術戦略/技術課題の解決を通じた経営・事業成長への貢献度。  
(課題の大きさ/難易度、戦略/実行力、ビジネスサイドとの連携力など)  
  
②組織開発力  
  
組織としての強さや開発者体験の設計力。  
  
③技術力  
  
技術、アーキテクチャなどの独自性や先進性の高さ。  
  
④リーダーシップ  
  
CTO個人のビジョンや人間性などリーダーとしての資質。  
  
# 審査員  
審査委員は、CTOが2人、VCが2人、AWSのシニアエンジニアが1人といった構成になっています。 

# 原稿
// 自分の原稿を全文書き起こしして貼る

結果はこんなイメージです。

原稿の評価を以下の軸に基づいて行います:

評価軸
①課題解決力(経営インパクト)
②組織開発力
③技術力
④リーダーシップ

評価
①課取締役会の効率化の課題解決と、その経営・事業へのインパクトに焦点を当てています。提案されたソリューションが具体的で、達成された結果と具体的な事例が記載されています。
評価: 8/10

②組織としての開発方針、フルリモート戦略、多様性への取り組みなど、組織の強さや開発者体験の設計についての言及があります。しかし、具体的な開発者体験の詳細が少ない。
評価: 7/10

③テクノロジーの先進性や独自性に関して、ChatGPTを活用した議事録の自動生成や全てTypeScriptでの開発、GitHub Copilotの導入などの取り組みが触れられています。
評価: 8/10

④リーダーシップに関して、CTOのビジョン「CTOを100人輩出する」や創業からの取り組み、信念、フィードバックを元にした製品提供、組織のスケーラビリティへの取り組みなどが記述されていますが、人間性やリーダーとしての具体的な資質や行動に関する記述が不足しています。
評価: 6/10

総評:
原稿は全体的に明確なビジョンと課題解決への取り組みが強調されており、特に取締役会の効率化という経営課題に対する具体的な解決策がしっかりと示されています。一方で、CTOとしてのリーダーシップに関する部分では、さらに深堀りした内容や具体例が欲しいところです。特に、自らの人間性や組織における具体的なリーダーシップの取り組みなどの情報がさらに詳しく触れられると、よりリーダーシップの項目での評価も高まるでしょう。

そして、過去の受賞者のピッチの動画が登壇者はもらえると思うので、それを全文書き起こしして、この人と比較したらどうですか?といったことをChatGPTに聞いて対戦させながら、構成を練りました。

スケジュール

たぶんですが、例年と変わらないと思うので、参考までに2023年のStartup CTO of the yearがどんなスケジュール感だったかを記載します。

  • 2023/9/8:エントリーシート締切。自分は、2週間くらいで一気に書きました。
  • 2023/9/26:ファイナリストに合格の連絡がくる。
  • 2023/10/30:ピッチ1次締め切り。
  • 2023/11/1:ピッチのレビューをしてもらるので、feedbackもらって、ここで課題を洗い出す
  • 2023/11/15:ピッチの提出日。ここまでに頑張ってつくって、あとはひたすら練習と想定問答集作り
  • 2023/11/22:前日リハ。割と重要だった
  • 2023/11/22:本番

最後に

お読みいただきありがとうございました!
またStartup CTO of the year 2023の運営に関わってくれた方々、スポンサーの方々、ミチビクのメンバーにお礼したいです。

こんな立派な会場でCTOがピッチする機会は滅多になく、ピッチづくりを通じて、「人に物事伝える」ということを改めて考えさせられました。
そして、イベントを通して、登壇者のCTOとも仲良くなれ、同時期に創業した同じ苦労を持つ仲間にも巡り会えたり、審査員やトレンドのトップを走る方々と交流する機会をいただけたので、非常にありがたい機会でした。

ぜひ、創業から5年以内の会社のCTOは参加してみてください(できれば5期目がいいと思うw)!!

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