🙆‍♀️

構造で育てる思考:新卒エンジニアを自律・戦略人材に導く自己ふりかえりフレーム

に公開

構造で育てる思考:新卒エンジニアを自律・戦略人材に導く自己ふりかえりフレーム


☑️ 本記事の立ち位置

これは「構造で育てる思考シリーズ」の一環です

すでに公開されている『構造で育てる思考:再現可能な成長フレームを設計する』と連携し、「思考と成長を再現可能にする」ための実際のフレームを示します


🌟 新卒エンジニア育成フレーム:概要

育成のゴール

経歴の少ない新卒エンジニアを

  • 結果的な成果だけではなく
  • 経過を自分でふりかえり、成長につなげることを繰り返せる

そんな「継続的に成果を出せる人材」に成長させることを目標にします


💡 日次/週次テンプレートの使い方

  • 日次:思考プロセスと成長機会を可視化する
  • 週次:成長観点の自己分析をする

実際のテンプレートは別記事(日次/週次)で詳細を説明します。


🌟 3つの成長観点(コアコンピテンシー)

1. 自律性

他人の指示を待たず、自分で相談し直し、自分で決定できる力

◎ 現れる形(例)

  • タスク未定でも「今日やること」を自分で仮決定できる
  • 指示が曖昧でも目的や前提を補って進められる
  • 詰まってもまず自力で仮説検証し、結果を持って相談に来る

✕ NG例

  • 「何をやればいいですか?」と丸投げ
  • 問題に気づいているが放置
  • 指示がないと動けない

2. 組織適応

チーム文化や期待値のパターンを観察し、合わせながら貢献できる力

◎ 現れる形(例)

  • チームが重視しているレビュー観点やチャットの空気感に順応している
  • 暗黙の優先順位を自然に踏まえて動けている
  • 「この場では発言を控えるべき」「ここは口火を切っても良い」などの読みがある

✕ NG例

  • 正しさ重視で自己流を押し通す
  • チームの慣習を無視して進行を乱す
  • 防御的・反発的なフィードバック反応

3. 戦略思考

「だれにとって何が価値か?」「全体へどう影響するか?」を考えられる力

◎ 現れる形(例)

  • 優先度を「影響範囲×緊急度」で判断できている
  • PRに文脈と意図が書かれている
  • 技術選定時に将来の拡張やメンテを考慮している

✕ NG例

  • 「目の前のコード」しか見ておらず、再利用性やスケーラビリティには無関心
  • その場しのぎの修正・対応になっている
  • 他チームやユーザーへの影響の考慮が抜けている

👨‍💼 使用テンプレートサマリ

※詳細は別記事で解説しますが、ここで基本概要を伝えます:

  • 日次テンプレート:

    • 何をやったか(What)
    • なぜそれを選んだか(Why)
    • 気づき・学び・ズレ(How it felt)
    • 自分の判断や手段の内省(Meta)
    • 明日の方向性
  • 週次テンプレート:

    • 一週間のまとめ(What & Why)
    • 気づき・学び・ズレ(How it felt)
    • 自己分析(自律性/組織適応/戦略思考)
    • 次週の方向

おわりに

良いメンタリングとは、「成果を出させること」ではなく

「思考の構造を自ら組み立てられるよう支援すること」だと考えています

問いを設計し、構造で導く。これが“構造で育てる”メンタリングの中核になります


補足:メンターも“育つ側”であるという前提

本ドキュメントでは構造的な育成支援の方法を記しましたが、このアプローチの根底にあるのは「メンター自身も問い続ける存在である」という前提です

完璧なメンターはいません
判断に迷い、問いかけを試し、時に構造設計を失敗することもあります

それでも思考を言語化し、問いかけを重ね、少しずつ構造を育てていく
そのプロセス自体が、メンティーとの信頼や思考成長の“場”になります

このガイドが、あなた自身の育成プロセスの一部にもなれば嬉しいです


🌐 系列連携

本記事は「構造で育てる思考シリーズ」の一部です

Discussion