未経験からデータアナリスト・エンジニアへの道標
- 未経験からエンジニア転職に成功したので、自身のやったこと、意識したこと、改善点をまとめる。
- これからサイエンティスト、アナリスト、エンジニアすべからく「データ」から始まる職種につきたいと考える方々の役に立てたら幸いです。
それではどうぞ。
再現性があると思う人
- 大学院卒
- IT業界は未経験だけどエクセルでも何でもデータは扱ってた
- 大企業に就職してなんとなく働いてたけどIT業界に転職したい
みたいな人が対象かなと思います。
それ以外の人でも大丈夫ですが、前提知識に差が出るので採用基準が厳しくなる気がします。
経歴
- 社会人歴6年目31歳 転職歴なし
- 大学院卒業後、地元の電力会社に入社
- 仕事内容は火力発電所の運転や運用管理
- 火力設備の研修講師やリクルータ活動など人材育成・採用活度
データ分析経験
トラブルの時にプラントの物理データをExcelで加工してグラフ作ったり、ググりながらVBAツールつくったり、それを元にして原因究明、対策立案、再発防止策の運用化などをしていた程度。
一応、研究室時代はJavaでプログラムの改善とかやったことはある…もう全く覚えてない。
転職活動を始めたきっかけ
- 研究室時代はIT企業とか楽しそうだなーと思ってたんですが、家族LOVEだったので結婚・出産・育児などが間近に迫っていたため Uターン就職で安定した企業にしようかなと思って電力会社を選択。地方のIT企業は微妙でした。
- 最近コロナ禍でリモートワーク主流の世の中になっており、東京のイケイケなIT企業に地方からリモートワークで転職できるのでは?と思ったのがきっかけ。
転職活動の流れ
目標期限は絶対設定した方がいいです。自分は下記を2ヶ月でガーっとやって内定を頂きました。
- なりたい職種の選定と必要スキル・資格の整理
- キャリアコンサルティング面談&転職エージェント複数利用
- notionによる転職活動の管理
- ひたすら面接面接面接
1. なりたい職種の選定と必要スキル・資格の整理
おすすめは八木仁平さん著書の
「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」
- 何かやりたいけど何がやりたいか分からずモヤモヤしている
- お金のためではなく、好きなことにワクワクしながら働きたい
- もっと強みを発揮して働きたい
などの悩みを持つ方にとって、進む道を定める助けになるような発信をされており、
まさに転職活動をする上での最初の鬼門、 「どんな職種に転職したいか」 が明確になります。
これにより、私はSQLやPythonを活用したデータ分析を通じて価値のあるアクションにつながる仕事がしたいと思うようになり、 「データアナリスト」 を志望することにしました。
( 結果としては、「データエンジニア」に転職したのですが、スキルがつけばアナリストにも異動できる企業を選んでいます)
データアナリストなの?サイエンティストなの?となったら以下のねこぼさんの記事が参考になりました。
アナリスト、エンジニア、サイエンティストは結局どの方向性のスキルに特化しているかという話なので、未経験者がなるには業界に入って何から始めたいかによると思います。
出典:データサイエンティスト協会
もう少し具体的にデータアナリストについて
< 必要だと判断した資格 >
- OracleDatabase Silver SQL
- Python3 エンジニア認定基礎 → 2022年5月取得
- Python3 エンジニア認定データ分析 → 2022年6月取得
- 統計検定2級
実際には、GCPやAzureなどのクラウド側の知識も必要とされていたと思います。
資格も努力していることは評価してくれるケースもありますが、資格自体は高評価にはならないので、
資格所得→転職活動ではなく、同時並行がいい と思います。
2. キャリアコンサルティング面談&転職エージェント複数利用
次は初の転職活動だったので、右も左も分からないところからスタートは難しいです。
使えるものはなんでも使おうということで、キャリアコンサルタントの人と面談おすすめです。
私のおすすめは、「よしきさん」と「えさきまりなさん」でした。
- よしきさんのキャリア面談
自己理解・自己分析を得意とされており、転職活動を始める際に、まず最初に話してみて欲しいです。
- えさきまりなさんの転職カレッジHONEST
ひとりで転職活動を進めることに不安がある人のための人数限定制・非公開コミュニティです。
- 転職エージェントや人事からは聞けない転職成功Tipsが学べる
- 添削やキャリアカウンセリングのサポートを受けながら書類選考・面接の準備ができる
<転職エージェント>
正直、未経験転職では転職エージェントは一長一短です。
メリット
- 企業の内部情報が事前に入手できる
- 非公開の求人情報
- 企業との調整をキャリアアドバイザーが担当してくれる
デメリット
- 採用コストが高くなるため企業の目線が厳しくなる
一番いいのは、「エージェントに情報をもらいつつ、自由応募で選考を進める」 なのですが、エージェントから受けてない企業の情報を聞き出すのは結構ハードル高いです。
転職エージェント比較(個人的感想)
- リクルートエージェント → サイエンティスト&アナリストの独占求人多数、サポート品質も高かった
- doda → ほとんど「アプリ開発エンジニア職」&サポートは聞けば答えてくれる感じ
- マイナビ転職 → 求人全くない。利用しなくてもよかった。
- レバテックキャリア → 未経験は弾かれます。
- アンテロープキャリアコンサルティング → コンサル業界特化。大手ではないが紹介力は強かった。
〜以下、結局利用しなかった〜
7. Geekly → エンジニア向け
8. wantedly → 気軽に企業と面談できる
9. WorkPort → 未経験エンジニア転職に向いているらしい。
結論、 大手2社(リクルート、dodaなど)+エンジニア向け(Geekly、WorkPort)などを3〜4つ程度併用 するのが各社の独占求人をカバーできるためバランス良く会社を見られます。
(コンサル業界にも専門のデータ分析部門が立ち上がっているため、コンサル業界特化のエージェントもおすすめです。)
3.Notionによる転職活動の管理
実際転職活動を始めると、やることが山ほどあります。これらをシステム化せずにやろうと思うと仕事しながらだと相当時間を取られます。資格勉強も進めなきゃいけないのに〜と焦ってしまうので、Notionでまとめてしまいましょう。
Notionとはメモ帳やスケジュール管理、タスク管理がこれ一つでできる、なんかめっちゃ便利なツールです。
(株式会社ノースサンド様の記事が非常にわかりやすい)
転職活度において一元管理したい情報
- 情報・・・業界/企業研究、面接対策(想定質問&振り返り)など
- スケジュール・・・応募管理や面接管理など
これらをまとめて管理できるテンプレートを配布してくださっています。本当に便利。
画面はこんな感じです
Web面接ばかりなので、Zoomの横でNotionを開いておけば面接中も安心。
4. ひたすら面接面接面接
最後は結局面接です。
どんなに資格の勉強しても、面接で答えられなければ内定はもらえません。
逆に言えばこれができれば資格がなくても、内定は取れます。
応募編
応募数
前提として、 未経験IT転職なら書類選考通過率が10%程度 です。実際に私も100社応募して10社程度しか書類選考に通ってません。そして、内定が出るのが1〜2社。実に1~2%です。
そして、書類選考不合格理由の第一位は
「今までのご経験とスキルが企業側の求めるものと若干異なったため」
なんかデータ分析っぽいことやってたらしいけど、うちの仕事と違うなー。もう仕方ありません。
9割の企業に落とされるので辛いですが、でも1割くらいは話してくれる企業があります。
転職活動は、 落とされる9割ではなく、話を聞いてくれる1社が大事なのです。
内定率が2%なら500社応募すれば、50社面接受けれて、10社から内定が貰えます。
2ヶ月では100社でしたが、半年あれば300社くらいは応募できると思います。
求人票の見方
求人票で気をつけるべきは、必要なスキルを明確に書いていない求人は、面接に行ってもモヤッとして終わることが多いです。相手もどんな人物を求めているのか言語化できていないのだから、こちらも答えを準備できないのです。
なので、求人票を見る際は、企業の求める人材が明確に表現されいているか。こんな仕事をするんだなーとイメージできるかを重視してみてください。
以下は、データアナリスト・データエンジニアの仕事内容が明確に表現されているものです。
データサイエンティストだと、さらに機械学習やAIの知識が〜と書いてあったりします。
項目 | 内容 |
---|---|
業務内容 | Google Cloud Platform 上のデータ基盤を構築・運用します。データの収集元は、弊社製品や社内システムなど、多岐に渡ります。 |
Python や SQL、BI ツールで集計・分析し、事業の意思決定に役立つ情報を提供します。社内のメンバーへのヒアリング・要件定義から、集計・分析、結果の報告まで、一気通貫で対応します。 | |
必須スキル・条件 | チームでの2年以上のシステム開発経験(うち、データエンジニアとしての1年以上の実務経験) |
何らかのデータを用いた定量的な分析経験 | |
社内または顧客へのヒアリング、提案経験 | |
歓迎スキル・条件 | 開発環境記載の言語・ツールの使用経験 |
SQL・BI ツール(Tableau Desktop、Microsoft Power BI)を用いたデータ分析経験 | |
プロジェクトマネジメントスキル(要件定義、スケジュール設定、関係者とのコミュニケーションなど) | |
統計学(統計検定2級以上)や機械学習の知識 | |
開発環境 | 言語:Python、SQL、shell script、Node.js |
DWH:BigQuery、MySQL | |
リポジトリ管理:GitHub | |
ワークフロー:Airflow | |
インフラ:Docker、GCP | |
求める人物像 | 次のアクションを自ら検討し、業務遂行ができる方 |
突発事項にも柔軟に対応できる方 | |
未知の分野でも自発的に探求し、自分を高めていける方 | |
他者と協力でき、チームワークを大切にできる人 |
見てみてどう思ったでしょうか。IT未経験社には無理では? 大丈夫です。
全部を満たせなくても、求人票から逆算して自分の経験を棚卸してみてください。
以下にいくつか満たせそうなポイントを整理してみましょう。
未経験でも最低限満たせるポイント
- 何らかのデータを用いた定量的な分析経験 -> エクセルでOK
- 社内または顧客へのヒアリング、提案経験 -> なんか調整したことはある
- 開発環境:Python、SQL -> 独学してることはアピールできる
- 次のアクションを自ら検討し、業務遂行ができる方 -> 未経験転職活動そのもの
- 未知の分野でも自発的に探求し、自分を高めていける方 -> 未経験転職活動そのもの
- 他者と協力でき、チームワークを大切にできる人 -> 面接で話せればOK
どうでしょうか。面接で話す内容が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
採用企業によって、「スキル」を重視するか「人物像(カルチャー)」を重視するかは異なりますが、未経験採用では人物像(カルチャー)を重視する企業を選びましょう。
スキルを重視する会社なら採用するのは経験者のみです。
応募編の結論
- 求人票が明確に整理されていること
- 求人票から逆算して自分の経験を語れるポイントをイメージできること
を意識して応募してください。
目安なので100社応募しようとしてここ求人票微妙かもなーと思っててもいいんです。結局話してみないとわからないことも多いので、足りないところは面接で聞きましょう。
面接準備編
準備で大切なのは以下の3つです。
- 企業が露出しているメディアに100%目を通すこと
(オウンドメディア、Youtube、インタビュー記事など) - IR資料は企業情報の教科書なので必ず見ること
- 転職Notionに基本質問に対する回答の目安を用意すること(覚えなくていい)
応募企業すべてに対してと思うと、結構ハードル高いかなと思うのですが、完璧にやるのは志望度の高い企業だけです。「その他の企業」は、基本事項だけNotionに整理しておいて、面接1時間前からIR資料を読み込んで質問を考える。ことになると思います。
基本質問とは?
転職サイトでいくらでも出てくると思いますが、最低限用意するべき基本事項は以下の通りです。参考にしてください。
基本事項
- 自己紹介(2~3分)
- 自己PR
- 資格
経験
- 辛かった経験
- 楽しかった経験
- チームで活動した経験
- リーダーシップを発揮した経験
- 具体的な業務内容
- 現職での経験をどのように活かせるか
ビジョン・役員向け
- 入社意欲
- なぜ他社ではなく当社なのか
- 将来やりたいことの方向性
- 面接や企業研究を通じての自分なりの考え
事前準備
- 企業研究
- 転職理由と退職理由
- 働くイメージを具体化できないポイント
- その他企業に対する質問5つ程度
面接編
個人的な意見なのですが、面接では「笑顔で話すだけではなく、笑顔で話を聞く」ことも意識するべきだと思います。話すときに元気よく笑顔で話すのは、なんとなくイメージで切ると思うのですが、人の話聞いてるときに笑顔でいる人って結構少なくて、自分が憧れる企業の人が話してるなら思わず気分が上がって笑顔になるくらい普通な気がするので、笑顔で話聞きましょう。
やり過ぎないように。
面接ですが、基本事項をNotionに準備しておけば、話すべき方向性は頭の中にあるはずなのでそれを話すだけです。
話すときに気を付けるのは、
- 楽しそうに話すこと(未経験ができる唯一の強み)
- 話を1~2分程度で区切ること
せっかく憧れの企業の人と話してるのに楽しそうじゃない人は、ホントに入りたいのか?ってなるし、話の長い人は嫌われます。忙しい人は、簡潔に短く話す人が好きです。
ただ、中身がないとだめなのでNotionにポイントはまとめておいて最低限それを盛り込みましょう。
という感じです。
以上の事を実践していただければ、ほぼほぼどんな人でも転職は成功すると思います。
もちろん様々な環境制約があって難しい人もいると思いますが、データ分析楽しいじゃん!と思ってスタートすれば、書類通過率10%でも内定率1%でも頑張れる思います。
未経験だけどフルリモートしかしたくないというやばい条件で転職に成功しましたが、東京に通勤できる人であればもっと簡単に転職できると思います。
大変かと思いますが、この記事を読んでくださった皆様の転職活動が無事終わることを祈ります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Twitter(@tsunotto)
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