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【WCAG2.1の達成基準を咀嚼する】1.2.2 キャプション (収録済)

2024/08/11に公開

これは何?

WCAG2.1のガイドライン中で示されている達成基準を、フロントエンドエンジニア視点でざっくりと噛み砕いてまとめたものです。
この記事では、達成基準 1.2.2 キャプション (収録済) について記載しています。

参考

「達成できている」と言える状態

同期したメディアに含まれているすべての収録済の音声コンテンツに対して、キャプションが提供されている。ただし、その同期したメディアがメディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされている場合は除く。

再生したメディアコンテンツにある音声情報を、音声を聞けない状態・環境にあるユーザーでも、キャプションを通じて情報入手・理解することができるようになっている

例外

同期したメディア自体が、ウェブページ上でテキストによってすでに提示もされている情報の代替の提示であるとき、キャプションは必要ない。例えば、ページ上の情報が、テキストで既に提示されている情報よりも多くの情報を提示していないが、認知、言語、又は学習障害のある利用者が理解しやすい同期したメディアによる提示を伴う場合、キャプションを提供する必要はない。なぜなら、その情報は、既にテキスト又は (例えば、画像の) テキストによる代替によって、ページ上に提供されているからである。

  • その同期したメディアがメディアによるテキストの代替であって、メディアによる代替であることが明確にラベル付けされている場合は除く
  • 音声解説が既に視覚的に提示されている情報の説明である場合、音声解説にキャプションをつけることもできるが、つける必要はない

メリット

ろう又は難聴の利用者が、同期したメディアのコンテンツにある音声情報を、キャプションを通じて入手することができるようになる。

ろう又は難聴の利用者が情報を入手できるのはもちろんのこと、健常者が音声を出せない状況下や、周囲の雑音が大きい状況下で動画を視聴する際にも役に立つ(例:公共交通機関の中など)

具体的な達成方法

キャプションを提供しているチュートリアル
映像クリップは結び目の作り方を示している。キャプションは次のように読める。
「(音楽)船乗り、兵士、そして木こりのような人たちにとっては、ロープを使って結び目を作るのは、重要なスキルでした。」
Whit Anderson による、書き起こしテキストのフォーマットのサンプルより。

オーケストラがコンサート映像にキャプションを提供している。キャプションは、台詞や歌詞を逐語的に提供するだけでなく、タイトル、楽章、作曲者などさまざまな情報を提供することで、利用者が音声の特徴を理解することを助け、楽器のみの音楽を明らかにしている。例えば、
「[管弦楽組曲第 3 番 ニ長調 BWV 1068 - 第 2 曲 G 線上のアリア] [作曲者 ヨハン ゼバスティアン バッハ] ♪ 遅いテンポの落ち着いたメロディ ♪」

基本的にはキャプションによる解説を提供できていれば良い。
その場合、非テキストコンテンツ(メロディの特徴など)についても対応する必要がある。

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