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ChatGPTにウミガメのスープ(水平思考クイズ)を出してもらう

2023/04/06に公開

ウミガメのスープを解きたい

ウミガメのスープとは

ウミガメのスープとは水平思考クイズの俗称で、出題者から(多くの場合不可解な状況設定の)問題文が与えられ、回答者はその問題に答えるためにイエスかノーで答えられる質問を繰り返して、問題に回答するというクイズです。

通常のクイズと違って出題者が回答者からの質問に回答しなければならないため、クイズブックのような形では楽しむことができず、必ず対話が必要になります。
対話といえばChatGPTということで、ChatGPTにウミガメのスープを出題してもらって、それを解いてみたいと思います。

ChatGPTは水平思考クイズを知っているのか

まずはChatGPTが水平思考クイズを知っているかを聞いてみましょう。

水平思考クイズとは何か知っていますか?

はい、「水平思考クイズ」は、エドワード・デ・ボノによって提唱された「水平思考」という概念に基づいて作成されたクイズの形式です。水平思考とは、従来の縦型(直線的)な思考方法とは異なり、より創造的で柔軟なアプローチで問題解決を行うことを指します。この方法は、非連続的かつ予測しにくいアイデアや解決策を見つけるのに役立ちます。

水平思考クイズでは、一般的なクイズとは異なり、問題の背後にある物語や状況に関する情報が与えられています。参加者は、この情報を元にして、問題を解決するために独自の考え方や方法を試みます。このプロセスは、参加者が従来の方法ではなく、新しい視点やアプローチで問題解決を試みることを促します。

水平思考クイズは、創造性や柔軟性を向上させるのに役立つとされており、教育やビジネスの分野で利用されることがあります。

知っているようです。
なら水平思考クイズという文言を使って指示が出せそうですね。

実際にやってみた

開始プロンプト

水平思考クイズを行います。あなたが出題者で、私が回答者です。
問題は以下の通りです。

ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定を済ませて帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?

あなたはこの問題について解答となる意外でありながら論理的にも心情的にも多くの人に納得されるストーリーを考えてください。
私はこれから質問をするのでそのストーリーに基づいて、イエスもしくはノーのみで回答してください。
私が答えを教えて、と言ったら、そのストーリーを教えてください。それまではそのストーリーについては決して教えずに、質問を促すか質問に対するイエスかノーの回答のみを発言してください。

承知しました。問題に対するストーリーを考えました。あなたの質問にイエスかノーで答えますので、質問をどうぞ。

なかなかいい出だしです。
今回は試験的なものなので正誤判定はしないこととしました。
完全に一致するストーリーを共有するのは難しく、正誤の基準を決めるのも難しそうだったからです。

質問をしていく

男が自殺したのはスープの味がまずかったからですか?

ノー

男が飲んだのは本当にウミガメのスープでしたか?

イエス

ウミガメのスープでなかったら自殺しませんでしたか?

ノー

スープであればどんなスープでも同じ結果でしたか

ノー

そのレストランであることは重要ですか?

イエス

レストランにいる人は関係していますか?

ノー

男は以前にウミガメのスープは飲んだことがありますか?

イエス

それは本当にウミガメのスープでしたか?

ノー

男が以前に飲んだスープは本当はウミガメのスープでは無かったが、男はウミガメだと思っていた?

イエス

これは完全に原作のストーリーと同じ内容なんでしょうか。

答えを聞く

ということで、答えを教えてもらいましょう。

答えを教えて

男が以前に飲んだと思っていた「ウミガメのスープ」は、実は彼が遭難し、長い間漂流していた時に同じ船で一緒だった友人の遺体を食べることで生き延びた記憶があります。彼はその味を忘れることができず、そしてその経験から深いトラウマを抱えていました。

彼はある日、海の見えるレストランで本物の「ウミガメのスープ」を注文し、その味を確かめることでトラウマを克服しようと考えました。しかし、本物のウミガメのスープを飲んだとき、彼はその味が以前食べた友人の遺体の味と同じであることに気づいてしまいました。その瞬間、彼のトラウマはさらに強まり、彼は自分の過去と向き合うことができなくなり、絶望のうちに自殺してしまったのです。

なんかよく知られているウミガメのスープとは似て非なるストーリーが出てきました。
原作は知らされずに飲んだのですが、自分で飲んだのなら話が変わってきます。
そこはトラウマと向き合うという不思議な動機で押し切られています。
そう言われてしまうと、そういうこともあり得るかと飲み込まざるを得ません。

ただ、さすがにおかしい問答もあったので指摘してみましょう。

矛盾を指摘する

ストーリーに突っ込みどころはあるものの全部受け入れるとして、
イエス・ノーの回答で3点ほど気になる部分があったので指摘してみます。

なぜ本物のウミガメのスープが遺体の味と同じだったのでしょうか?

私の回答は物語的な解釈であり、事実として正確ではないかもしれませんが、このストーリーのコンテキストでは、男が以前食べた友人の遺体の味と本物のウミガメのスープの味が同じだと感じたのは、彼のトラウマが彼の味覚を歪めていたためです。彼の心の中では、ウミガメのスープを飲むことで彼が過去に経験した恐ろしい出来事と向き合わざるを得なかったため、彼はその味を同じだと感じたのです。

実際には、ウミガメのスープと人間の遺体の味は全く異なるでしょうが、このストーリーでは、男の心の中で両者が繋がってしまったことが重要なポイントです。

なんか押し切られてしまいました。まぁ、ここは納得しておきましょう。

そのレストランであることは重要ですか?という質問にイエスと答えていますが、そのレストランであることは重要ではないのではないですか?

おっしゃる通り、その質問に対する回答は誤りでした。申し訳ありません。正確には、「そのレストランであること」自体は重要ではありません。重要なのは、男が海の見える場所でウミガメのスープを飲むことで、彼が過去に遭難し漂流したときの記憶と向き合おうとした点です。どのレストランでも、同じような状況であれば、同じ結果につながったでしょう。再度、誤った回答をしてしまい申し訳ありません。

誤りとは認めたものの、納得できる理由を掲示してきました。
むしろこちらの質問が曖昧であったためでもあるので、イエスと答えても無理はないですね。
ここは素直に納得です。

男が以前に飲んだスープは本当はウミガメのスープでは無かったが、男はウミガメだと思っていた?という質問にイエスと答えていますが、男は友人の遺体と分かって飲んだのではありませんか?

おっしゃる通り、私の回答に矛盾がありました。正確には、男は友人の遺体を食べることで生き延びた経験があり、その時の味をウミガメのスープだと勘違いしていたわけではありませんでした。彼は友人の遺体を食べることで生き延びたことを覚えており、そのトラウマを克服するためにウミガメのスープを試そうとしたのです。

私の説明に矛盾や不正確な点があり、申し訳ありません。彼が友人の遺体と分かって食べたことが正しい解釈です。再度、誤った回答をしてしまい申し訳ありません。

ウミガメのスープと自分を騙して飲んだ、という回答を期待したのですがそうではありませんでした。
こう言われてしまうと、このストーリー全体の意味合いが変わってきます。
海の見えるレストランでスープを飲むという体験自体が重要だったということですね。

感想

対話としてはとても面白かったし、ストーリーも楽しめました。
クイズとしてはとても当てることはできないので、質問で少しずつ情報が増える過程を楽しみつつ、
意外なストーリーを聞くことにワクワクするという使い方が良さそうです。

もともとウミガメのスープを知っていて、それをアレンジしたようなストーリーでした。
問題を変えて、いろいろと試してみたいと思いました。

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