同期・非同期とブロッキング・ノンブロッキングの違い
「Goならわかるシステムプログラミング」を読んでいて、同期・非同期とブロッキング・ノンブロッキングの言葉の定義について理解が曖昧だったので、整理してみました。
同期・非同期
「同期か非同期か」は結果の受け取り方を指します。
同期
OSに処理を依頼し、その入出力の準備ができた時点で処理が呼び出し元（アプリケーション）に戻ってくる方式。
つまり、実データを取りに行くというムーブになります。
非同期
OSに処理を依頼し、その入出力が完了したら通知（結果の知らせ）を受け取る方式。
つまり、データが準備できたら教えてもらい、その後に実データを取りに行くというムーブになります。
ブロッキング・ノンブロッキング
「ブロッキングかノンブロッキングか」は待ち方のスタイルを指します。
ブロッキング
頼んだ仕事（処理）が完了するまで待ち続けるスタイル。
ノンブロッキング
頼んだ仕事（処理）が完了するまで待たずに、他の仕事をするスタイル。
I/O処理モデルの4つのパターン
同期・ブロッキング
処理を依頼したら、その読み書きが完了するまで何もせず待つ方式です。重いI/O処理があるとその間プログラム全体が止まってしまいますが、コード自体は直線的で分かりやすいという利点があります。
同期・ノンブロッキング
ノンブロッキングモードで処理を開始し、完了しているかどうかを繰り返し確認することで進みます。一度の呼び出しで完了を待たず、「今終わっている分だけデータを取得する or まだ終わっていないという状態を返す」ので、呼び出し側は何度もAPIを呼び出して完了をチェックします。
非同期・ブロッキング
処理自体はOSに依頼しておき、何か準備ができた（イベントが発生した）ときに通知を受け取る方式です 。具体的には、OSの提供するselectやepollといった I/O多重化の仕組みを使い、準備のできたI/Oの通知をひとまとめに待ち受けます。この待ち受け自体はブロッキング（通知が来るまで待つ）ですが、通知を受け取ってから実際のI/O処理を行うので、複数のI/Oを効率よくさばけます。
非同期・ノンブロッキング
メインの流れとは別のスレッドや仕組みで処理を進め、完了したら通知だけ受け取る方式。依頼を出した後、呼び出し側は全く待たずに他の作業を続けられ、処理が完了したタイミングで割り込み的に結果を受け取ります。
具体例
料理の注文にたとえて、同期/非同期・ブロッキング/ノンブロッキングの違いを説明します。
同期・ブロッキング
ファストフード店で注文をして、その場で料理が出てくるのをカウンターの前でじっと待っている状況です。他のことはせず、注文した品ができあがるまでその場を離れません。あなた（呼び出し元）は注文が完了するまでブロックされています。料理が出たらすぐ受け取り、待ち時間はそこで終了です。これは「結果が準備できるまで待つ」という同期かつブロッキングな動きです。
同期・ノンブロッキング
ファストフード店で注文をして、店員さんに「まだですか？」と何度も確認しに行くようなウザい客状況です。例えば、注文後に席に座って待ちながら、数分おきにカウンターに行って「料理できましたか？」と尋ねる（これがポーリングに相当）。料理がまだならまた席に戻り、しばらくしてまた確認する、を繰り返します。一度の確認（問い合わせ）自体はすぐ終わるのでその意味ではブロックしていませんが、何度も自分から確認しに行く点で同期的です。効率は悪いですが、待ち時間に席で他のこと（例えばスマホを見るなど）は一応できているので、処理自体はノンブロッキングになっています。
非同期・ブロッキング
レストランで注文後、呼び出しベル（ブザー）を渡されて待つ状況です。料理ができあがったらブザーが鳴るというイベント通知で知らせてもらえます。この間、あなたは席で待っていますが、定期的に確認しに行く必要はありません（通知が非同期的に来ます）。ただし、ブザーが鳴るまでは店を出ずに待機している点でブロッキングです。他のことはあまりできず、「呼ばれるのを待つ」という状態ですね。これは非同期（出来上がりをイベントで知る）だけれど、待っている間はブロッキングしている例です。
非同期・ノンブロッキング
フードコートで注文後、呼び出しベル（ブザー）を渡されて待つ状況です。料理ができあがったらブザーが鳴るというイベント通知で知らせてもらえます。この間、あなたは席で待っているのではなく、他の店に行ったり買い物をしたり、他の用事を済ませています。ブザーが鳴ったら戻ってきて料理を受け取る、という流れです。この場合、待っている間も他のことをしているので、非同期かつノンブロッキングな状態です。
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