KiCad曲線配線プラグインと美しい配線を描く。
この記事はキーボード #1 Advent Calendar 2020の20日目です。
昨日は、銀鮭さんの「静電容量自作キーボードが出来るまで」でした。まだ自作erに普及していなかった技術を極初期に取り入れた方の素晴らしい記事なのでぜひ。
自作キーボードの数ある沼の中で、主に設計を好んでやっている@kakudo415と申します。この記事では基板を制作するときのコダワリポイントのひとつである配線について書きたいと思います。よろしくお願いします。
エントリーポイント
現在設計中の6011の基板の配線をなるべく美しくなるようにしていきます。まずは回路として機能するように単に未配線のところがなくなるまで繋ぎます。
- パッド(はんだ付けするところ)の中にビア(表裏の銅箔を導通させるための穴)を置かない
- パッドから斜めに配線を出さない
- 直角より深い角度に配線を曲げない
上記のような機能面・強度面で気を付けるべき点があります。
キーボード #2 Advent Calendar 2020の17日目、「プリント配線板の作り方と 歩留まりのいい設計について」が詳しいので合わせてどうぞ。
見た目の面ではとりあえず、繰り返し部分は同じ形になるように気を付けています。
そろえる
これは見た目を整えるうえで必須の作業だと思います。平行に通る線はなるべく間隔を揃えます。ピッタリ詰まってるのがかっこいい!
曲げる!
これがやりたかっただけです。
↑こんな感じに曲線にします。
今までは手作業で曲線を作っていたのですが、さすがに短い直線を手で置いていくのは大変すぎるので、プラグインを作りました。
2本の線で挟まれた線を選択してプラグインを動かすと、いい感じのベジェ曲線で間を補間してくれます。
お気づきになったかもしれませんが、現在のバージョンでは古い配線を消すことができていません。結局そこで手作業が発生してしまっているので今後の課題です。
ハイライトされた線が自動で消せません
角は二次、平行線は三次のベジェ曲線が良い感じに間を取り持ちます。(曲率連続じゃないのが少し残念なところですが...)
ベジェ曲線と円弧でそれぞれ平行線の補完をした時の例です。ベジェ曲線(赤)は中央の滑らかさと引き換えに直線との接続部が少し不自然ですね...
左が三次ベジェ曲線・右が中心角90度の円弧
おわりに
もともとは美しい配線の何たるかを書こう!くらいの意気込みだったのですが、調べれば調べるほど何も分からなくなったのでプラグインの紹介になってしまいました。
機能・強度面でマズいところなどがありましたら、ぜひ教えてください。
この記事は4421(キーボードを数字で命名しています)で書きました。
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