Chrome、Edge 3rd party cookie(サードパーティクッキー)廃止について
はじめに
Google Chromeの3rd party cookie廃止にするという発表は以前からありましたが、Googleは4月23日(現地時間)その廃止が再度延期されることが発表されました。
また、MicrosoftのEdgeについては、2024年3月5日(現地時間)、Microsoft Edgeで3rd party cookieを廃止、代替策となる独自のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公表しました。この記事では、今まで延期の経緯を振り返りつつ、今後の影響について考察していきます。
これまでの経緯
Googleは2020年1月に2年以内にサードパーティCookieの廃止を発表しました。その後、2021年6月には、「2023年後半に延期する」と改められ、2022年7月には「2024年後半に再度延期」となっていました。この時点で、2度の延期が行われていましたね。そして、Googleは4月23日(現地時間)、2024年内に完了する予定だったChromeのサードパーティーCookie廃止を延期すると発表しており、これが3度目の延期となります。何度も延期を繰り替えしているので少し驚きましたが、Googleは「Webエコシステム全体がサードパーティCookieの廃止に対応するためには、もう少し時間が必要だ」としています。
一方で、MicrosoftのEdgeについては3rd Party Cookie廃止について保守的でしたが、2024年3月5日(現地時間)、Webサイトをまたいでユーザーを追跡するサードパーティークッキーの利用を停止することと、代替として、ユーザーに適切な広告を表示するためのAPI「Ad Selection API」も同日に発表しました。ただし、Edgeについてはいつ頃からサードパーティークッキーの利用を完全に停止するかは明言されていません。
2024年3月〜4月におけるそれぞれ発表の内容の原文
Google Chrome
アナウンスによると、業界、規制当局、開発者からの異なるフィードバックを調整する課題が続いていることを認識しており、エコシステム全体がサードパーティCookieの廃止に対応するためには、もう少し時間が必要だとしています。具体的にいつまでとは明言していないですが、「we envision proceeding with third-party cookie deprecation starting early next year.」と書いてあるので、2025年初頭にはサードパーティCookieの廃止を進める予定であることがわかります。
Microsoft Edge
Microsoft公式のBlogによると、数カ月以内に1%未満のEdgeの個人ユーザーを対象にサードパーティークッキーを非推奨化する実験を開始し、2024年中は継続する方針。適切な広告を表示するためのAPI「Ad Selection API」には強固なプライバシー保護の仕組みが組み込まれ、ユーザーのデータを安全に保護しながら適切な広告を表示するとしている。(個人のユーザーを対象に実験を開始しているので、法人のユーザーには影響はないと思われます。)同社は2024年後半には業界によるAd Selection APIのテストと採用を呼びかける予定までは言及している。
影響について
Webサービス、マーケティングには様々なマーケティングツールが組み込まれているので、サービスの挙動や分析に影響がでる可能性があります。すでに1st party cookieの仕組みで動いているWeb接客ツールなどは良いのと思いますが、3rd party cookieを利用しているツールは、代替策を考える必要があります。また、広告主にとっても、ターゲティング広告の精度が下がる可能性があるので、広告戦略の見直しも必要になるかもしれません。
まとめ
Google Chrome、Microsft Edgeの3rd party cookie廃止の動向については、継続してウォッチしていく必要があります。3rd party cookieの廃止が再度延期されたり、代替策が発表されたりと、Webマーケティングにおける影響は大きいです。今後の動向に注目していきたいですね。
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