学会&論文の概要まとめ
この記事では、北原鉄朗先生にご教授いただいた学会および論文のことに関してまとめていく。
学会とは
学会の役割
学会というのは、主に2つの役割を持つ。それは、『研究を発表する場所を提供すること』と『研究に関する情報提供を行うこと』である。
研究を発表する場所、というのは会場に集まって口頭での発表やポスター発表であったり、論文を査読して通ることで掲載される論文誌といったものである。
また研究に関する情報提供というのは、学会誌などといった学会から提供されるもので
学会の種類
学会は、その学術の分野によって複数に分かれている。各学会は、下部組織として研究会(Special Interest Group, SIG)を持っている。多くの学会は年に1~2回ほど研究発表会を行い、それとは別に研究会が研究発表会を年に数回実施することもある。海外の学会が主催する研究発表会は「国際会議」と呼ばれることが多く、国内で行われているものは国内学会という。この違いとして、国際会議は発表するの際に論文の審査(査読)を通過する必要があるということである(国内学会でも査読を実施するものもある)。
以下には主要な学会についてを紹介する。
情報系の国内学会
- 情報処理学会(IPSJ) ・・・情報系の2大学会の1つ
- 電子情報通信学会(IEICE) ・・・情報系の2大学会の1つ
- 人工知能学会(JSAI)
- ソフトウェア科学会(JSSST)
音系の国内学会
- 日本音響学会(ASJ)
情報系の国際会議
- IEEE
- ACM
音楽・エンターテインメント関連の国際会議
- 音楽検索・音楽推薦:
- International Society for Music Information Retrieval Conference(ISMIR)
- 新楽器・演奏インタフェース:
- International Conference on New Interfaces for Musical Expression(NIME)
- 音楽&人工知能・機械学習:
- International Workshop on Machine Learning and Music(MML)
- International Conference on Computer Simulation of Music Creativity(CSMC)
- AI Music Creativity
- その他の音楽情報処理関連:
- Sound and Music Computing Conference(SMC)
- International Symposium on Computer Music Multidisciplinary Research(CMMR)
- International Computer Music Conference(ICMC)
- エンターテインメント:
- International Conference on Entertainment Computing(ICEC)
- ヒューマン・コンピュータ・インタラクション:
- International Conference on Human-computer Interaction(HCII)
- International Conference on Intelligent User Interface(IUI)
- マルチメディア:
- International Conference on Multimedia & Expo(ICME)
- International Symposium on Multimedia(ISM)
- International Symposium on Multimedia Modeling (MMM)
- 音響:
- International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing(ICASSP)
論文について
論文の種類
論文には様々な種類が存在する。
1.論文誌に掲載された論文(8〜20ページ)
2.国際会議の論文集に掲載された論文(4〜8ページ)
3.国内の査読付きシンポジウムの論文集に掲載された論文(6〜8ページ)
4.国内の査読なしのシンポジウム、研究会、全国大会などの論文集に掲載された論文(2〜8ページ)
数字が大きくなるほど、査読が綿密に入っていない信頼度が低い論文になる。論文誌は査読を徹底しているのに対し、査読なしの論文はなかなかに精度が低い。主要な国際会議にある論文なら、精度が高い可能性はある。そのため、信頼度の高い論文を探すときには、査読付きかつ英語の論文を探すと良い。
論文の入手方法
論文手に入れる方法は、一般的にはほとんどがWebである。ただ、大学外部のネットワークからでは入手出来ない論文も存在するため、その場合は大学内部のネットワークを使用するとよい。その他にも、大学の図書館から探すor文献の複製を依頼する、指導教員によい論文がないか聞くといった方法でも論文の入手は可能である。
論文の探し方
論文をすべて網羅することは難しいため、何か特定の論文を探したいときには検索等が必要になる。
主流な探し方としては、Google Scholarにキーワードを入れて自身が読みたい論文が出るまでひたすら探す方法である。論文をある程度読んでいくと自身が探したかった論文に当てはまるキーワードを理解するようになるため、論文を読み漁ることが重要になる。また、キーワードは日本語だけでなく英語も駆使することも大事である。
これ以外では、自分のテーマに関連する学会の発表論文を定期的チェックする、過去の発表論文などをひたすらチェックする、もしくは読んだ論文の参考文献をチェックするなどといった手法も有効である。まともな論文なら、より良い参考文献を引用している可能性が高い。
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