自作キーボードで固い打鍵感を比較的簡単に実現する方法
はじめに
今回は、打鍵感の小ネタを書こうと思います。
打鍵感・・・すごくファジーなものですが、今回言及するのは主にプレートに起因するものです。
※スイッチの種類やバネの重さに関することは言及しません。
あくまで自分のキーボードをベースにパーツ類に関しては記載しますが、
トッププレート/回路基板/ボトムプレートのサンドイッチ構造の自作キットなら応用は効くかと思います。
そもそも打鍵感って?
キーボードを打った時の感覚・・・としか私は説明できません。
何ともファジーなものです。
要素としては
- キースイッチのバネの重さ
- キースイッチの種類(リニア・クリッキー・タクタイル)
- プレートの材質
- マウントの構造
あたりの組み合わせによると認識しています。
また、判断・好みの軸としても - 重い<->軽い
- 固い<->柔らかい
などがあります。
後は、スイッチ種類によるクリック感の有無もでしょうか・・・
前章に記載したとおり今回の記事では固さの軸のみにフォーカスをします。
固さを構成する要素
主に以下の二点が大きな要素になります。
- プレートのマウント(固定)方法
- プレートの材質
この辺りの説明はSMKiJのスクラップボックスにわかりやすい説明があるのでリンクを貼っておきます。
プレートマウント方法とスイッチとの相性情報
プレートの素材と特徴
今回記事に書く手法はマウント方法で言うとサンドイッチ構造でのお話になります。
打鍵感を固くするには
極端な結論を言ってしまうと、剛性をあげれば良いです。
- プレートの材質を硬いものにする
- プレートの固定方法で打った時のたわみを抑え込む
材質で考える
材質については、前述のページにあるような素材から弾性率の高いものをチョイスすると硬くなります。
※私はシャキッとシャープな硬さを求めてステンレスで作っていたこともあります。
ただ、物によっては素材・加工のコストが高くお財布に優しくありません。
また、自分で設計している場合は問題になりませんが、
キットなどでプレート図面が公開されていない場合は材質を変えたくても難しいケースもあるかと思います。
固定方法で考える
そうなると固定方法で対処する方針へシフトしていくことになります。
簡素なサンドイッチ構造の場合、トッププレートとボトムプレートをスペーサーで固定し、
中間にある回路基板はスペーサーが貫通しているだけになります。
※回路基板はトッププレートにマウントされているキースイッチとハンダづけされているかキーソケットで固定されている。
手持ちのわかりやすそうなキーボードの写真でみるとこんなかんじです。
写真のキーボードの場合、回路基板はスイッチがキーソケットにハマっている力で支えているだけです。
上下のプレートも数本のスペーサーで繋がっているだけです。
結果、材質によっては微細ながらタイピングで上から力が加わることによりプレートがたわみます。
※それが衝撃を吸収してくれて柔らかいうち心地になったりもするわけです。
と言うことで、固くしたければこの空間を埋めるなり何なりで剛性を上げれば良いわけです。
実現方法
さて、ここまできてやっと実現方法です。
プレートの間を埋めてしまう
アクリルプレートやウレタンフォーム、エアコンダクトのパテなんかを利用し埋める方法です。
チョイスする素材によって剛性が変わるので好みの材質を選ぶことも可能ですね。
サンプルとしてはこんな感じですね。
アクリルプレートの場合、材質で対処する場合と同じく設計図面がないと苦しいですが、
その他のものであれば現物があれば、まあなんとかなるのではないかと思います。
また、アクリルやウレタンフォームなど厚みが決まっているものを使う場合、
ものに合わせてスペーサーの長さを調整するなり厚みを調整する必要があります。
そう考えるとパテが良さそうではありますが、ソケット実装の場合、
爪に噛み込んだりしないように注意が必要になってきそうです。
回路基板の力を借りる
トピックだけでは何のことやらですね。
上下のプレート間は分割、ProMicroなどを表に実装する場合でも6.5mm-7mmのスペーサーを
利用しているケースが多いです。
以降はキットによって少し変わってくると思いますので自分の作成したもので説明します。
自分のキーボードは7mmスペーサーを利用しており以下のような構造になっています。
トッププレート(1.6mm)
| 空間(3.4mm)
回路基板(1.6mm)
| 空間(2.0mm)
ボトムプレート(1.6mm)
上下の空間と回路基板の厚みを合わせて7mmのスペーサーで挟み込んでいることになります。
回路基板は前述の通りスイッチで吊られているだけなので剛性には全く寄与していません。
回路基板にも剛性を強化するために協力していただこう。と言うことです。
使うパーツはこれです。
上下を固定しているスペーサーより一回り大きなスペーサーです。
これを以下の写真左のように各スペーサーのプレート間に入れています。
アクリルなどで全てを埋めるほどでないですが、一回り大きなスペーサーにより
回路基板が挟まれ、かつ一回り太いスペーサーで固定しているような感じになります。
結果として剛性が強化され同じような効果を得ています。
終わりに
今回はステンレスプレートほどではないにしても固くシャープな打鍵感の実現についてでした。
はじめにも書いたようにサンドイッチ構造のキットなどであれば応用は効くと思います。
ただし、キーボードのサイズやサイズに対するスペーサーの数など他にも影響要素が多いので
万物に効く訳ではありません。あくまで手法の一つです。
・・・この記事を書いた人間はステンレスプレートでガッチガチに固めた上に、
60gバネの比較的重めのスイッチを好む極度な固い打鍵感を好む偏った人間です。
そして、それを数年使い続けると言う訓練を積んでいる人間です。
試したりする場合は、指を痛めたりすることのないようバランスを考えることをおすすめします。
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