Proxmox Backup Serverでcifsを使う方法
はじめに
Proxmox Backup ServerでNAS(cifs)を使いたかったのですが、
GUIからの設定ではマウントや利用ができなかったのでシェルで使えるようにするまでの手順です。
目的
ProxmoxBackupServer(以降PBS)でNASをマウントし、2次バックアップを保管する。
(ProxmoxVEからのバックアップはPBSの内蔵ストレージへ取得する)
手順
基本的には以下のサイトで記載されている手順通りです。
NAS側は機器によって設定方法が違うと思いますのでここでは割愛します。
参考サイトとの違いは、マウント先の指定(階層)です。
参考サイト通りにautofsを設定してしまうと、既存のdatastoreが見えなくなるなどの不都合が出たためそのあたりを変更しています。
※作業環境に合わせて適宜sudoを利用してください
1.クレデンシャルファイルの作成と権限設定
まず、CIFS共有にアクセスするためのクレデンシャル情報を作成します。
vi /etc/samba/.smbcreds
以下の内容を記述します。hogehogeとfugafugaは実際のユーザー名とパスワードに置き換えてください。
username=hogehoge
password=fugafuga
作成したファイルの権限を絞ります。
chmod 600 /etc/samba/.smbcreds
2.マウント先の作成
マウントポイントとなるディレクトリを作成します。
mkdir -p /mnt/cifs/share_name
3.fstabへの追記 (起動時にマウントするように設定)
起動時にCIFS共有が自動的にマウントされるように、/etc/fstabに設定を追記します。
vi /etc/fstab
以下の行を追記します。nas_ipはNASのIPアドレス、share_dirは共有ディレクトリ名に置き換えてください。
uidとgidは適切なユーザーIDとグループIDを指定してください(34はbackupになります)
//nas_ip/share_dir /mnt/cifs/share_name cifs credentials=/etc/samba/.smbcreds,uid=34,gid=34,iocharset=utf8,sec=ntlmv2,vers=3.0 0 0
4.autofsのインストール・設定
autofsをインストールします。
apt install autofs
autofsの設定ファイル (/etc/auto.masterと/etc/auto.cifs) を編集します。
/etc/auto.masterへの追記
vi /etc/auto.master
以下の行を追記します。
/mnt/cifs /etc/auto.cifs --timeout=60 --ghost
/etc/auto.cifsの作成
vi /etc/auto.cifs
以下の内容でファイルを作成します。
share_name、nas_ipとshare_dirは上記と同様に置き換えてください。
share_name -fstype=cifs,rw,credentials=/etc/samba/.smbcreds,uid=34,gid=34,iocharset=utf8,sec=ntlmv2,vers=3.0 ://nas_ip/share_dir
再起動
再起動し、設定したものが正しくマウントされていることを確認します。
5.PBS Datastoreの作成
PBSのDatastoreとして、マウントしたCIFS共有を指定します。
proxmox-backup-manager datastore create store_name --path /mnt/cifs/share_name
store_nameは任意のDatastore名に置き換えてください。
チャンクの作成には時間がかかる場合があります。
6.Datastoreの確認
作成したDatastoreがリストに表示されることを確認します。
proxmox-backup-manager datastore list
これで、NAS上のCIFSがdatastoreとして利用できるようになります。
後は同期などの設定をWEBでポチポチすれば使えます。
一応メインのバックアップ先としても指定はできると思いますが、
自分の環境ではNW帯域や他のNASアクセスもあるので前述の通り取得済みバックアップの同期先としてのみ使用しています。
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