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Atomicデザインとは?
Atomicデザインは、ウェブデザインやユーザーインターフェイス(UI)デザインにおける構造化されたアプローチで、複雑なUIをシンプルな部品(コンポーネント)に分解し、再利用性を高め、管理しやすくする方法論です。
Atomicデザインは「原子」や「分子」などの構成要素に例えて、デザインの階層構造を以下の5つのレベルに分けます。
1. Atoms(原子)
- 定義:最小のUI要素、インターフェイスを構成する基本的な部品。
- 例:ボタン、入力フィールド、ラベル、アイコン、チェックボックスなど。
特徴:
- 再利用可能:これらの要素は他の部分でも何度も使われます。
- 単純:スタイルや機能が単純で、他のコンポーネントに組み合わせることで意味を持つようになります。
2. Molecules(分子)
- 定義:いくつかの「原子」が組み合わさって、より複雑な部品を作る段階。
- 例:フォームのラベルと入力フィールドを組み合わせた「フォームグループ」、検索ボタンを含む検索バーなど。
特徴:
- 機能的:複数の原子が組み合わさって、特定の目的を持つ小さな機能単位として働きます。
- 再利用性:分子も再利用可能で、他のページやコンポーネントで活用できます。
3. Organisms(有機体)
- 定義:複数の分子を組み合わせて、より大きなUIの構成要素を作成する段階。
- 例:ナビゲーションバー(ロゴ、メニュー、検索バーなどの分子が集まる)、カード(画像とテキストのグループ)など。
特徴:
- 複雑な構造:ユーザーがインタラクションする具体的なセクション。
- 機能性の向上:有機体は特定の機能を持ち、Webページの大きなセクションを形成します。
以下のように、複数のMoleculesを包括するものというイメージです。
Header(Logo + NavMenu + Search)
CardList(Card × 複数)
4. Templates(テンプレート)
- 定義:有機体を組み合わせて、ページのレイアウトを定義する段階。実際のコンテンツはまだ含まれません。
- 例:ブログの投稿ページテンプレート、ダッシュボードのレイアウトテンプレート。
以下のように、コンテンツが差し替えられる再利用可能な画面がテンプレートになります。
// BlogTemplate.tsx
export const BlogTemplate = ({ header, articleList }: { header: ReactNode; articleList: ReactNode }) => {
return (
<div>
<header>{header}</header>
<main>{articleList}</main>
</div>
);
};
特徴:
- レイアウト中心:テンプレートはページ構造を決定し、UIコンポーネントの配置方法を定義します。
- 静的コンテンツ:コンテンツは仮のものやダミーデータが使われ、デザインのレイアウトや構造を決めることに重点が置かれます。
5. Pages(ページ)
- 定義:テンプレートに実際のコンテンツが挿入されて、最終的なページが完成する段階。
- 例:実際の製品ページ、記事ページ、ダッシュボードの実際の表示内容など。
特徴:
- 動的なコンテンツ:ページはユーザーに表示されるリアルなコンテンツ(テキスト、画像、データなど)を持ちます。
- 最終形態:Atomicデザインの最終的なアウトプットとなり、実際にユーザーが操作するインターフェイスとなります。
✅ Atomicデザインのメリット
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再利用性の向上:
- すべてのUIコンポーネント(原子、分子、有機体)は再利用可能です。これにより、開発時間が短縮され、変更やメンテナンスがしやすくなります。
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一貫性の確保:
- 小さな要素の集合から大きなUIが作られるため、デザインが一貫しており、ユーザーにとっても分かりやすいUIが提供できます。
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柔軟性の確保:
- コンポーネントごとに分割されているため、新しい機能を追加したり、デザインの変更が容易に行えます。
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チーム間の協力:
- デザイン、開発、コンテンツ作成者の間での役割分担が明確になり、協力しやすくなります。
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メンテナンスの容易さ:
- それぞれのコンポーネントが独立しているため、修正が他の部分に影響を与えることなく行えます。
✅ まとめ
- Atomicデザインは、UIコンポーネントを小さな部品から大きなUIまで段階的に組み立てる方法論です。
- 5つの階層(原子、分子、有機体、テンプレート、ページ)でUIを設計・開発し、再利用性、保守性、一貫性を高めます。
- 再利用性と一貫性を重視することで、効率的な開発と維持管理が可能になります。
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