[Mattermost Integrations] Outgoing WebHook 基本編
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本記事について
Mattermost の統合機能アドベントカレンダーの第 4 日目の記事です。
本記事では、Mattermost から外部アプリケーションへ投稿内容を送信できる Outgoing WebHook(外向きのウェブフック)について紹介します。
Outgoing WebHook 概要
Outgoing WebHook は、Mattermost に投稿が作成された時にその投稿情報を外部アプリケーションへ送信するための機能です。
Outgoing WebHook を使うことで、Mattermost で発生した投稿イベントを外部アプリケーションに通知することができます。
Outgoing WebHook に関する公式ドキュメントは下記になります。
- https://docs.mattermost.com/developer/webhooks-outgoing.html
- https://developers.mattermost.com/integrate/outgoing-webhooks/
一つ目の公式ドキュメントは Outgoing WebHook の概要について記述しており、二つ目の Developer Document にはより細かい開発者向けの情報が書かれています。
設定
Outgoing WebHook を利用するには、システムコンソール > 統合機能管理 > 外向きのウェブフックを有効にする の設定が有効
になっている必要があります。
また、統合機能はデフォルトではシステム管理者とチーム管理者しか作成することができませんが、誰でも作成できるようにしたい場合、システムコンソール > 統合機能管理 > 統合機能の管理を管理者のみに制限するの設定を無効
してください。
作成
メインメニュー > 統合機能から統合機能の画面を開き、
外向きのウェブフック > 外向きのウェブフックを追加するから、新たな Outgoing WebHook を追加します。
ウェブフックの作成画面で入力する情報は下記の通りです。
- タイトル: ウェブフックの一覧ページに表示されるタイトルです
- 説明: ウェブフックの説明です
-
コンテントタイプ: 外部アプリケーションに送信するデータの形式を
application/x-www-form-urlencoded
とapplication/json
から選択できます - チャンネル: ここで指定したチャンネルに投稿が作成されると、外部アプリケーションへのリクエストが送信されます。トリガーワードを指定した場合、チャンネルの指定は必須ではなくなります。非公開チャンネルやダイレクトメッセージチャンネルは指定できません。
- トリガーワード: ここで指定したキーワードで始まる投稿が外部アプリケーションへ送信されます。チャンネルとトリガーワードを両方指定した場合、指定したチャンネル内のトリガーワードで始まる投稿のみが外部アプリケーションに送信されます。
-
トリガーとなる条件: トリガーワードと一致する条件を指定します。スペース区切りで最初の単語がトリガーワードと完全に一致するか、トリガーワードで始まるかを設定するものであるため、日本語の投稿を対象とする場合、
最初の単語がトリガーワードで始まる
に設定しておくと良いかと思います。 - コールバック URL: リクエスト送信先の URL です。
Outgoing WebHook の作成が完了すると、トークンが表示されます。このトークンは、外部アプリケーションに対して送信されるリクエストに含まれる値であり、リクエストが Mattermost から送信されたことを検証するために使われます。
実行
Outgoing WebHook を実行する前に、リクエスト送信先サーバーを立ち上げておく必要があります。
今回は、送信されたリクエストの JSON ボディをログ出力する簡単なサーバーを立ち上げておきます。
package main
import (
"encoding/json"
"io/ioutil"
"log"
"net/http"
"github.com/mattermost/mattermost-server/v5/model"
)
func main() {
http.HandleFunc("/outgoing", func(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
defer r.Body.Close()
b, _ := ioutil.ReadAll(r.Body)
// (1) `model.OutgoingWebhookPayload`によるリクエストの読み出し
var payload model.OutgoingWebhookPayload
json.Unmarshal(b, &payload)
log.Printf("Request: %#v", payload)
})
http.ListenAndServe(":8080", nil)
}
(1)
Outgoing WebHook により送信される JSON データは、Mattermost 本体の model.OutgoingWebhookPayload
の形式で送信されるため、この構造体を利用してデータを変換しています。
上記コードをmain.go
として保存し、go run main
を実行してサーバーを立ち上げます。Mattermost サーバーと Outgoing WebHook リクエスト受付用のサーバを同じマシン上で起動し、Outgoing WebHook 作成時のコールバック URLにlocalhost
のサーバーを指定している場合、システムコンソール > 開発者 > 信頼されていない内部接続を許可するにlocalhost
を追加しておく必要があります。
上記の設定が完了した後、Outgoing WebHook 作成時にチャンネルに指定したチャンネルに投稿を作成すると、
Outgoing WebHook がサーバに送信され、下記のようなリクエストの情報がコンソールに出力されます。
$ go run main.go
2020/11/03 00:10:30 Request: model.OutgoingWebhookPayload{Token:"9mgpebi9a7bq3qjedd1kt6mwtr", TeamId:"9d1xf4gg7fnibxs8fdw6fo5fre", TeamDomain:"test", ChannelId:"9eexapjuabd89fzbwfajdqhwta", ChannelName:"outgoing-webhook", Timestamp:1604329830865, UserId:"87x93uo8pfnzdro9ktcmobpa1r", UserName:"kaakaa", PostId:"au6tf4hoebyeffiaw9h1w6rpaw", Text:"こんにちは、テスト。", TriggerWord:"こんにちは、", FileIds:""}
リクエストに含まれるトークンの値(Token:"9mgpebi9a7bq3qjedd1kt6mwtr"
)が Outgoing WebHook 作成時に表示されていたトークンと同じものであることがわかります。
このように、Mattermost の投稿情報を外部アプリケーションへ送信することができます。外部アプリケーション側で、送信されたリクエストに応じた処理を実装することで、Mattermost から処理を起動したりすることができます。また、ウェブフックを受け取った外部アプリケーションから、再び Mattermost へ投稿を作成したりすることもできますが、その辺りは明日の記事で紹介します。
さいごに
本日は、Outgoing WebHook の基本的な使い方について紹介しました。
明日は、Outgoing WebHook に反応して外部アプリケーションから Mattermost へ投稿を作成する方法について紹介します。
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