Mattermost5.10の新機能
はじめに
2019/4/16 に Mattermost v5.10.0 がリリースされました。
この記事では、アップデートの内容について簡単に紹介します。
変更内容の詳細については公式のリリースを確認してください。
- Mattermost 5.10: Single sign-on for mobile, richer integrations and more - Mattermost Private Cloud Messaging
- Mattermost Changelog — Mattermost 5.10 documentation
アップデート内容
Interactive ephemeral messages
今まで、Mattermost のInteractive Messages(ユーザーが操作可能なボタンやメニューを含む投稿)は、全ユーザーが閲覧可能な形式でしか作成することができませんでした。
今回のバージョンアップにより、自分だけが閲覧可能な Interactive Messages を作成可能になりました。
これにより、例えば個人単位で機能の On/Off を切り替えられるプラグインなどで自分だけが見れるメッセージに On/Off 切り替えボタンを表示するなど、よりパーソナライズされたメッセージを作成できるようになります。
この機能はプラグイン用の API から使用できるようです。(Go 言語ドライバからは作成することができないようでした。)
プラグイン用のサンプルコードは下記になります。
(実験的な機能) Mattermost 設定のデータベース化
最近、Mattermost では Kubernetes 環境向けのデプロイやコンテナ化に注力しており、そのために、サーバー間で安定した設定のやり取りを行う方法が求められています。今まで、Mattermost のサーバは JSON ファイルによって管理されてきましたが、このバージョンから Mattermost の設定をデータベースに格納することができるようになりました。
まだドキュメント化はされていないようですが、mattermost config migrate
コマンドで設定できるのだと思われます。
ドキュメント化されてないことからも分かるように、この機能はまだ実験的な機能なため、強い要望が無い限りは使用しないほうが良いと思います。
その他の変更
Message Attachment のタイトルに絵文字/ハイパーリンクが利用可能に
Message Attachmentsのタイトル部分に絵文字とリンクを使用できるようになりました。
また、Message Attachments のボタンには絵文字を使用できるようになりました。
上記投稿を作るサンプルコードは下記になります。
Message Button では絵文字のみ利用可能に。
メッセージ入力ボックスにチャンネル名が表示されるように
メッセージ入力ボックスに何も入力していない状態の時に表示されるメッセージに、チャンネル名が含まれるようになりました。
Excel から Markdown テーブルへの変換
Excel のセルをコピーし、そのまま Matterost のメッセージ入力欄に貼り付けると Markdown テーブル形式に変換して貼り付けてくれる機能が追加されました。
Excel だけでなく、Google スプレッドシートからでも同様のことが行えます。
実験的機能がシステムコンソールから設定可能に
システムコンソール > 詳細 > 実験的機能から、実験的な機能の設定を行えるようになりました。
細かな設定含めて多くの項目がありますが、サイドバー構成を有効にすることで使えるようになる、「未読チャンネルのグループ化」などは便利です。
ただ、「実験的な機能」とあるように、動作が保証されている機能ではない点に注意が必要です。
モバイルアプリのアップデート
v5.10.0 のリリースと同日の 4/16 に Mattermost のモバイルアプリの最新版 v1.18.0 もリリースされました。
主な変更内容は下記になります。
- Office365 SSO / Integrated Windows Authentication(IWA) のサポート
- Message Attachmentのタイトルに絵文字やハイパーリンクが使用可能に
- 投稿を長押しした時のメニューに「返信する」が追加
詳細な変更内容についてはmattermost-mobile/CHANGELOG.md at master · mattermost/mattermost-mobileを参照してください。
その他
Mattermost Plugin Bounty Program
要望の多い Mattermost プラグインについて、報奨金を出してコミュニティに開発してもらおうという Mattermost Plugin Bounty Program が公開されています。(4つの募集プラグインについて、すでにすべてコミュニティメンバがアサインされている模様)
募集されているのは下記 4 つのサービス/OSS のプラグインです。
- Cisco WebEx Meetings Server
- Skype for Business
- Jenkins
- GitLab
開発したプラグインを GitHub に Apache 2.0 or MIT ライセンスで公開することが条件となっているため、これらのプラグインは誰でも利用できる形になるかと思います。
Write a Review on Mattermost
「Mattermost についてのレビューを送って$20 のギフトカードをもらおう」という旨のキャンペーンが行われています。
(現在でも受け付けているのか、日本でもギフトカードを受け取れるのか、等の詳細については不明です。すいません。)
Software Design
3/18 発売の Software Deisign4 月号から、4 か月間の短期連載で Mattermost に関する紹介記事を書かせていただいています。
書店などで見かけたらぜひ手に取ってみてください。
おわりに
次のv5.11
のリリースは 2019/5/16(Fri)を予定しています。
そして機能追加が行われるv5.12
は恐らく 2019/6/16(Tue)のリリースになるかと思います。
Mattermost 日本語(@mattermost_jp)さん | Twitter で Mattermost に関する日本語の情報を提供しています。
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