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【データと分析の管理】

kaikai

1. データのバックアップと復元


Salesforceのデータは非常に重要なので、万が一に備えてバックアップと復元の方法を知っておきましょう。

データエクスポートサービス

これはSalesforceの標準機能で、データのバックアップを自動化できます。

  • 定期的にデータバックアップを自動で作成してくれますが、ダウンロードは手動で行う必要があります。
  • 生成されたデータファイルは、Salesforceのサーバー上に48時間だけ保存されます。
  • 大量のデータをエクスポートする場合、ファイルは複数に分かれます。
  • 計算結果を表示する数式項目や、関連レコードを集計する積み上げ集計項目は、エクスポートの対象外です。

データローダー (Data Loader) でのバックアップ

データローダーは、Salesforceのデータを一括で操作できるツールです。

  • エクスポートするデータの条件を細かく設定できます。
  • データローダー単体では定期的な自動実行はできませんが、コマンドラインインターフェース(CLI)版を使えば自動化が可能です。
  • データローダーのCLI版は、現時点ではWindowsのみをサポートしています。

データローダーを使った復元方法

データローダーには、直接「復元」する機能はありません。しかし、以下の方法で削除したレコードを復元できます。

  1. 「Export All」機能を使う: 通常のエクスポートとは異なり、ゴミ箱に入っている**「ソフト削除」されたレコード**も含めてすべてのレコードをエクスポートできます。
  2. 削除されたレコードを特定: Export Allでエクスポートしたファイルから、削除されたレコードの正確なリストを作成します。
  3. 再インポート: そのリストをデータローダーでSalesforceに再度インポートすることで、削除されたレコードを復元できます。

Salesforceバックアップ

これはSalesforceが提供する純正のバックアップ製品です。

  • Salesforceのデータをバックアップし、必要に応じて復元できるサービスです。
  • データの整合性を保ちながら、定期的なバックアップと柔軟なデータ復元を可能にします。
  • バックアップは手動、または週次・月次でスケジュールできます。
  • エクスポートされたデータは、Salesforceが提供する安全なリンクからダウンロードする必要があり、自動的にパソコンなどのローカルサーバーに保存することはできません。

3つの方法の使い分けのイメージ
Salesforce Backup(製品):

目的: 究極の安心感と効率的な復元。

例: 「会社として、Salesforceのデータが失われたらビジネスが止まる。万が一の時も、すぐに、確実に、元通りにしたい。」

データエクスポートサービス:

目的: 定期的な全体バックアップの確保。

例: 「毎月、Salesforceの全データのコピーをCSVで手元に置いておきたい。万が一の際は、手動で頑張って復元する。」

データローダーでのバックアップ:

目的: 特定のデータ抽出、削除データ復元、柔軟なデータ操作。

例: 「今週誤って削除したリードを復元したいから、ごみ箱のデータも含めてリードだけをエクスポートしよう。」「営業チームの特定の期間の商談データだけを分析のために抽出したい。」


2. データのインポートと管理


Salesforceに外部からデータを取り込む際や、既存のデータを効率的に管理する方法です。

データインポートウィザードとデータローダーの主な違い

Salesforceにデータをインポートする際、主にデータインポートウィザードデータローダーの2つのツールがあります。

項目 データインポートウィザード データローダー
ワークフロールール オプションでトリガーするかどうかを選択できる オプションでトリガーするかどうかを選択できる
マッピング 保存できない 保存できる
エクスポート機能 なし あり
処理レコード数 比較的少量のレコード向け(最大5万件程度) 大量のレコード向け
操作の複雑さ 簡単 やや複雑

レコードが「保存されない」場合の主な原因

データローダーなどでレコードをインポート・更新しようとした際に保存できない場合、主に以下の原因が考えられます。

  • 検証ルール違反: Salesforceに設定されたデータのチェックルールに合致しない。
  • 必須項目が無い: 入力が必須とされている項目が空になっている。
  • 権限不足: ユーザーに必要な操作権限がない。
  • 参照関係でのエラー: 関連付けようとしているレコードが存在しない、またはアクセスできない。

フォルダの概念がある主要なオブジェクト

Salesforceで情報を整理するために「フォルダ」の概念があるのは、主に以下の機能です。

  • レポート (Reports)
  • ダッシュボード (Dashboards)
  • メールテンプレート (Email Templates)
  • マクロ (Macros)

3. レコードの所有権とアクセス管理


レコードを誰が管理するか、そしてその変更方法についてです。

少量のレコードの所有権変更

少量のレコードの所有者を効率的に変更するには、リストビューを使うのが便利です。

  • リストビューで表示されているレコードの中から、変更したいレコードを複数選択します。
  • その後、「Change Owner」ボタンをクリックして、一括で所有者を変更します。

Salesforceのマス転送機能

これは、特定のレコードタイプ所有権をまとめて別のユーザーに移行するためのツールです。例えば、営業担当者が異動になった際などに、その担当者が所有していたすべての商談やリードを新しい担当者に一括で引き継ぐことができます。

「特定のレコードタイプ」には、主に以下の関連レコードが含まれます。

  • 関連する取引先責任者 (Contacts)
  • オープンな商談 (Open Opportunities)
  • 下書きおよび承認プロセス中の契約 (Contracts in Draft & In Approval Process status)
  • 下書きステータスの注文 (Orders in Draft status)
  • メモ (Notes)
  • 添付ファイル (Attachments)
  • 既存の所有者に割り当てられたオープン活動 (Open Activities assigned to the existing owner)

非アクティブなユーザーが所有するレコードの所有者変更

基本的には管理者のみが変更できますが、特定のユーザーにその権限を付与することも可能です。

  • 非アクティブな所有者を持つレコードを更新」オプションを有効にすることで、特定のユーザーにこの権限を付与できます。

4. データ品質と重複管理


Salesforceに登録されるデータの品質を保ち、重複を防ぐための機能です。

レコードが作成されたかどうかの視覚的確認なしで検証ルールが適用されるシナリオ

通常、レコードを作成する際には画面上でエラーが表示されますが、以下の2つのケースでは、ユーザーに直接エラーが表示されずに検証ルールが適用されます。

  • Web-to-リードフォームの送信: ウェブサイトからリード情報が送信された場合。
  • Web-to-ケースフォームの送信: ウェブサイトからケース情報が送信された場合。

削除されたレコードのごみ箱保存期間

削除されたレコードは以下の期間、ごみ箱に残ります。

  • ユーザーが手動でごみ箱を空にするまで。
  • ごみ箱が特定のサイズ(容量制限)に達するまで。
  • 15日間が経過するまで。

カスタムテキストフィールドを「ユニーク(Unique)」としてマークする場合

カスタムテキストフィールドを「ユニーク」に設定すると、データの重複を防ぐことができます。

  • このユニーク制約の動作は、フィールド作成時に設定できる「大文字と小文字を区別する(Case Sensitive)」か「大文字と小文字を区別しない(Case Insensitive)」かによって異なります。
    • 大文字と小文字を区別する: 例えば「abc」と「ABC」は別々の値として扱われます。
    • 大文字と小文字を区別しない: 例えば「abc」と「ABC」は同じ値として扱われ、重複とみなされます。

重複ルールを設定できるオブジェクト

Salesforceの重複ルールは、以下のオブジェクトで設定できます。

  • 取引先 (Accounts)
  • 取引先責任者 (Contacts)
  • リード (Leads)
  • 個人取引先 (Individual)
  • カスタムオブジェクト (Custom Objects)

SalesforceのレコードID

Salesforceのレコードには、レコードを識別するためのユニークなIDがあります。

  • 15文字のSalesforce ID: 大文字と小文字を区別するIDです。URLなどでよく見られます。
  • 18文字のSalesforce ID: 大文字と小文字を区別しないIDです。APIやデータローダーのようなツールで推奨されます。

SalesforceレコードIDの取得場所

SalesforceレコードIDは、以下の場所から取得できます。

  • URLから
  • レポートから
  • データローダーから
  • 開発者コンソールから
  • APIから

5. レポートとダッシュボード


Salesforceに蓄積されたデータを分析し、可視化するための機能です。

ダッシュボードに追加できるコンポーネントの最大数

1つのダッシュボードには、最大20個のコンポーネントを追加できます。

レポートとグラフ

  • 1つのレポートに対して複数のグラフは作成できません
  • レポートのデータを使って複数のグラフを見たい場合は、それらをダッシュボードに追加することで実現できます。

ダッシュボードのダウンロード機能

ダッシュボードのダウンロード機能では、PNGファイルとしてのみダウンロード可能です。

「商談フェーズ」が「クローズ済み・受注」に更新された際に、営業VP以外のユーザーが「商談」レコードを削除できないようにする方法

商談フェーズとユーザーのロールを組み合わせた動的なアクションを作成することで、特定の条件(商談フェーズが「クローズ済み・受注」)と特定のユーザー(営業VP以外)がレコードを削除できないように設定できます。