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【Salesforce】アプリケーションマネージャーとLightningアプリケーションビルダー

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第1節:Salesforceの主要な標準オブジェクトとその関係

1-1. 主な標準オブジェクトとその意味
オブジェクト名 概要
取引先(Account) 会社や団体などの「法人情報」を表します。営業活動の中心です。
商談(Opportunity) 取引先と進行中の「取引の可能性」を表すオブジェクトです。
連絡先(Contact) 取引先に所属する「個人(担当者)」の情報を持ちます。
ケース(Case) 顧客からの「問い合わせやトラブル」を管理します。
商品(Product) 会社が販売している「製品やサービス」の情報です。
価格表(Price Book) 商品の「販売価格リスト」を管理します。
1-2. オブジェクトの関係
取引先
├─ 商談
│   └─ 商品(価格表を通じて関連)
├─ ケース
└─ 連絡先

多対多の関係の実装:
Salesforceで多対多の関係を実装するには、通常、ジャンクションオブジェクトを使用します。
ジャンクションオブジェクトは、多対多の関係を持つ2つのオブジェクトそれぞれに対し、
主従関係を持ちます。

主従関係の制限:
1つのカスタムオブジェクトが持つことができる主従関係の数は最大2つです。
これは、そのカスタムオブジェクトがジャンクションオブジェクトとして機能する場合、
そのオブジェクトが「主」となる2つのオブジェクトと主従関係を持つためです。

1-3. 取引先(Account)と直接結びついている主なオブジェクト
オブジェクト名 関係 説明
取引先責任者(Contact) 一対多(Account → Contact) 1つの取引先に、複数の人(担当者)がひもづく
商談(Opportunity) 一対多(Account → Opportunity) 取引先に対して複数の商談がある
ケース(Case) 一対多(Account → Case) 問い合わせ・クレームなど
活動(Activity) 一対多(Account → Task/Event) メールや会議の記録など
契約(Contract) 一対多(Account → Contract) 顧客との正式な契約情報
注文(Order) 一対多(Account → Order) 顧客が行った注文記録
アセット(Asset) 一対多(Account → Asset) 顧客が所有する製品など
ケースチームメンバー 一対多(Account → 間接的) 関係者をチームとして管理(ただし間接的)
1-4. ケース(Case)とは
覚えるポイント 内容
🎯 目的 顧客からの問い合わせ・クレーム・質問などを追跡する
🧾 典型的な使い方 顧客が「困った!」→ サポート担当がCaseを作成して対応開始
👥 使う人 サポート担当、管理者、営業担当など
🛠 補助する機能 ワークフロー、割り当てルール、自動応答ルールなど
📚 解決策の記録先 「ナレッジ記事」や「ソリューション」など別機能を使う

顧客の問題と解決策の詳細はケース外になるので注意

1-5.Account(取引先)とは
ポイント 内容
🧾 **Account(取引先)**とは 顧客、取引先、ライバル企業など、「会社」や「個人客」を管理する
🏢 B2B向け 顧客企業、パートナー企業など(通常の使い方)
🧍 B2C向け 「個人取引先(Person Account)」機能で個人を1件の取引先として扱う
⚔ ライバル管理もOK 競合他社も取引先として登録しておける(情報分析に使う)

第2節:連絡先と複数の取引先の関連付け

2-1. 「連絡先から複数の取引先へ」の有効化とは?

通常、連絡先は1つの取引先としかつながりません。
しかし設定を有効にすると、1人の担当者が複数の会社に関係している場合でも、それを表現できます。

関係の種類 説明
直接連絡担当者(Direct) 主となる取引先との関係
間接連絡担当者(Indirect) それ以外の関連取引先との関係

2-2. 「連絡先から複数の取引先へ」の有効化した後の関連付けとレイアウト

Contactページレイアウト:
「関連取引先(Related Accounts)」関連リストを追加します。
特定の取引先責任者が関連付けられているすべての取引先(直接および間接)が表示されます。

「関連連絡先(Related Contacts)」関連リストを追加します。
これは、その取引先に直接関連付けられている取引先責任者と、
間接的に関連付けられている取引先責任者の両方を表示します。
既存の「連絡先(Contacts)」関連リストは、
この新しい「関連連絡先」リストに置き換えられるため、削除することが推奨されます。

第3節:ルックアップフィルタ

3-1. ルックアップフィルタとは?

ルックアップ項目(参照関係を選択する入力欄)で、選択できるレコードを「条件」で絞り込む仕組み。

例:
「担当者」のルックアップ項目に、所属部門が「営業部」の人だけを表示する など。


第4節:ページレイアウトと項目連動関係

4-1. ページレイアウトで制御できること
  • 表示する項目
  • ボタンの表示/非表示
  • 関連リストの順序
4-2. 項目連動関係(Field Dependencies)

ある選択リストの値に応じて、次の選択肢を絞り込む。

使用できる連動項目:

  • カスタム選択リスト
  • 複数選択リスト

第5節:項目の自動入力と必須項目

5-1. 親→子へ情報を渡すには?
  • 数式項目(Formula):参照表示のみ。保存されない
  • レコードトリガーフロー:実際に子レコードに値を書き込む
5-2. 必須項目の対象
  • テキスト
  • 数値
  • 選択リスト など

第6節:クロスオブジェクト数式項目

概要:
関連オブジェクトの項目を参照して計算や表示を行う項目。

例:
「経費明細」オブジェクトから親の「申請者の名前」を参照して表示。


第7節:リストビューとグローバル値セット

7-1. リストビューとは?
  • オブジェクトのレコードを「条件付きで一覧表示」する画面
  • フィルター、検索、並べ替えが可能
7-2. グローバル値セットとは?
  • 複数の選択リストで「共通の選択肢」を使いたいときに使用
  • 管理が楽になり、修正ミスを防げる

第8節:カスタム項目の管理

8-1. 削除後の復元について
  • 15日間ゴミ箱に保持される
  • 復元後は「必須・一意・主従」などの設定を見直す必要あり
8-2. フィールドの依存関係(Field Dependency)

制御フィールドにできるもの:

  • 標準/カスタムチェックボックス
  • 標準/カスタム選択リスト

第9節:リストビューの権限と制限

9-1. 公開リストビューの編集に必要な権限
  • 「すべてのデータの変更」などのシステム権限が必要
9-2. フィルター数の制限
  • 明確な上限はないが、多すぎると動作が遅くなる

第10節:レコードタイプとビジネスプロセス

10-1. レコードタイプで変えられること
  • ページレイアウト
  • 選択リストの値
  • パス(営業ステージの表示)
  • Lightningレコードページの構成
10-2. ビジネスプロセスとは?

ビジネスプロセス = 「ステータスの推移を管理する枠組み」

種類 対象オブジェクト 概要
セールスプロセス 商談(Opportunity) ステージ管理
リードプロセス リード(Lead) ステータス管理
サポートプロセス ケース(Case) 対応状況管理
ソリューションプロセス ソリューション(Classic) 公開状態の管理(Classic)

第11節:数式関数の活用

  • ISCHANGED():「変更されたか?」を判定
    例:ステージが変更されたら通知する

  • PRIORVALUE():「変更前の値」を取得
    例:「見込み」→「成約」になったら通知する


第12節:ダイナミックフォーム

  • Lightningページ上で、項目単位で表示制御できる新機能
  • 条件付き表示も可能

第13節:検証ルール

仕組みと要素
要素 説明
エラー条件 エラーになる条件の数式
メッセージ 表示される警告文
表示場所 エラーが出る場所(項目横など)
例:** 商談が「成約」なら金額を必須にする
AND(
  ISPICKVAL(StageName, "Closed Won"),
  ISBLANK(Amount)
)

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