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【Salesforce】サービスおよびサポートアプリケーション

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Salesforce ケース管理の基礎

Salesforce のケース管理は、顧客からの問い合わせや問題に対応し、解決まで追跡するための重要な機能です。ここでは、ケースの作成からルーティング、自動化、効率化まで、主要なコンポーネントを体系的に解説します。


1. ケースの作成と基本的な設定

ケースの作成

ケースは、レコードタイプやサポートプロセスがなくても作成できます。しかし、より詳細な管理を行うためには、レコードタイプとサポートプロセスの設定が推奨されます。

レコードタイプとサポートプロセス

  • レコードタイプ: ケースを分類するために使用します。異なる種類のケース(例:技術サポート、請求関連)に対して、異なるレイアウトや選択リスト値を適用できます。
  • サポートプロセス: レコードタイプを作成する際に必須となる設定です。ケースの「ステータス」のフロー(例:新規 → 進行中 → 解決済み)を定義します。
    • レコードタイプ作成時には、「このレコードはどのステータスの流れを使うか?」を設定する必要があるため、事前に少なくとも1つのサポートプロセスを作成しておく必要があります。
    • 起点(Origin): ケースが作成された経路(Web、メール、電話など)を示します。デフォルト値を設定できます。
    • ステータス(Status): ケースの現在の状態を示します。Web-to-Case設定では直接選択できませんが、ケースのピックリスト(選択肢)にあるデフォルト値が使用されます。

カスタムケースフィールド

顧客が入力したWebフォームから作成されたケースに情報を追加するために、カスタムケースフィールドを作成できます。


2. ケースの自動化とルーティング

ケースの効率的な処理には、自動応答や適切なエージェントへのルーティングが不可欠です。

自動応答ルール

顧客からの問い合わせに対して自動でメールを送信するルールです。ケースとリードに適用される

  • トリガー: 「WEB-to-Case」「メール-to-Case」「顧客ポータル提出」によってトリガーされます。
  • 有効化: 複数のケース自動応答ルールを同時に有効にすることはできません。常に1つだけ有効にできます。
  • メールテンプレート: 異なる基準に応じて、異なるメールテンプレートを使用できます。

割り当てルール

ケースを適切なユーザーやキューに自動で割り当てるルールです。

  • ルールエントリ: ケースルーティングは、複数のルールエントリとキューを含むケース割り当てルールを使用して定義します。
  • 複数のルールに該当した場合: ルールの順序に従って、レコードの条件を満たすとそこで処理が停止します。つまり、最も上位の条件に合致したルールが適用されます。

キューとキューリストビュー

  • キュー: 特定の種類のケースやタスクを処理する担当者のグループです。
  • キューのメンバー: キューのメンバーのみが、そのキューからのレコードを受け入れ、所有権を取得できます。
  • キューリストビュー: キューを作成すると、自動でリストビューが作成されます。これにより、キュー内のケースを簡単に確認できます。

オムニチャネルフロー

作業規模とエージェントのキャパシティに基づいて、ケースをサポートエージェントに効率的にルーティングできる機能です。


3. ケース管理の効率化ツール

顧客対応の効率を高めるためのツールを紹介します。

マクロ

反復的なタスクを効率よく行える機能です。

  • 機能: クイックテキストの挿入、メールテンプレートの使用、メールへの添付ファイルの追加が可能です。
  • 実行可能な操作: メール送信、項目更新、タスク作成、レコードのクローズ、フィード投稿が可能です。
  • 制約: 1つのオブジェクトに対する実行しかできないため、複数のオブジェクトを対象とした実行はできません。

フロー

ケースがクローズされた際や特定の条件を満たした際に、自動的にフォローアップタスク(例:顧客への連絡、内部処理の記録など)を作成するのに非常に適しています。APEXでもアンケートの作成・送信は可能ですが、フローの方が簡単です。

クイックテキスト

定型文を素早く挿入できる機能です。マクロと組み合わせて使用することで、さらに効率化できます。


4. ケースと関連情報の可視化・管理

ケースの関係の可視化

  • 「親ケース」フィールド: ケースの1つを関連ケースの親として追加することで、関連するケースをまとめて管理し、その関係を可視化できます。

「ケース取引先責任者ロール」

ケースオブジェクトに関連する機能で、1つのケースに複数の取引先責任者(人物)を関連付けて、それぞれの「役割」を管理するための標準機能です。

ケース削除の影響

ケースを削除すると、関連するイベント、ケースコメント、ファイルも削除されます。


5. コミュニケーションとコラボレーション

Chatter

チーム内での情報共有やコラボレーションを促進します。

  • Chatterフィードコンポーネント: ケースのレコードページに追加すると、Chatterフィードの項目は自動的にフィルタリングされ、関連情報のみが表示されます。
  • Chatterグループのアクセス種別: グループの公開範囲(公開、非公開、リストに載らないグループ)を設定できます。
  • Chatter投稿をダッシュボードに紐づける: フィード追跡の有効化が必要です。

メールパブリッシャー

Lightning Experienceのレコードページに表示されるメール作成コンポーネントで、ケースに関連するメールの送受信を効率的に行えます。

Lightning Experience のメール機能

  • 便利な機能: 作業中の自動保存、送信前のプレビュー、テーブルの追加とスタイル設定などがあります。
  • 制約: 画像の挿入方法や宛先フィールドでの詳細な絞り込みには特定の制約があります。
  • マネージャー承認制のメール:
    1. まずメールを下書きとして保存できるように(ドラフトメール有効化)。
    2. 次にその下書きを承認するためのルール(承認プロセス)を作成。
    3. 最後にその承認プロセスを開始するための操作(送信アクション)を設定します。

6. その他の重要機能

Open CTI (Computer Telephony Integration)

Salesforceと電話システムを連携させる機能です。

  • 利点:
    • レコード上の電話番号が発信通話用のクリック可能なリンクになる。
    • カスタマイズ可能なソフトフォンを使用して、Salesforceユーザーインターフェースから発信または着信できる。
    • 着信時に、関連するレコードとともに通話情報が画面にポップアップ表示される。
    • HTML5をサポートするあらゆるウェブブラウザでソフトフォンの使用を許可します。これはOpen CTIの柔軟性を示す重要な点です。特定のブラウザに限定されるわけではなく、広く利用されているモダンなウェブブラウザであれば基本的に利用可能です。

エージェント向け情報表示の最適化

エージェントがケースの更新情報を効率的に見つけられるようにするには、まずその情報が表示されるべきページをエージェントが見れるように設定し、次にそのページにChatterフィード(活動履歴が表示される場所)を適切に配置することが重要です。

レポートとダッシュボード

  • レポートグラフ: レポートグラフをダッシュボードに追加する際、ソースレポートには既にグラフが含まれている必要があります。

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