3GPP TS23.501 5.28 Support of integration with TSN を読む
この記事は3GPP TS23.501(V17.6.0)を読んでいく Advent Calendar 2022 19日目の記事です。その他の記事もぜひご覧ください。
投稿が遅くなりすみません...。ほぼ直訳で一部終わっていないところもあるので後日整理して追記していきます。
はじめに
TSN(Time-Sensitive Networking)は、IEEEで標準化されている産業用アプリケーション向けにリアルタイム通信を実現するための技術規格です。
3GPP TS23.501の「5.28 Support of integration with TSN」は、5GS(5G System)とIEEE TSNネットワークの統合について書かれています。
TSNやIIoTについてはこちらの記事で勉強しました。
整理されたまとめはNTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル 「3GPP Release 16および17における確定性通信の実現に向けた高度化技術」をご覧ください。
5.28 Support of integration with TSN
5.28.1 5GS bridge management
5GSがIEEE TSNネットワークと統合された場合、5GSの機能はTSNネットワークの1つまたは複数のTSNブリッジとして機能する。
5GSブリッジは、単一のUPF(すなわちPSA)側のポート、UEとUPF間のユーザープレーントンネル、およびDS-TT側のポートで構成される。
TSNネットワークの各5GSブリッジについて、NW-TT上のポートはTSNネットワークへの接続をサポートし、DS-TT側のポートはTSNネットワークへの接続を提供するPDUセッションに関連付けられる。
5GS TSNブリッジのブリッジIDは、TS 23.502に記載のようにUPFのUPF IDにバインドされている。
TSN AFは、5GS TSNブリッジ情報の報告中に、UE/DS-TT側のポートとPDUセッションの間のバインド関係を保存する。また、UPF/NW-TT側のポートに関する情報も保存する。
UPF/NW-TTは、トラフィック転送情報に基づいて適切なegressポートにトラフィックを転送する。
TSN AFの観点からは、5GS TSNブリッジはUPF内に単一のNW-TTエンティティ[1]を有し、NW-TTはトラフィック転送に使用される複数のポートを有していてもよい[2]。
PDUセッションは、与えられたUPFのDS-TTポートあたり1つしか存在しない。
特定のUPFを介して同じTSNネットワークに接続するすべてのPDUセッションは、1つの5GSブリッジにグループ化される[3][4]。
UE/DS-TT側およびUPF/NW-TT側の各ポートの機能は、5GSブリッジの構成の一部として統合され、TSN AFに通知されてTSNブリッジ登録および変更のためにCNCに配信される。
5GSブリッジ上でTSNスケジュールトラフィック(IEEE Std 802.1Q-2018の8.6.8.4節)を含むIEEE 802.1Q機能をサポートするために、5GSは以下をサポートしている。
- 5GSのブリッジ情報を構成すること
- PDUセッションの確立後、5GSブリッジのブリッジ情報をTSNネットワークに報告すること
- 5.28.2節に定義されるように、TSNネットワークから構成情報を受信すること
- 5.28.2節に定義されるように、TSNネットワークから得た構成情報を、対応するPDUセッションのQoSフローの5GS QoS情報(例:5QI、TSC Assistance Information)にマッピングし、効率の良いスケジューリングを行うこと
5GSブリッジのブリッジ情報は、TSNネットワークが5GSブリッジに対して適切な管理設定を行うために使用される。少なくとも以下の情報が含まれる。
- 5GSブリッジの情報
- ブリッジID
- 5GS内のブリッジインスタンスを区別するためのもの
- IEEE Std 802.1Qに記載のように、固有のブリッジMACアドレスから導出されるか、5GS内で固有の値が使用されるように実装依存で設定可能
- ポート数
- ポート番号のリスト
- ブリッジID
- IEEE Std 802.1Qccで定義された5GSブリッジの機能
- トラフィッククラスとポートペアごとの5GSブリッジ遅延
- 5GSブリッジ遅延
- ingressポート番号
- egressポート番号
- トラフィッククラス
- ポートごとの伝搬遅延(txPropagationDelay)
- 送信伝搬遅延
- egressポート番号
- VLANの設定情報[5]
- トラフィッククラスとポートペアごとの5GSブリッジ遅延
- IEEE Std 802.1ABで定義された5GSブリッジのトポロジー
- LLDP構成情報
- 5GSブリッジのシャーシIDサブタイプとシャーシID
- 各NW-TTポートとDS-TTポートの検出された近傍のLLDP検出情報
- IEEE Std 802.1Qで定義されたポートごとのトラフィッククラスとその優先度
- PSFPをサポートするためにIEEE Std 802.1Qの12.31.1節で定義されたストリームパラメータ
- MaxStreamFilterInstances:ブリッジがサポートするストリームフィルタインスタンスの最大数
- MaxStreamGateInstances:ブリッジがサポートするストリームゲートインスタンスの最大数
- MaxFlowMeterInstances:ブリッジがサポートするフローメーターインスタンスの最大数(オプション)
- SupportedListMax:ブリッジがサポートするAdminControlListLengthおよびOperControlListLengthパラメーターの最大値
DS-TTとNW-TTは、TSN GMクロックのタイムベース(PMICで受信したTSNタイムドメイン番号で識別)に対するtxPropagationDelayをTSN AFに報告する。
TSN AFは、txPropagationDelayに関する通知をサブスクライブしており、以前に報告されたtxPropagationDelayとの差がPMICで受け取ったtxPropagationDelayDeltaThresholdより大きい場合、対応するDS-TTまたはNW-TTはPMIC信号を使用して更新したtxPropagationDelayについてTSN AFに通知する[6]。
NW-TTはブリッジ構成と報告のためにCNCによって使用される閾値と単一の時間ドメインで事前に構成することができる。
5GSブリッジのブリッジID、NW-TTのイーサネットポートのポート番号は、UPFに予め設定されている可能性がある。
UPFは、6.3.3.3節に記載のように、TSCを提供するPDUセッションのために選択される。
このリリースでは、各DS-TTポート[7]にグローバルに一意のMACアドレスが割り当てられることが要求される。
UPF内に複数のネットワークインスタンスが存在する場合、各ネットワークインスタンスは論理的に分離されているとみなされる。
N6インターフェース(5.6.12 節)のネットワークインスタンスは、PDU セッションの確立中にSMF からUPFに対して指定される場合がある。
UPFはネットワークインスタンスとS-NSSAIに基づいてリソースを割り当て、TS 29.244に従ってサポートされる。
DNN/S-NSSAIは、PDUセッション確立手順の間に、SMFがネットワークインスタンスと共にUPFに指定することができる。
TSN AFは、5GSから5GSブリッジのブリッジ情報を受け取り、CNCにその情報を登録・更新する役割を担っている。
5.28.2 5GS Bridge configuration
IEEE Std 802.1Qの8.6.8.4節で定義された5GSブリッジの構成情報[8]は以下の項目がある。
- 5GSブリッジのブリッジID
- DS-TTおよびNW-TTのポートにおけるスケジュールされたトラフィックの設定情報
- 5GSブリッジのEgressポート
- トラフィッククラスとその優先順位
IEEE Std 802.1Qで定義された5GSブリッジの構成情報は以下の項目がある。
- 5GSブリッジのシャーシ ID
- IEEE Std 802.1Qの8.8.1節で定義されたトラフィック転送情報
- TSNストリームの宛先MACアドレスとVLAN ID
- IEEE Std 802.1Qの8.8.1項で定義されたポートマップにおけるポート番号
- IEEE Std 802.1Qの8.6.5.1節に基づくストリーム毎の設定情報[9]
- ストリームフィルタ
- ストリームゲート
SMFは、関連するPDUセッションのDS-TTポートのMACアドレスをPCFを介してTSN AFに報告する。
DS-TTのMACアドレス、5GSブリッジID、およびポート番号の間の関連付けはTSN AFで維持され、TSNトラフィックをUEのPDUセッションと結合するために使用される。
TSNトラフィックの5GS QoSを設定するために以下の2つのモデルがサポートされている。
- PSFP情報が常にCNCから提供されることを前提とした場合[10]:
QoSフローはCNCから提供されるPSFP情報に基づいて設定される。 - CNCから提供されるPSFP情報を必要としない場合:
事前に設定されたQoSフローが使用される。
例えば5.28.4節に記載のようにPDUセッション確立時に設定される。
PSFPがあれば、本節で説明するようにPSFPに基づいて必要に応じて追加のQoSフローを設定する。
PSFP情報が利用可能な場合、TSN AFはAnnex Iに記載のようにTSNストリームのingressおよびegressポートを識別し、TSNストリームを運ぶPDUセッションを識別するDS-TTポートMACアドレスを決定する。
TSNストリームのフロー方向は以下のように決定される。フロー方向は、5.27.2節で定義される TSCAIの一部である。
- ingressポートがDS-TTポートである場合:フロー方向はUL
- ingressポートがNW-TTポートである場合:フロー方向はDL
TSN AFは、PSFP情報のストリームフィルタインスタンスを使用して、TSNストリームのためのサービスデータフローを導出する。
TSN AFは、以下の情報を使用して、与えられたTSNストリームまたは集約されたTSNストリームのフローに対するTSN QoS情報を導出することができる。(5.28.4項で規定)
- IEEE Std 802.1Q の8.6.5.1項で定義されるPSFP情報のストリームフィルタインスタンスの優先度値(利用可能な場合)
- 5GSブリッジ遅延情報(5.27.5節参照)
- IEEE Std 802.1Qの8.6.8.4項で定義されるスケジュールトラフィック情報
TSN AFは、ローカル設定またはTSNストリームに一致する静的フィルタリングエントリを使用して、TSNストリームのためのigressポートを識別する。
TSN AFは、TSNストリームがUE-UE通信用である(すなわち、igressおよびegressポートがDS-TTにある)と判断した場合、ストリームを1つのULストリームと1つ以上のDLストリームに分割し、AFセッションベースでストリームをPCFに提供する。
SMFは、UPFがあるPDUセッションのULストリームを別のPDUセッションのDLストリームとしてローカルに転送できるように、5.8.2.13節または5.8.2.5.3節にあるようにローカルスイッチングを適用する。
CNCがPSFP情報をTSN AFに設定する際、TSN AFは5.27.2節にあるようにTSCアシスタンスコンテナを決定する。
TSN AFは、TS 23.503の6.1.3.23項に定義されるように、TSN QoS情報およびTSCアシストコンテナを対応するサービスデータフロー記述と関連付けてPCFとSMFに提供する[11]。
例えば、与えられたDS-TTポートに対して単一のDLストリームがある場合、DLの影響を受けるDS-TTポートおよび関連するTSNストリーム優先度を、影響を受けるegressポートの予定トラフィック情報に基づいて決定し、ゲートオープン間隔および想定されるingressポートビットレートに基づいて推定MDBVを導出することが可能である。
TSN AFがPSFPおよび/または予定トラフィック情報をDS-TTとNW-TTに提供する場合、DS-TTとNW-TTはTSN GMクロックのタイムベース(PMICで受け取ったTSNタイムドメイン番号で識別)に基づいて実行される[12]。
5.28.3 Port and user plane node management information exchange in 5GS
5.28.3.1 General
PDUセッションのDS-TTのポート番号は、PDUセッションの確立中にUPFによって割り当てられる。
割り当てられたDS-TTポート番号は、UPFからSMFに報告され保存される。
SMFは、PCFを介してDS-TTポート番号をTSN AFまたはTSCTSFに提供する。
TSN AFまたはTSCTSFは、DS-TTポート番号とUEのDS-TTポートMACアドレス(イーサネットタイプのPDUセッションあり)またはIPアドレス(TSCTSFのみに適用、IPタイプPDUセッションあり)の間の関連付けを維持する。
SMFがTSN AFまたはTSCTSFにDS-TTポート番号を報告したPDUセッションが解放された場合、SMFはTSN AFまたはTSCTSFに通知する。[13]
5GSは、ポート管理情報コンテナ内で、TSN AFまたはTSCTSF
とDS-TTまたはNW-TT
との間で、それぞれの標準とdeployment固有のポート管理情報の転送をサポートする。
NW-TTは1つ以上のポートをサポートすることができるが、各ポートは別々のポート管理情報コンテナを使用する。
5GSは、ユーザープレーンノード管理情報コンテナ内のTSN AFまたはTSCTSF
とNW-TT
の間で、標準とdeployment固有のユーザープレーンノード管理情報の転送もサポートする。
表5.28.3.1-1にポート管理情報、表5.28.3.1-2にユーザープレーンノード管理情報を示す。
TSN AFが展開されている場合、すなわち5GSがIEEE TSNネットワークと統合されている場合、CNCとTSN AFの間でポートおよびユーザープレーンノード管理情報が交換される。
ポート管理情報は、DS-TTまたはNW-TTに位置するポートに関連するもので、ユーザープレーンノード管理情報コンテナは、5GSブリッジ管理に関連するものである。
TSN AFが配備されていない場合、ポートおよびユーザープレーンノード管理情報は、TSCTSFとDS-TT/NW-TTの間で交換される。[14]
TSN AFまたはTSCTSF
とNW-TT
間、またはTSN AFまたはTSCTSF
とDS-TT
間のポートおよびユーザープレーンノード管理情報の交換は、TSN AFまたはTSCTSF
に以下を可能にする。
- DS-TTポートまたはNW-TTポートのポート管理情報またはユーザープレーンノード管理情報を取得
- DS-TT、NW-TT、ユーザープレーンノードのポート管理情報を送信
- DS-TTまたはNW-TTポートの特定のポート管理情報が変更された場合、またはユーザープレーンノード管理情報が変更された場合に通知を受信
- 以下のデータ構造の選択されたエントリを削除
- "DS-TT port neighbour discovery configuration for DS-TT port" in UMIC using the DS-TT port number to reference the selected entry.
- "Stream Filter Instance Table" in PMIC using the Stream Filter Instance ID to reference the selected entry.
- "Stream Gate Instance Table" in PMIC using the Stream Gate Instance ID to reference the selected entry.
- "Static Filtering Entries table" in UMIC using the (MAC address, VLAN ID) pair to reference the selected entry.
- K.2.2.1節にあるように、選択されたエントリーを参照するためにPTPインスタンスIDを使用して DS-TTポートまたはNW-TTポートのPTPインスタンスを削除
TSN AFまたはTSCTSF
とNW-TTまたはDS-TT
間のポート管理情報の交換は、DS-TTまたはNW-TT
によって開始される。内容は以下の通り。
-
TSN AFまたはTSCTSF
がサブスクライブしたポート管理情報が変更された場合、TSN AFまたはTSCTSF
に通知する。 -
TSN AFまたはTSCTSF
がサブスクライブしているユーザープレーンノード管理情報が変更された場合、TSN AFまたはTSCTSF
に通知する。
ポート管理情報の交換は、DS-TTによって開始される。内容は以下の通り。
- ポート管理機能を提供する。すなわち、どの標準化されたポート管理情報および配備固有のポート管理情報がDS-TTによってサポートされるかを示す情報を提供する。
TSN AFまたはTSCTSF
は、ポート管理情報コンテナまたはユーザープレーンノード管理情報コンテナ内で、ポートまたはユーザープレーンノード管理情報を取得または送信したいか、通知をサブスクライブする(またはしない)つもりであるかを示す。
5.28.3.2 Transfer of port or user plane node management information
ポート管理情報は、ポート管理情報コンテナ(PMIC)内で、TSN AFまたはTSCTSF
とDS-TTまたはNW-TT
の間で5GSを介して転送される。
ユーザープレーンノード管理情報は、ユーザープレーンノード管理情報コンテナ(UMIC)内のTSN AFまたはTSCTSF
とNW-TT
の間で5GSを介して転送される。
ポートまたはユーザープレーンノード管理情報の転送は以下の通り。
【DS-TTまたはNW-TT
からTSN AFまたはTSCTSF
にポート管理情報を伝達】
- DS-TTはPMICおよびDS-TTポートのMACアドレス(利用可能な場合)をUEに提供
- UEはPMICをN1 SMコンテナのオプションの情報要素持ち、要求したPDUセッション確立またはPDUセッション変更をトリガとしてPMICをSMFに転送
- SMFはTS 23.502の4.3.2.2項および4.3.3.2項に記載のとおり、PMICおよび関連DS-TTポートのポート番号を
TSN AFまたはTSCTSF
へ転送[15] - NW-TTは、UPFに
PMICおよび/またはUMIC
を提供 - UPFは、N4セッションレベル報告をトリガーとして
PMICおよび/またはUMIC
をSMFに転送 - UPFは、NW-TTのN4セッションのいずれかに対応するN4セッションを選択
- SMFは、TS 23.502の4.16.5.1項に記載の通り、PMICと関連するNW-TTポートのポート番号またはUMICを
TSN AFまたはTSCTSF
へ転送
【TSN AFまたはTSCTSF
からDS-TT
にポートマネジメント情報を伝達】
-
TSN AFまたはTSCTSF
は、PDUセッションについて報告されたPMIC、DS-TTポートのMACアドレスまたはUE IPアドレス(TSCTSFにのみ適用可能)、および管理するDS-TTポートのポート番号を、AFセッションレベル手続きを使用してPCFに提供 - PCFは、TS 23.502 4.16.5.2項に記載のとおり、MACまたはIPアドレスをもとに、PCF主導のSM Policy Association Modification手続きでSMFへ情報を転送
- SMFはポート番号がDS-TTのポートに関連すると判断し、これに基づいてTS 23.502の4.3.3.2項に記載のネットワーク要求PDUセッション修正手順を使用してPMICを
DS-TT
に転送
【TSN AFまたはTSCTSF
からNW-TT
にポートまたはユーザープレーンノード管理情報を伝達】
-
TSN AFまたはTSCTSF
は、ブリッジの関連するPDUセッションのDS-TT MACまたはIPアドレス(TSCTSFのみに適用)のいずれかに対応するPCF-AFセッションを選択し、PMIC(複数可)および関連NW-TTポート番号(複数可)やUMICをPCFへ提供 - PCFは、TS 23.502の4.16.5.2項に記載の通り、
TSN AFまたはTSCTSF
から受け取った情報をSMFに転送するために、PCF主導のSM Policy Association Modification手順を使用 - SMFは、ポート番号がNW-TTのポートに関連すると判断するか、UMICの存在に基づいて含まれる情報をNW-TTに配信する必要があると判断し、TS 23.502の4.4.1.3項に記載のN4セッション変更手順を用いて、コンテナおよび関連するポート番号をNW-TTに転送
5.28.3.3 VLAN Configuration Information
CNCは、IEEE Std 802.1Qの12.10.1.1項に従ってTSN AFから5GSブリッジVLAN構成を取得する。
TSN AFとUPF/NW-TTは、同じ5GSブリッジVLANコンフィギュレーションで予め設定されている[16]。
5.28.4 QoS mapping tables
トラフィッククラスと 5GS QoS プロファイルの間のマッピングテーブルが提供される。マッピングテーブルは、TSN トラフィックを PDU セッション上で転送する際に適切な5GS QoS プロファイルを見つけるために使用される。
QoSマッピングは以下の2つのフェーズで実行される。
(1) 5.28.1節のQoS報告フェーズ
TSN AF にはあらかじめマッピングテーブルを設定する(OAM など)。
マッピングテーブルは以下を含む。
- TSN トラフィッククラス
- 事前設定されたブリッジ遅延(すなわちUEとUPF/NW-TT間の事前設定された遅延)
- 優先順位
流れは以下の通り。
- PDUセッションがセットアップされ、UE-DS-TTの滞留時間に関する情報を取得
- TSN AFが5GSブリッジ内のポートペアを推論し、5.27.5節に記載のように、事前に設定されたブリッジ遅延およびUE-DS-TTの滞留時間に基づいて、トラフィッククラスとポートペアごとのブリッジ遅延を決定
- TSN AFがIEEE Std 802.1QおよびIEEE Std 802.1Qccに従って、ポートペアおよびトラフィッククラス毎のブリッジ遅延を更新
- TSN AFがポート毎のブリッジ遅延およびトラフィッククラステーブル(IEEE Std 802.1Q 12.6.3 節)等の関連TSN情報をCNCへ報告
(2) 5.28.2節のQoS設定フェーズ
CNCはTSN AFによってTSN QoS要件にマッピングできるPSFP情報および伝送ゲートスケジューリングパラメータを5GSブリッジに配布することができる。
PCFマッピングテーブルは、TSN QoS情報(TS 23.503の6.2.1.2項および6.1.3.23項を参照)から5GS QoSプロファイルへのマッピングを提供する。
PCFは、TSN AFからのトリガーに基づいて、選択されたQoSポリシーとTSN AFトラフィック要件に従って、要求されたトラフィッククラスに対して、新しい5G QoSフローを確立するためにPDUセッション変更手順をトリガーする。5G QoSフローのために事前に設定された5QIを使用する可能性がある。
図 5.28.4-1 にマッピングテーブルの機能的な配置を示す。
TSN QoS要件のマッピングに関連するパラメータの以下の最小セットはTSN AFによって使用される。
- ポートごとのトラフィッククラスとその優先順位
- TSNストリームのTSCバーストサイズ
- ポートペアとトラフィッククラスごとの5GSブリッジ遅延(independentDelayMax、independentDelayMin、dependentDelayMax、dependentDelayMin)
- ポートごとの伝播遅延(txPropagationDelay)
- UE-DS-TTの滞留時間
CNCは必要な情報を取得するとスケジューリングとパスの計算を進める。
その後、ブリッジに設定情報が設定される(5.28.2 節および 5.28.3 節で説明)。
受信した最も関連性の高い情報は以下の通り。
- ブリッジのトラフィッククラス
- ポート毎のPSFP情報
- 送信ゲートのスケジュール
この時点で、TSNストリームのトラフィッククラスを特定することにより、TSN QoS要件を取得することができる。
トラフィッククラスからTSN QoSおよび遅延要件(UE-DS-TT滞在時間を除く)へのマッピングは、TS 23.503に規定されているTSN AFのQoSマッピングテーブルを使用して実行することができる。
その後、PCFにおいて、TS 23.503に規定されているように、5QIを選択することによって、5G QoSフローを構成することができる。
このフィードバックアプローチは、CNCに報告された情報と、CNCから来る構成情報のフィードバックを使用して、5GSでマッピングと構成を実行する。
トラフィッククラス内の集約されたTSCストリームの最大バーストサイズがTSN AFを介してCNCからPCFに提供される場合、PCFは最大バーストサイズを入力として必要なMDBVを導出することができる。
QoSマッピングテーブルの標準5QIまたは事前設定された5QIに関連付けられたデフォルトMDBVが集約されたTSCバーストサイズを満たすことができない場合、PCFはPCCルールに派生MDBVを提供し、SMF はTS23.503の6.1.3.2.4項で規定されているQoSフローバインディングを実行する。
最大フロービットレートは、附属書Iに記載されているようにPSFPAdminCycleTimeにわたって計算され、TSN AFからPCFに提供される。
PCFはGBR値およびMBR値を最大フロービットレート値に設定する。
最大フロービットレートは、QoSマッピングテーブルで事前に設定された5QIまたは選択された他の 5QI(TS 23.503に規定)に関連付けられた平均化ウィンドウに従って調整され、5GS QoSプロファイルのGBRが取得される。
GBRはその後、SMFによってQoSフローごとのGFBRを計算するために使用される。
TSNパラメータと5GSパラメータの間のPCF内のQoSマッピングテーブルは、5GS内の優先順位を維持しつつ、遅延、アグリゲートTSCバーストサイズ、および優先順位を一致させる必要がある。
5GS経由でTSNサービスを有効にするオペレータは、5GS QoSプロファイルにマッピングされるトラフィッククラスを最大8つまで選択できる。
TSNストリームに使用する5QIがTS 23.503に規定されたようにPCFによって識別されると、選択された5QIの数だけブリッジポートトラフィッククラスを列挙できる。
PSFP情報が与えられたTSNストリームのTSN AFに利用できない場合(例えば、DS-TTまたはNW-TTにおけるPSFPサポートの欠如、またはPSFP機能のサポートされるテーブルエントリの数を超えるため、またはCNCがPSFP情報を提供しないため)、5GSはストリーム優先度(すなわち、IEEE Std 802.1Qで定義されるPCP)からQoSフローへの事前構成されたマッピングを用いてTSNストリームをサポートすることができる。
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UPF内の単一のNW-TTエンティティをどのように実現するかは実装次第である。 ↩︎
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このリリースにおけるイーサネットPDUセッションタイプは、N6ネットワークインスタンスに関連するUPF内の単一のN6インターフェースをサポートするという制約を受ける可能性がある。 ↩︎
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特定のUPFを介して同じTSNネットワークに接続するすべてのPDUセッションは、同じTSN AFによって処理されると仮定されている。 ↩︎
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UEが異なるUPFで終端する複数のPDUセッションを確立する場合、そのUEは複数の5GS TSNブリッジによって表される。 ↩︎
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このリリースでは、TSN AFでのVLAN設定情報の変更はサポートしていない。 ↩︎
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PMICを介したTSN時間領域番号およびtxPropagationDelayDeltaThresholdの構成は、NW-TTではオプションである。 ↩︎
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DS-TTポートのMACアドレスはユーザーデータトラフィックで使用してはならず、3GPPシステム内でPDUセッションと関連するブリッジポートを識別するために使用される。 ↩︎
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この仕様のリリースでは、スケジュールされたトラフィック(IEEE 802.1Q-2018の8.6.8.4節)は保護されたウィンドウでのみサポートされている(IEEE 802.1QのQ.2節参照)、従って5GSの設定には AdminControlListとAdminBaseTime、AdminCycleTime、TickGranularityがサポートされていれば十分。 ↩︎
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IEEE Std 802.1Qの8.6.5.1節をサポートするためには、IEEE Std 802.1CB [83]で規定されるストリーム識別機能をサポートする必要があります。 ↩︎
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PSFP情報は、TSN AFがCNCにPSFPサポートを宣言した場合にCNCから提供されることがある。TSN AFは、5GSブリッジの各DS-TTとNW-TTがPSFPのサポートを表明している場合にのみ、CNCにPSFPのサポートを表明する。 ↩︎
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PSFPからのTSN ストリームの優先度情報が利用できない場合(ストリームフィルタの優先度値がワイルドカードに設定されている)、IEEE Std 802.1Qの8.6.8.4節に定義されるスケジュールされたトラフィック情報を使用して、TSN ストリームの優先度を導き出すことが可能である。 ↩︎
-
PMICを介したTSNタイムドメイン番号の構成は、NW-TTではオプションである。NW-TTはその代わりに、ブリッジ構成と報告のためにCNCによって使用される単一のタイムドメインで事前に構成することができる。 ↩︎
-
ポート番号は、イーサネットポートまたはPTPポートのいずれかを参照することができる。イーサネットタイプのPDUセッションでは、PTPポート番号は関連するイーサネットポート番号と同じであると仮定される。 ↩︎
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ポート管理情報コンテナおよびユーザープレーンノード管理情報コンテナで使用される時間同期パラメータは、IEEE Std 1588およびIEEE Std 802.1ASに準拠する。IEEE時間同期データセットは公開されていないため、Edition 2008、IEEE Std 1588-2008をサポートするデバイスと相互運用する場合は注意が必要である(これは、SMAPの下で運用する場合に起こり得る)。SMPTEプロファイルおよび共通の管理を使用する場合は注意が必要である。 ↩︎
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UPFが
TSN AFまたはTSCTSF
に向けてPMIC/UMIC情報を報告する前に、DS-TTポートに対して少なくとも1つの確立されたPDUセッションが存在しなければならない。 ↩︎ -
本リリースでは、VLAN構成情報はTSN AFとNW-TTで予め設定され、TSN AFとUPF/NW-TTの間では交換されない。 ↩︎
Discussion